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【W10周年記念コラム】 Vol.2「10周年企画、何をすればいい?」


みなさん、こんにちは。リライトコンテンツ事業部(通称:リライトW)の飯塚です。リライトW設立10周年記念コラムの第二弾は「記念企画を考える」。創立記念日の12月12日を迎える約3ヶ月前に行われた、企画会議の様子をお届け。だいたい、いつもこんな感じでブレスト(という名のおしゃべり)をしています。

タイトル画像&イラスト:Ruinchi
※登場人物のプロフィールは、ページの一番下を参照。



■ とりあえずオリジナルグッズをつくりたい


井上
 ぼちぼち10周年企画をマジメに考えますかね。

大平 そうですね、いつもギリギリになるから。

井上 とりあえず何かしらつくるんだと思うけど……。じゃあ、大平さんじゃなくて飯塚くんがデザインするってのはどう? InDesignいじるの大好きだから。

鈴木 デザイナーじゃない人があえてデザインする。いいっすね!

飯塚 でも狙いすましたオモシロ企画はちょっと寒い気が……。

井上 頑張ってつくったのに、結果寒いとか言われたらいやだな。

鈴木 やっぱり紙なんですかね?

飯塚 ウェブもあるし、壁新聞的に手書きの可能性もある。あとシルクスクリーンとかも。

井上 オリジナルTシャツとかは?

鈴木 いいっすね〜。

パンイベントを企画した際、独自にシルクスクリーンワークショップを行った実績が(写真がそのワークショップで刷ったTシャツ)。

飯塚 僕はみうらじゅん的な、もらってもうれしくない置物がいいな。トロフィーとか。

鈴木 ステッカーはどうですか? みんなでパソコンに貼りましょう。クライアントにも配って。

井上 「あの〜……今ここで貼ってもらっていいですか?」って、いやがらせか(笑)。

大平 しかし、久々に食べたらうまいですね、うまい棒。

飯塚 やさいサラダ味が意外とおいしいんだよね。

井上 オリジナルのうまい棒とかつくれないのかな?

大平 チロルチョコならできるみたい。

井上 あ、今年せっかく大平さんがWにジョインしたわけだし、何かRuinchi作品つくってよ。

Ruinchi個展「わたし」(2022)の展示風景。大平はデザイナー業のかたわら作家としても活動中。

大平 それを一体誰にあげるんだと……。

飯塚 そもそもなんで10周年企画をやるんでしたっけ。お祝い?

井上 僕はそんなに祝われたいという気持ちはないけど。まあ、友だちの結婚式の映像をつくってあげるくらいのテンションでいいんじゃない?

大平 営業ツールとして配るなら、よくあるのは工務店のタオル。ダサかわいい。

飯塚 カレンダーとかは? 「株式会社リライトコンテンツ事業部」って入ってるやつ。

大平 手ぬぐいとかでもいいかも。

鈴木 いいっすね!

井上 そういえば、リライトCが10周年のときはオリジナルの測量野帳つくってたよね。その中に、すでにぎっしり手書きで記事が書かれてるとか?

リライトC10周年記念のオリジナル測量野帳。10周年ロゴは大平によるデザイン。欲しいという方はお問い合わせを。

大平 私、これこっそりもらいました。

井上
 でも、そもそも記念品がいいのかな?

鈴木 紙じゃないほうがいい気がします。本業からちょっと離れて。

井上 すっかり忘れてたけど、何ヶ月か前にも10周年の話ししたよね。そのときの内容をslackにメモってなかったっけ。

鈴木 ありますね。フリーペーパーをつくる、タイトルは『ぬくもり』。部数とか予算まで書いてあります。

井上 なんか今考えるとその企画いやだな。

飯塚 ちょっと恥ずかしい。「僕たちこれをつくりました!」って堂々と出すっていうのがどうも……。スベりたくないし。

井上 ちょっと前に自分たちで出した企画を「恥ずかしい」って、なにこのブレスト。

〈補足情報①〉
うまい棒を食いながらの雑談でもとりあえず肯定、面白ければいったん採用、一度決めていたことでも覆す。ただ思いついたことをノリで口に出したいだけな気もするけど、みんなのアイデアを生かすべく企画会議はだいたいこんな具合に進行。グダグダに見えるかもしれませんが(実際グダグダですが)、「ブレスト(ブレインストーミング)」を提唱したアレックス・F・オズボーンも「否定しない」のが原則だって言ってました


