■起始部
・短肋骨挙筋:C7およびにT1~T11の横突起
・長肋骨挙筋:C7およびにT1~T11の横突起
■停止部
・短肋骨挙筋:一つ下の肋骨の肋骨角
・長肋骨挙筋:二つ下の肋骨の肋骨角
■作用
・両側が収縮すると胸椎を伸展させる
*胸椎固定位においては肋骨が挙上する
・片側が収縮すると胸椎を同側側屈・反対側回旋
■神経支配
・脊髄神経の後枝と前枝
■ワンポイント解説
肋骨のスタビリティや呼吸に関与するのが肋骨挙筋となります。
通常の立位・座位姿勢において、背骨を立てた状態においては、肋骨挙筋は肋骨を持ち上げるように働き、重力に対して肋骨が下垂しないように保つインナーマッスルとされます。
ところが猫背などの悪い姿勢が続くと、脊柱が丸まったまま固くなり、そして肋骨も下垂した状態で固定されてしまいます。
肋骨がうまく動かなくなると、呼吸が浅くなり、体幹の安定性の低下や自律神経の乱れが起きてしまい、身体にとっては大きなマイナス要素となってしまいます。
肋骨挙筋は、両側で働くと脊柱の伸展の補助もするため、脊柱を反らす運動をしたり、また脊柱が固定された状態だと、肋骨を上方回旋(上部においては挙上、下部においては外旋)をさせていく筋肉になるので、そうした動作をするエクササイズをおこなうことで、効果的に鍛えることができます。
特に1番~4番くらいの肋骨は、重力に負けて下垂位に落ち込んだままになっていることが多いため、この部分をしっかりと持ち上げるために、肋骨挙筋をしっかりと短縮させて鍛えることは姿勢改善・機能改善において重要となります。
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