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【2024総括】アニメ名探偵コナン【作画・制作状況など】


0.はじめに

名探偵コナンのアニメとしては29年目のシーズンとなる2024年。今年一年を振り返って、名探偵コナンのTVアニメがどのような制作状況だったのかを振り返っていきます。

1.データを見る

1.スタッフリスト(放送リスト)

2024スタッフリスト

まずは、毎週Xで更新しているスタッフリストです。
2024年の名探偵コナン放送回数は48回。そのうち新作が39話デジタルリマスターは9話です。
新作39話のうち12話が原作回27話がアニメオリジナル回となっています。
今年は、夏のパリオリンピックによる放送休止、放送枠が調整された影響で下半期のスケジュールは当初予定とは異なったものになったと予想されます。

また上半期には映画公開に合わせて、『キッドVS高明 狙われた唇』が1時間スペシャルとしてリマスター放送。下半期には江戸川乱歩生誕130周年として『乱歩邸殺人事件』が2週に渡って放送されました。

他にも、新グロス先が登場したり、相変わらず作画監督の人数が多く表に入り切らず苦戦するなどしました(苦笑)
(このあたりは後ほど詳しく書いてます。)

2.制作・作画監督ローテーション

こちらも毎週Xで更新していたローテーション表になります。
毎週放送されるTVアニメは制作期間の関係上、複数の作画監督がローテーションで毎週の作画監督を務めます。つまり何班体制でアニメ制作が行われているかを確認するための表です。

(例えば4班体制だとすると、キッチリ4週間に1回作画監督を務める事が出来ていれば綺麗にローテーション出来ている=制作状況が安定している、と言うことができる)

①2024年作画監督・制作班の数

2024年作画監督・制作班の数

今年は、全部で11班とかなり多い数になりました。中でも目立っているのが、ルミナス・十文字・光の園といった新グロス先が1回ずつ登板していることでしょう。これまでローテーションに入ってるグロス先は、アゼータ・BIGBANG・マウスの3社でしたが、それに加えて新しいグロス先に制作を投げる理由(しかも3社も)というのが、TVアニメの制作状況がそれほどまでに厳しいのか劇場版の方に人員が持っていかれているのか、それとも他に何か理由があるのか、来年の動向に注目です。

加えて、岩井伸之さんが久々の作画監督登板、しかも単独作監(TMS回としては2020年の989話ぶり?)というサプライズがありました。

②2024年作画監督・制作班ランキング

2024年作画監督・制作班ランキング

さっきの表を担当回数順に並び替えたのがこの表です。7回で最多なのがスタジオブーメラン原画班の佐々木恵子さん。個人的に最も安定しているのがこのブーメラン回だと思っているので納得の一位。
続いてアゼータ・BIGBANG・マウスのグロス回、TMSの津吹班とTMSの複数作監班の4回。登板が少なくなってきている大友さんは2回となっています。

【参考】2023年のローテーション表

今年に比べてめっちゃシンプルですねw

2023年のローテーション表

③ローテーション積み上げグラフ【追記】


2024年ローテーション積み上げグラフ

需要あるかはわかりませんが、積み上げグラフも作ってみました。

3.アニオリ脚本家

2024年 アニメオリジナル担当脚本家ランキング

2024年 アニメオリジナル担当脚本家ランキング

安定の大和屋さんが6回登板で最多、コナン全体通して最多回数の扇澤さんが5回登板で2位。稲本さん浦沢さん松田さん大倉さんが2回、まさきさん村川さん能塚さん大川さんが1回登板でした。

アニメオリジナル担当脚本家ランキング

今年はアニメオリジナルが合計24話、計10人の脚本家によりアニメオリジナル回が作られました。新人脚本家は今年も登場せず…

4.作画監督人数・1話あたりの作監人数

最近は1話に複数の作画監督が登板する事が多くなり、アニメ制作の状況が悪化してきているのではないか?という記事を以前書きました。この章ではその2024年総括版を書いていきます。結論、改善せず!

作画監督人数・1話あたりの作監人数グラフ

作画監督人数・1話あたりの作監人数グラフ

まず、1話あたりの平均作画監督人数は3.38人(青縦棒)と相変わらず高止まりしており、むしろ単独作監回のほうが珍しいと言っても過言ではない状態と言えます。中でも、TMS本社回は基本的に複数作監で1話の中で絵柄がコロコロ変わるのが当たり前になりました。(1回の岩井さん単独作監を除いて)
また、アゼータ回に本社からヘルプで作監を派遣してる回もありましたね。

そんななかでも、佐々木恵子さんのブーメラン回かわむらあきお氏のBIGBANG回これまで通り単独で担当されており、この二人のときは1話の中で絵柄がコロコロ変わることは基本的にないので安心して見ていられます。(本社回も頑張ってくれ…)

他にも新グロス先3社には、漏れなく作画監督補佐や作画監修として本社からヘルプしており、なんとかクオリティを保っているというのも目立ちました。スタジオレオよりはマシ、いやあれと比べると全然良いか…

そして、1年を通して参加された作画監督さんの延べ人数(オレンジ線)驚愕の50人と跳ね上がっています。
単純に考えれば、50人も作監がいれば50通りの絵柄が存在するわけで、絵柄を統一するという意味では極めて不安定になってしまうわけですが、そんなこと気にしていられないくらい制作状況が切羽詰まっているということなのでしょうか。

全体の作画監督担当回数

5.分析・感想・まとめ

これまでのデータから思ったことや感想をまとめていきたいと思います。
ここから先は個人の意見エリアですので「そういうの結構」という方はここで読むのを辞めて頂いて問題ないです!

新グロス先3社

新グロス先が3社あったことや、作画監督さんの延べ人数(オレンジ線)が50人に爆増したことから、去年までは制作状況が厳しい中でクオリティを維持するために、普段のローテ内でなんとかする=普段のローテ内で複数作監にして対応していたのが、今年からは普段のローテ以外にも助けを求める=新グロス先に投げるという方針転換があったのかな~とか思っています。
もしくは、普段のローテ内でなんとかできなくなったのか…
とはいっても結局ヘルプで本社から監修や補佐しているので、作画監督さんの負荷軽減にはなっていないのか…?

もしくは100万ドルの五稜星の作画がボロボロだったことから、劇場版のクオリティを維持するためにTVアニメ班から劇場版に人員が割かれているのか?

トムス・エンタテインメント

複数作監が定着してしまったTMS本社回、大丈夫?
牛ノ濱由惟さんや長野まりえさん、たなかみほさんの女性陣の単独作監回を見てみたい(願望)。
大友さんの登板が激減してしまった。劇場版に注力しているのか、それとも?
最近は作画監修がクレジットされていないが、誰が担当しているのだろうか。ネットの噂だと吉見京子さんらしいが…

おわりに

ここまで読んでくださりありがとうございました。来年2025年はアニメとしては30年目に突入します(30周年は再来年)。また年初から原作回が4回連続するということで、期待半分、不安半分という感じです…苦笑
とは言え今年一年も我々に名探偵コナンを提供してくださったアニメーターさん方へは感謝してもしきれません!
そして4月にはYAIBAのリメイク新作の放送が開始します。楽しみです!

というわけで皆様、本年も大変お世話になりました。どうか来年もよろしくお願いいたします。
良いお年を!

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…紅白歌合戦を録画しなきゃ。4Kで観るぞ!

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