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いろいろお直しのお話

今年に入ってから、月報は諦めて、気になる・試してみた等のトピックで書いている。今回はお直し(修繕)の話。去年から今年にかけていくつか身の回りのものを修理したので、覚書。どれも詳しいわけではないので、勘違い等あると思うのでそのつもりで。


腕時計

腕時計は2-3本を気分と季節で取り替えてつけている。2つは父の遺品でひとつは自分でオークションで買ったクロノグラフ。どれも自動巻き(機械式)だ。

昔は、少々荒っぽく扱っても大丈夫な耐衝撃型、秒単位で正確さが求められる仕事の時用にクオーツ電波時計、海外で暮らしていたので世界時計とか、必要なものが異なっていたので、普段はBaby-G、スーツモードでXCを使っていた。薄汚れていくゴムとかそういうのが嫌になったのと(XCはフェイスが小さいので老眼にやさしくないし)、そういうものにお金をかけてもいいよなと思う時期が同時にやってきて、自動巻きのクロノグラフを手に入れたのだ。

自動巻きは普通につけていれば勝手に巻き上げてくれる素敵な機械ものだが(裏側が中が見えるのとか、お好きな方にはたまらない)、高い・重い・ある程度の誤差はあるよ、という代物なので、好きじゃないと選択肢には上がらないかも。なにせ年に数回カレンダーを自分で進めないといけない不自由さだ。

本気の高級時計は外車が買える値段なので、それが買える方々は問題ないと思うけれど、そうではない私が腕時計が好きだからといって何本も持てない理由はメンテナンスにお金がかかるからだ。5-10年に一度オーバーホールをしないと部品が摩耗したりしてしまって使えなくなってしまう。そのオーバーホールをメーカーに出すと10万円~(父の遺品2本は普及品でクロノグラフじゃないので、そこまでではないけど)。メーカーによっては、ちゃんとメーカー直営店で買うとオーバーホールの割引があるところも多いのだけど、まあそれなりにかかる。

もちろんメーカーじゃないところに出す手もある。が、本当に高級時計だと、中身を持っていかれる(純正部品)とか色々問題があって、信用と言うことを考えると安ければいい、というわけではない。

今回は、本体のオーバーホールと、金属ブレス(ベルト)の修理をお願いした。ブレスの一部の棒と差し込みのところが折れて、回復不能になっていて(これは取り付けるところじゃないところがとれちゃった)、あきらめて革ベルトにして使っていたのだが、修理屋さんで相談したら、溶接(!)も可能ということで思い切ってお願いした。もちろん純正金属ベルトを購入すればいいのだが、それだけで8万円とかそんな感じなので、このちょっと裏技をお願いすることにした。オーバーホールは、少し遅れてきたのとそろそろかなと思ったので。

頼んだのはメーカーではなく(日本代理店ないメーカーなので、頼むと本国送り)、時計専門の修理屋さん(ムーブメント自体は特殊ではないので日本で修理可能)。ネットでみつけたところだけれど、何度かお願いしているので、信用はある。こういう行きつけのお店があるのはありがたいなあと、しみじみ。4週間後元気になってもどってきた。ガラスも新しくしてもらって、磨いてもらったので、いい感じ。また10年弱、元気で働いてもらおう。

あと2本、憧れの時計があって、少し出世したら(いつのことやら)買おうかなと思っているのだけれど、定価は恐ろしい値段なので、中古で巡り合えたらなと思っている。そう思って選んだわけではないのだが、どちらもコンセプトにばっちりあっている。しかし、その2本もオーバーホールはきっとおそろしやの値段だから、覚悟をもって買わねば。ワインディングマシーンもいいやつにしたい。

トレンチコート


修理後の姿

中学生時代、制服が背広型だったせいで3年生ぐらいになるとトレンチコートを着る先輩がいて、とてもうらやましかった(原体験)。身長の低い私にはトレンチコートは似合わないよなー、と長らく思っていて、高校、大学とダッフルコート一本やり。就職して、スーツでの仕事が増えてちょっとダッフルというわけにも……とコートを探していた時に、なかなか見つからず(当時細身のコートが流行っていた)、デパートの端っこにあった、ラルフローレンの大きいサイズのお店にたどり着いた。高身長でわりと体格のいい感じの店員さんに、この色なら似合うと思うからと勧められて、着てみたら憧れのトレンチコートを着た自分を鏡に見つけて(変じゃなかったし)、どれも気に入らないなら、せめて好きなコートを着ようと購入した。

やっぱり、スーツにトレンチコートを着て、朝出かけるとぱきっとした気分で出かけられるし、好きなスタイルで自分としては気に入っていた。が、外での仕事の時に別部署のおしゃれな上司に、お、トレンチかそーきたかー、といわれて、???、意外ってこと?似合わんということ?と戸惑った思い出もあり、なんかインパクトはあるっぽいけどよくわからんなという印象だった。

