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梅雨の手前、微睡みの跡

Local visionsさんからEPをリリースして結構な時が過ぎた。
2022年は2月の半ば。思い返してみると、時間というのは意外にも早く、そして呆気なく流れてしまうもので。

文章を書くのはあまり得意ではないのですが、色々と忘れてしまう前にこうやって作った経緯等を書いておくのも悪くないよね!と本当それだけの思いつき。

1曲ずつどんな感じで作ったか、とかそういう事をふわっと書く。

これを読んで聴いてみるとまた違った感想が浮かぶかもしれないので是非最後まで読んでいただけたら幸いです。

1.彼は誰時

朝をイメージして書いた曲。

EPのテーマ(どんなテーマかは内緒!正直聴いた人が感じたテーマが正解だと自分は思っているので…)を決めていたためか、頭の中でだいたいこういう曲!というのが浮かんでいて、それをそのまま勢いにまかせて楽しく即興で弾き倒した。

やっぱり鍵盤を自由に弾くのってたのしいね!
元々そういう作り方が好きなので原点回帰のような、そんな曲です。

2.梅雨の手前

今回EPを作るにあたり、この曲だけは収録しようと決めていた曲。

結構前に制作し、SoundCloudにあげていた曲だが、EPに収録するに辺りMIX等をちょっぴりいじっている。

不自然にしたくはなかったため、本当に違いが分からない程度にいじったつもりだったが、今回共作してくれたsettaさんには一発でバレた。なんで分かるの…?

3.繧繝(Rhino kawara+setta)

お互いにめちゃくちゃ無茶をして書いただけありこのEPで一番難産だった曲。
難産なだけあり、目まぐるしく展開するのにも関わらず一番キャッチーでクールな出来だと思っている。やっぱsettaさんってすごいぜ!

共作って自分一人ではまず見えない発見が沢山でとても楽しい!でも難しい!となった。

パートとしてはリードシンセ、ドラム、ギターがsettaさん。
ピアノやエレピ、コード、ふわふわしたシンセとベースにミックス等が自分と言った具合。

最初の一分だけを二人で書き中々その先が浮かばずかなり長い事放置していたある日、settaさんからこの変則的でクールでイカれたドラムがいきなりフルで送られてきて「えぇ!どうやってこれに乗せるの…!?」とワクワクしながらベース等を乗せたのが一番印象に残っている。

「聴いた人を良い意味で裏切る曲にしたいね」みたいな話をしながらお互いがあまりやらないアプローチをとにかく詰め込んで聴いた人間全員ブチかます事を目標に書いた。
なんてシンプルなコンセプトなんだ。人類皆このコンセプトで曲とか書いたら良いと思う。

終盤のベースが中々バチッと決まらず苦戦したのも今では良い思い出。

4.縋る跡(Rhino kawara+三月)

三曲目とは打って変わって、この曲はかなり早く完成し、EP全体の雰囲気をこうしよう!といった指針の様なものを決定づけた。
そのため個人的にはリードトラック。正直この曲書けてなかったらこのEP出来てなかったと思います。

ポエトリーにしたいなというのは決まっていたため、遅めの4つ打ちのキックに合わせてピアノとアンビエンスで風景の様な音を作り、三月さんに作詩と朗読をお願いした。

綺麗に朗読がピアノと折り重なって、自分だけでは絶対に出せない儚さや切なさが出せたと思う。

個人的な悩みとして自分のピアノ単体だと何かが欠けている…と思う事が多かったため、この共作で完璧な解答をお出しされ唸った。三月さんの声ほんと良いよね…!

5.掴み攫い

他の曲が長くても3分半ぐらいと聴きやすい長さにまとまっていたので、最後の曲は尺とか無視してやりたい音を全部詰め込んだ。

その結果、9分38秒になった。アホか

これまでに色々と作って身につけた自分流の方法論をこの曲でたくさん試した。

重苦しいけど、ただ暗いわけでもない。もしそんな音に聴こえていたなら嬉しいなって思います。

アートワーク.派手な看護婦さん

曲だけでは表現出来なかったEP全体の空気感をこの素敵なアートワークでガッチリと構築し、そして自分が思っていた以上のものへと昇華してくれた。

団地魔女や釘バット人生で元々ファンだったため本当にうれしい!
EPが完成してからずっと携帯の壁紙をこの2枚のアートワークにしている。それぐらい素敵!

元々4枚の候補になるイラストを描いて頂き、その中から「どれにします?」と捨てアカさんから打診され、本当に全部良かったので選べねえ!となりながら共作したお二人に意見など聞きながら一枚に絞りお願いした。
捨てアカさんがこのイラストも素敵なのでお願いしましょう!と2枚も仕上げてもらうことになった。
なんて粋な計らいをしてくれるんだ!とガッツポーズをしたのを覚えている。

ちなみに、バッグについているタコのキーホルダーは自分がお願いしたのではなく、派手な看護婦さんと捨てアカさんお二人からの粋な計らいで描いてくれたらしい。
これまた嬉しすぎて自室でこっそりとガッツポーズを決めた。

淡い色合いと綿密な描き込みで暖かな空気感を演出してくれていて、本当に完璧な仕事に足を向けて寝られません。

というか今回関わってくれた全員に足を向けて眠れないため、自分はこれからどこに足を向ければ良いんでしょうか…。

総括や今年の目標

自分一人では絶対に作れなかった。この感想に尽きます。
共作で化学反応を起こしてくれたお二人にも、

素敵なアートワークで視覚的な楽しみや完璧な空気感を演出してくれた派手な看護婦さんにも、

レーベルから出すのが初めてで右も左も分からない自分に懇切丁寧に対応してくれた捨てアカさんにも本当に本当に感謝しています!

今年も一つぐらいは共作で自分一人で見えない景色や音を見られたらな、そう思いながらこれからもピアノをのんびり弾いていこうと思います。

もちろん、たくさん聴いて頂いた皆さんにもたくさんのありがとうを込めて、この駄文の締め括りとさせていただきます。ありがとう!🐙

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