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タラタラしてんじゃねーよ

体がずっと熱かった。
眠たくなると手や顔がポカポカッと暖かくなることはよくあるのだけど、昨日は体のすべてが熱かった。
昼食を食べた後だからだろう、コーヒーを飲んでカフェインが回ってきたからだろう。いろんな予想を立てたけれど全然違う。すべての細胞が熱くなるこの感覚。私は知ってる。これは熱だ。

そんな簡単なことに気づいたのは帰宅してからで、勤務中はただやる気がないせいでしんどいのだ、と勘違いしていた。いま冷静になって考えれたらわかることだが、やる気の問題で体調が悪くなるなんてことは決してない。

「今日は仕事での充実度が低く、ものすごくやる気が出ないから何も手につかないんです。」
上司や同僚に、そんなことを相談していたが本当は違う。シンプルに熱があったのだ。なんなら、午前中からあったと思う。

なんとかキリのいい所まで仕事を片付けて定時で帰宅したが、体も精神もいつにもまして疲労困憊。
料理を作る気も、冷蔵庫の中にある作り置きを食べる気にもなれない。シャワーも浴びたしこのまま寝てしまおうかと、うたた寝していたその時、ふと目の前におやつが転がっていた。それは普通のおやつと比べすこし攻撃的なデザインだが、そのデザイン性や、中身の辛さや、ひと切れの大きさ、分厚さ、すべてが絶妙にちょうどいい最高のおやつ。
そう、「タラタラしてんじゃねーよ」だ。

なぜこれが目の前にあるのか、いつこれをここにおいたのかわからないが、気がついたら4袋食べていた。
あの一枚では全然感じないのに一気に食べると急に強まる絶妙な辛さと、もちっとした生地。そして、噛めば噛むほど魚肉の旨味がグッと流れてくるあの身の旨さ。食欲がない中でもバクバク食べれた。うまい、うますぎる。しかし、4袋はさすがに食べ過ぎたようで、かなり口の中がヒリヒリしていた。おいしい水を銭湯終わりのようにがぶ飲みし、電気を消し、そのまま布団に倒れ込む。

気がつけば外は明るく、体調も不思議と元通りになっていた。タラタラしてんじゃねーよになんの効果があったのかはわからないが、もしかしたら
バファリンの半分が優しさで出来ているように、タラタラしてんじゃねーよも半分は厳しさで、もう半分はお薬でできているのかもしれないな〜。

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