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スノースマイル

マ ヂ で 寒 い
そうつぶやきながら芝浦工業大学が見える裏路地から雪が積もった街路樹を眺めた。

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得意先という名の大学時代の友達が働いている会社に訪問。
年始の挨拶という雑談で年末年始の近況を話し合った。

仲間内での新年会の日程も決まり
2週間後の宴席を楽しみに外に出ると世界のコントラストがバグっていた。

Illustratorでトーンカーブの設定をミスったような。
アプリでフィルターかけすぎて白飛びしすぎたような。
見慣れた景色から色味が無くなっていた。

まぁ1時間30分もダベっていたのだから仕方が無い。


"冬が寒くて本当に良かった"なんて思わない。

僕にはお招きするような左手もないし
右ポケットにしまっておくような思い出もない。

笑顔なんてもちろんない。
表情筋は寒さでひきつり柔軟性はない。

一人で歩くからコツなんて関係ない。
ただ足跡が目視できるのは心地いい。

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吐いた息が白く、そして空気に溶けていく。

2週間後には友達とくだらない話で盛り上がれる。
そう思うと雪景色を眺める僕は心なしか笑顔になっていた。



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