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技術開発の要【その2】

今回は前回投稿した「技術開発の要【その1】」に続き、
 
特許調査の重要性を示すもう一つの側面である
『攻撃に対する守り』についてご紹介します。

(前回投稿はこちら↓↓)



企業がかかえる知財的最大リスク「権利侵害訴訟」


少し古い記事ですが、韓国中小企業「トップエンジニアリング社」が日本大手H社から「警告状」を始めとする各種の特許攻撃に勝ち抜いたという記事をご紹介します。


 この記事は、特許調査が重要な要であることをズバリ示唆するものです。
 

(なお、韓国中小企業と日本大手という対立構図であること、韓国発の新聞記事であることには全く何ら他意はありません)


このような係争は国内企業同士でもよく起こっていることであり、ドラマ「下町ロケット」よろしく、日本の大手企業が日本の中小企業を権利侵害で警告・訴訟提起するという話も頻繁に耳にします。


また、日本企業がその製品で儲かり利益を貯めこんだ時期を見計らって(それまでは黙って泳がされておいて)、欧米企業から訴訟を提起され多額のライセンス料やその後の不利なライセンス契約を結ばされたという話も多々・・・。
 


記事によれば、

韓国企業は警告を受けて専従チームを発足。
徹底的に無効資料・公報資料の調査を行い、
その調査結果に基づいて侵害対象の韓国特許権を無効化した(無効審判で勝訴)とのこと。

この反撃パターンはよくあるものですが、
それを成功させるには相当な時間と費用を費やしたばかりか、そのような環境において開発をどのように並行して進めるか、簡単な判断ではなかったはず。

負ければ賠償や設備の廃棄など、当然に会社の存続までをも揺るがすことが多いからです。

どの国の企業であれ、そのような状況に置かれたときの苦悩は大変なものであると想像されます。



最大の防御はやはり、「事前に」動いておくこと!



 この記事から学ぶべき弊社なりの教訓は以下の通りです。

開発に際して、その製品が他社の権利を侵害していないか、または、周辺にどのような権利があるのか ❝ 事前に ❞ 知っておいたほうがよい。

もちろん完璧な調査は難しいですが、最初から特許調査をしっかり行っていたなら、後追いで特許調査をするよりも費用も時間も結局は少なくて済んだのではないか、ということです。

危ない権利は弁理士と相談して ❝ 事前に ❞ 無効化するもよし。
少なくとも、いざとなれば抜ける伝家の宝刀として、調査資料を貯めておくのがベター。

開発には長い時間が掛かり、開発環境も変化する。
そのため、一過性の単発的な調査よりも長期に渡って競合他社の動向をチェックすることも重要である。

一過性ではなく長期の調査の重要性は前回投稿でも述べているところです。

とにかく事前に備えておくことが、
技術という資産を守ることに多いに貢献するはずです。




今回の記事による韓国企業は中小といっても、それなりの規模がある会社だったので対応できましたが、それができない小規模な企業様もいらっしゃると思います。


最後にちゃっかり宣伝にはなりますが、
弊社が提供している、サブスク感覚でお付き合い願える「伴走型特許調査サービス:PatHelp」を知財戦略に不安のある企業様へお勧めしております。
 

手前みそとなって恐縮ですが、安心なものづくりの参考になれば幸いです。


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