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【感想】「問いのデザイン 創造的対話のファシリテーション」(著:安斎勇樹、塩瀬隆之)│問題解決のためにまず問いを設定する

概要

 自分が読む本はほとんどが小説で、ビジネス書の類はほとんど読まないのだけど、ちょっと最近連続して職場のいろいろなWG(年度内に一定の方向性を示す的なやつ)の事務局を命ぜられ、職場内のいろいろな課題について、それぞれ異なるメンバーと課題解決に向けた議論を進めるようになりました。特に事務局として求められる機能として自分が最も重要と考えているのが各会議の論点設定で、最終的に達成したいゴールに向けて、いい感じのステップで論点を設定しつつ、メンバーにいろいろな意見を言ってもらい、それをとりまとめつつ次の会議の論点設定をするという感じのことを繰り返しています。毎週何かしらのWGの事務局説明資料を作っていて、「この論点で合っているか?」「そもそも最終的に目指す姿はこれでいいのか?」等々、常に自問自答しながら進めているわけです。その手の役回りはこれまでの経験からそれなりにこなせるだろうという根拠のない自信はあったものの、課題設定やその課題を解決するための論点設定は完全に自分の感覚でやっていました。
 そんななか、急にアマゾンに進められた本書。タイトルに惹かれて即購入しました。

ワークショップのファシリテーションとは「問い」と「対話」を戦略的にデザインすること。問題の本質をどう見抜くか。固定観念をいかに壊すか。どうすれば課題が自分事になるか。商品開発・組織変革・学校教育・地域活性等でファシリテーターに必要な思考とスキルを解説。メンバーを本気にさせ、チームの創造性を引き出す極意。

出版社HPより引用

https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761527433/

問いを慎重に決めるのが一番大事

 普段小説のときはネタバレ気にせず感想を書いていますが、本書のようなビジネス書は海底ある内容自体が占める価値のウェイトが大きいので、内容にはほぼ触れずに感想を書きたいと思います。
 まず、本書は第1章「問いのデザインとは何か」で問いを正しく設定することの重要性が説かれ、第2章「課題のデザイン」では具体的な課題設定手法、第3章「プロセスのデザイン」で設定した課題に対してどのように対話を進めるかということが紹介されています。
 特にこの中では第2章が自分にとっては重要で、いかにして問いを設定するかという手法が分かりやすく紹介されていて非常に勉強になりました。今まで割と感覚で課題や論点を設定していたけど、それが体系的にまとめられていて、頭の中が整理されました。
 現在職場では、どんな在宅勤務制度を作るかとか、新人研修はどうあるべきかとか、そういう漠然とした課題を議論する会議体を運営しているので、ここで紹介されている思考法が上手く使えそうです。

ファシリテーション以外にも適用可能

 第3章「プロセスのデザイン」では、人間が集まって設定された課題に対して解決策を模索する狭義の「ワークショップ」を前提に、そこでのファシリテーションの在り方を説明しています。この章は、ワークショップや会議の司会進行でももちろん使える一方、自分の頭の中を整理する思考プロセスや、課・チームでミーティングや部下との対話にも適用可能なことが多く盛り込まれていて、自分としては、むしろそっちの使い方の方が主流かなというくらい日常的に使えそうな思考法・思考プロセスがまとめられています。

 アマゾンで進められてついつい購入した割には、自分的には超良書で、手に取って良かったです。

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