見出し画像

【読書記録】ケン・リュウ「文字占い師」もうヤンキースなんか好きじゃない…。

主人公の少女リリーがアメリカでの友達からの手紙を待ち侘びているシーンから始まる。台湾に住みながら祖国アメリカとの強い心の繋がりを示唆する。最終の「もうヤンキースは好きじゃないの」と言う一文に至るまでの事件と心の変化。
リリーの友だちとなる台湾の老人、少年とをつなぐ仕掛けは水牛と老人の文字占いである。文字占いを通じてリリーは台湾とアメリカの明るい未来を信じる。しかしリリーの行動がきっかけとなり老人と少年が命を落とす。凄惨な拷問プロセスは父親の言葉として太字に綴られる。
終盤、リリーはfreezeという単語を老人に習った文字占いにかける。台湾と言う場所の歴史の悲しさを突きつけるひとりのアメリカ少女の成長譚。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?