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思い返せば妻の転職から夫婦関係は悪くなっていた
2019年、妻は転職した。
妻は転職先を決める前に、職場に退職願を出した。退職日が決まり、有給消化期間の日程ができたので、その休みを海外旅行で埋めていた。
私はとても心配だった。
転職先が決まる前に、退職と最後の休みの予定だけ決めてしまったからである。それでもなんとか転職活動はしていたようで、有給消化期間の前には新しい仕事を決めていた。
退職し、海外旅行にも行き、新しい職場での仕事が始まった。
ところが、妻は2日で辞めてしまった。
その職場が自分には合わないことが分かったらしい。
2日で何が分かるんだろうか。
再び妻は転職活動をすることになった。
今度は失業しながらの求職だ。
2か月ほどの失業期間を経て、また新しい職場で働くことになった。
基本給は前職より1万円ほど上がっているとのことである。
給与明細を見せてもらったら、驚きの事実が判明した。残業代が全くついていなかったのである。
前職では、月50~60時間ほど残業していて満額出ていた。分単位で残業代は計算されていた。
新しい職場でも労働時間から推測して、ゼロということはありえないはずであった。妻から育休はあると聞いていたが、労働規約を見せてもらったところ、育休は1か月しか取れなくて、その後は休職扱いになるとのことであった。
私は将来が心配になった。
将来の家計のために、私が稼がないとダメなんだと感じた。
私の方は普通のサラリーマンで、年功序列でゆっくり給料が上がっていくような会社であった。評価で給料が大きく変わるようなことはなかったため、残業しないと今より稼げない状況であった。さらに会社の経営状態は良好ではなく、残業は極力しないようにと言われていた。
世帯収入が減って、増やす手もないとなると、節約するのが賢明である。
収入が減ったら生活の質を落としてバランスを取るのが普通の考えだろう。
ましてや、将来子供が生まれた時の養育費を考えると、今、貯蓄に回せるお金がないとまずいと思った。
会社の確定拠出年金に入っていると、ライフマネーシミュレーションというのをやってみたりする。子供が生まれてからの家計を考えると、第一子でぎりぎり、二人生まれると詰んでしまう。夫婦共働きで子供なしの人生設計であれば、お金に困ることはないと出る。
今の勤め先、今のお金の使い方では、子供一人でも大変なことが分かってしまった。
妻の転職を機に、私は家計に対してシビアになった。
それが間違いであった。
このマネーシミュレーション、試しに私一人だけの人生設計でやってみた。
余裕じゃないか。老後2000万円問題も解決してしまった。
バカバカしい。人生のシミュレーションなんて、本当にバカバカしい。
Superflyの『愛をこめて花束を』という曲に
「無理に描く理想より笑い合える今日の方がずっと幸せね」
というフレーズがある。
私は、将来の理想のためというより、今まだいない子供、予定もされていない子供のことを考え、家計が回るようにと心配をしていた。
妻はよく私のことを、先のことを心配しすぎて今をダメにしてしまう人間だと言っていた。
お金の心配は心を貧しくしてしまうものだ。
2020年3月
*これは当時の日記を元にした、1年前の話である。日記のため、「妻」と表記している。離婚に至るまで、このnoteはつづく。
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*このnoteのはじまり