黄昏通信 Vol.13
寝苦しい夜が続きますね
遠巻きに聞こえるTVからの天気予報
ねぇ・・・やっと、
梅雨明けだそうです。
貴女に逢えました。
いつもいつも
変わぬ時に変わる季節
小春日和には夏を恋して、
過ぎた夏には、秋に哀愁。
佇む秋には、雪に涙して、
訪れを待ちて春に心躍らす。
そんな夏が好きです。
空がどこまでも青いこと、
白い雲に時を忘れたこと、
緑の樹の影で涼んだこと。
木陰のブランコに揺られて、
そんな夏を眺めてた。
今日も暑いですね。
そんな一夜の一時、いかがお過ごしですか。
季節の中で夏が好きになったのは最近の事。
年のせいかな、
夏の思い出が多過ぎて色んな時が重なる。
とある田舎町で生まれ育ち、自然の中で時を過ごした、
そんな夏の日々は記憶の中。
そんな自分が、寂しがるのか、懐かしむのか、待ちわびるのか
もう同じ夏は来ないのに。
二階の屋根に登り、
冷えたスイカ片手に、
周りは木々に覆われ、
枝の隙間から望む、
一人で見た花火大会。
川のせせらぎと自然の音に癒され、
友達と競っては対岸まで泳ぎ、
いつも笑っていた頃。
謎と冒険に魅せられ、合言葉に合言葉。
まだ見ぬ宝に尽きぬ思いに、
僕らが作った森の奥の秘密基地
暑い中で木々を探索し、
手足に傷を付けては、
何するわけでも無いのに、
山ほど捕まえたカブト虫。
額の汗とセミの声、
青い空と雷は響き、
夜空には星と虫の音。
終わることなど忘れ、
いつまでも暑い夏。
そんな事ばかりしていた
普通に過ごしていた
そんな夏休み
気付く頃には、ひぐらしの声。
僕の夏休みから黄昏通信。
おやすみなさい。