「第19回書き出し祭り」の振り返り
そんなわけで「第19回書き出し祭り」が無事終了しました。
都月はこのタイトルでエントリーしてました。
読んでくださった方にはわかると思いますが、割と身も蓋もない
どストレートなコメディです。ちょっぴり下品かも。
なんでまたこういう話を書いたのか。
どういう思考回路でこんな話を思いつきやがったのか。
以下にまとめていきます。興味のある方はどうぞ。
●きっかけ
最初は知人(紀伊國屋さん)が参加した話を伝え聞いたから。
楽しそうに思えたので運営さまをフォローだけしてしばし経過。
たまたま19回目の募集タイミングに居合わせたので、えいやっと
手を挙げた次第。なので書きためも無し。勢いだけでした。
とはいえ全くノープランだったというわけでもなく。
ここ半年ほどは、次の仕事用に小説や漫画原作のプロットだけを
何十本も作っては手元でこねておりました。迷走ともいいます。
ここから何かひとつ具体化出力することで、自主ボツのループを
断ち切るきっかけにしたいなあという思いもありました。
●なんでこんなネタにしたのか
うっかり思いついちゃったから、ですね。
「魔力が劇物なせいで迷惑すぎる勇者の英雄譚」
ひとことでまとめるとこれですが、商業持ち込みする
と十中八九、他に出したプロットが選ばれそうです。
とはいえ面白シチュがぽこぽこ出てくるポテンシャル
は捨てがたかったので、とりあえず現物にしてみよう
と考えてやってみました。ヤバイブツになりました。
●執筆時に考えてた諸々
今回用いたのは漫画原作における第一話の構築法でした。
4000字という短い字数の中で、読者に何がしかの満足感を
与えて、かつ続きがあるなら読みたくなるようにする。
そのために考えたのが。
1.単話で読んでも満足感がある。
2.まっすぐ行ってぶん殴る勢いでネタを叩き込む。
3.背景設定をすっ飛ばしても問題ないくらいわかりやすく。
1については「読者は面白くなるまで待ってくれない」という
経験則に基づくものです。個人的には伏線や余韻を使いまくる
のが好きなんですが、週刊連載以上のスパンでこれをやっても
成立するのは、ある程度の固定ファンがいる方なのだろうと。
2については1を達成させる手段として意識しました。
「このネタのキモはここ!」と強調するのを第一に全体構築を
しています。勇者パートと神さまパートの温度差。転調をする
たびに加速させて畳みかける手法は、コミカルな演劇とかでは
オーソドックスなヤツかもしれません。
3については2を際立たせるためのチョイスです。
このお話、設定を設定としてあんまり説明していません。
フレーバーとしてあちこちにミニ情報だけ置いてます。
これは「別に説明しなくても成立するよね」な部分を徹底的に
そぎ落としていった結果です。勇者の名前すら出てこない。
最後のナレーションで全体を簡潔にくくることで、こういう話
なのだと、よりストレートにわかるように閉じています。
短編としても成立しつつ含みの部分はしっかり用意する。
そんなつもりで書きあげました。
●提出してから
これがもう心臓に悪い悪い。
思いっきりリサーチ不足を味わいました。
もうすぐ20回ですもんね。そりゃ書き手も読み手も古参の方が
いるでしょうし、培われてきたカラーがあって当然でした。
幸いだったのは、見に来てくれた方がとても多かったこと。
一人か二人くらい刺さってくれるよね。ゼロはきついっス!
そんなカンジで震えてました。マジで。
●結果と感想戦
得票のほうは――
会場では10位(25作品/辞退1)
全体では34位(100作品/辞退3?)
でした。
健闘したんじゃないですかねえ。そう思うことにします。
投票データにも1位2位3位で大きなムラはなかったです
「好きな人には刺さった」と「なんか気になった」のでは
ないかと思っています。コンセプトは貫けたのかなあ、と。
なお平然としたフリしてますが、悔しくないはずはないです。
物書きなんてみんなそんなもんだよ。自作大好きだもん。
ともあれ、参加してよかったと思うお祭りでした。
続きを期待してくれる声もちらほらあったので善処します。
(ちゃんと続くように考えてあるんだよというセコいアピール)
ですがその前に、もうひとつ連載モノとして書いてるヤツが
あるので、まずはそちらをキリのいいとこまでまとめて発表
したいと思ってます。
ホントならこの記事と同時公開したかったんだけど、そこは
遅れちゃってすみません。なるはやで仕上げてSNSなどで
告知させてもらいます。ではではー。