冬しか着ないとはいえ、カシミアのコートよりは出番の多いトレンチコート。気が付けば両腕の袖口が裂けてちょっともさもさ。最初は、ばれないかなー(コラ)とだましだまし着ていたのだけど、仕事の時、カフスのあたりは目立つのよ。いつかお直しを…と思いつつ、10年以上着たコートは着れなくなって2年程クローゼットの住人だった。

この間、カジュアルなトレンチっぽい薄手のコートやグレーのウールのコート(ファンデーションが襟につきがちで困った)でごまかしつつ過ごしたのだが、はじめての自問自答ファッション教室にて、あきやさんにメーカーでお直ししてくれるかもしれないとアドバイスを貰う。

しかし、ラルフ・ローレンのサイトを眺めてみるも、修理に関してはあまり情報がなく(電話で問い合わせ)、そもそも袖口の修理なんてできるのか?随分前だから日本法人が違うのでは?(なんとなくバーバリーと三陽のイメージがあった)と、ぐずぐずしているうちに、気が付けばシーズンオフ。すごくきれいな状態でもないし、新しく買いなおしたほうがいいかなあと思うものの、今買おうと思うとコートの値上がり率が半端ない。袖口を直す、ということはできるらしいというのは色々なサイトを見て確認できたので、ひとまず次のシーズンまで先送りになった。

そして、今年になって、いきなりスーツでの出張が激増した。そして試着に行ってる暇がない。まあ新しいの買おうかとまで思ってるぐらいなら、近所のお直し屋さんでもいいのでは、と改めて検索。近くのチェーン店で「コートの袖口お直し」サービスがあるのを発見した。基本裂けているところを中折にして袖を短くして縫う感じだ。

店頭できいてみると3週間ぐらいですかねー、と言われたがおいておいたところで着れるようになるわけでもなし、とりあえずお願いした。すると1週間で連絡がきて、無事完了らしい。お代は両袖で3千円ちょっと。修理後クリーニングに出すと、クリーニング屋さんに袖のところがちょっとつれてるかもしれないと指摘された(裏地の関係だと思うし、ベルトの位置もずらさなかったので、それもあるかもしれない)。うむ。その辺はしょうがないかな。直した分、ちゃんと着倒して次に行こうという気になった。次回は早めにメーカーに相談しよう。今回はいい勉強になった。

ゴールドのブレスレット

最後はつけっぱなしのゴールドチェーンのブレスレットだ。両親の海外旅行の土産で、免税店で買ったものらしくブランドのロゴとかなくてシンプルなチェーン、もらってからずーっとつけている(一時期シルバーのヴェネツィアンが気に入って、そちらを付けていたが、ここ20年くらいはずーっとこれ)。

そんなものがなぜ修理になったのか、というと、ブレスレットの金具に何か糸みたいなものがひっかかって、取れるとおもってひょいっとひいたら、どうやら特殊繊維だったらしくて、糸が外れずに金具が伸びちゃった。あーあ、である。

これは素人がいじって折れたり、ちゃんと閉まらなくてどこかに落として来たら大ショックだ。さてどうするか。

周囲に相談すると、とりあえずデパートのジュエリーお直しに相談せよということになった。たまたま都内出張があったときに、最寄り駅のデパートに
ジュエリー修理の窓口を発見、おそるおそる相談すると対応してくれた店員さんがじーっとルーペでみて、「あ、これは「ウノアエレ」のですから、引き継ぎますねー」とひとこと。

20年以上使ってて、メーカーしらんかったよ🙄

なんかたまたまそこのデパートにメーカーが入っていたらしく、担当の方に引き継がれる。これはずいぶん前のでしょうかと聞かれるので、20年以上前と答えると、「あーやっぱりこのころのデザインはしっかり重い感じですよねー」とのこと。あとで見せてもらったが、現行のラインナップは中空の軽いものが多く、金高くなったからこうなるかあという印象だった。

結局、金具の修理になるだろうということで、全体をスキャナで撮り、秤で重さを量って(!)預かりに。「金具の取り換えでも、取り替える分の金具の金を買い取りになりますから」と言われて、へーそういうもんなんだ、とちょっと安心。金高くなってるから金具高いかもなあと思っていたけど、確かに自分の持っている金も値上がりしているわけだからそこは等価交換なのね。

1週間で返事が来て、現在も同じ金具を作っているので、取り替えの工賃のみでよい(壊れてるけど金としては同じととらえられてるのか)、ということだったので、工賃1500円で済んでしまった。ありがたい。

というわけで、今日もゴールドのブレスとベルトを溶接したクロノグラフを付けてこれを書いている(トップの写真はあきやさんが撮ってくれた教室での手元写真(部分)。溶接ベルトとパーツ交換ブレス)。


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