■ 「コンテンツ事業部」だし、やっぱりコンテンツじゃないと


井上
 実際、記念品をつくるとしてもただのタオルだとちょっと弱くない? とにかく何か“コンテンツ”ならいいんだけど。

飯塚 そういえば、我々はコンテンツ事業部でしたね。

大平 ラジオはどうですか? Wのポッドキャスト、特別限定公開。

井上 こんなキャッキャ言ってるのを聞かれるの恥ずかしい。

鈴木 ラジオ、いいっすけどね。

飯塚 展示をやるのは? 10周年企画展。

井上 大平さんが得意なやつ。ウチのベランダ貸すから、そこでやろう。もし誰か来てくれたらあたたかくもてなしますよ。

ベランダの広さには定評がある井上邸(建物左側は集合住宅)。リライトDが設計し、雑誌『新建築』に掲載。なぜか某番組でタモリさんも訪問した。

飯塚 イベントは? ケータリングとかワークショップとか。

井上 じゃあ飯塚くんが42.195キロ走る。

飯塚 感動のフィナーレで。

井上 僕らはその間にラジオやってるから。

鈴木 いいっすね〜。

井上 あるいは社歌をつくる。イトウ音楽社の伊藤さんに頼んで。

飯塚 飲み屋のおじさんの曲もつくってましたし、やってくれるかも。

鈴木 せっかくなら流通させたいですね、Spotifyで。

井上 あとはスマホアプリをローンチするとか?

大平 ローンチって言いたいだけですよね……。

飯塚 看板はどうですか。愛ちゃんのところに頼んで。

大平 鷹取巧芸ね。

井上 格安でつくってくれるかな?

〈補足情報②〉
「愛ちゃん」とは、イベントでブレーンとしてお世話になっている鷹取愛さん(実家が「鷹取巧芸」という看板屋さん)。「伊藤さん」はバンド・ヒネモスの一員として、またPAとしてお世話になっている伊藤豊さん(飲み屋のおじさんの曲は「ミーちゃんに、恋々。」)。リスペクトしている人にはすぐに相談(たまに飲みながら)。ピーター・ドラッカーも「仕事の上の人間関係は、尊敬に基礎をおかなければならない」って言っていました。みなさん、いつもありがとうございます。

飯塚 「ほぼ日手帳」みたいな製品をちゃんと開発するのは?

井上 リモートワークが増えたせいでビジネス手帳の売上は壊滅的らしいよ。スケジュール帳じゃなくて「エディトリアル・シンキング手帳」とかならいいかもしれないけど。

鈴木 なるほど、いいっすね。

井上 大平さん、最近僕らが提唱している「エディトリアル・シンキング」ってどうですか? デザイン・シンキングみたいに、すべてを編集的に考えましょうという、ひとつも新しくない思考法なんですけど。

大平 なんか宗教っぽい。

飯塚 少なくとも、会社のビジョンはつくりたいですね。社是は「ぬくもり」でいいんですよね?

鈴木 なんなんですか、「ぬくもり」って。よく言ってますけど。

飯塚 井上さんが大学で話したときのスライドが元でしたっけ。そこに「フリーランスはさみしいから、組織のぬくもりも感じたい」と書かれていて。

法政大学キャリアデザイン学部の「文化マーケティング論」に井上がゲストスピーカーとして登壇した際のスライド。コンテンツ業界の現状と編集という仕事の行く末を論じた。

井上 ノリで書いただけなのに、飯塚くんが勝手に共感して「社是はぬくもり」とか言い出した。

飯塚 要するに、みんなに優しくしようっていうことですよね。

井上 そうなの?

飯塚 え、違うの?

鈴木 でも社是はあったほうがキャッチーですよね。東京メトロの「東京を走らせる力」みたいな。

井上 「編集は世界を変える力」。

鈴木 ダサい!

井上 じゃあ社是をいっぱいつくって、投票で決めるっていうのはどう? 3通くらいしかこなさそうだけど。

飯塚 高額商品で釣ればなんとか。カニとか。

井上 クラウドワークスに頼んでみるっていうのは?

鈴木 大喜利大会になりそうですね。

井上 集まった社是をAIで解析して、最終的に薄っぺらいコピーができあがったら面白くない?

飯塚 コンセプチュアルでかっこいい。

〈補足情報③〉
切り口、立て付け、見立て、コンセプトなどなど。何をするにしても重視しているのが「企画性」。すごく尖っていなくてもいいけれど、“ボールを置きにいく”ような無難な企画にはあんまりしたくない(アップル創業者のスティーブ・ジョブズも「安全にやろうと思うのは、1番危険な落とし穴」って言ってました)。面白みと納得感と整合性があるナイスなアイデアを常に模索しています。

鈴木 で、どうするのがいいんすかね?

井上 いろいろ考えると社歌がいい気がしてきた。でも詞が書けるかな?

飯塚 まさかの社歌がファイナルアンサー。もうプロの作詞家に依頼しましょう。

井上 すべて他人のふんどし。もしかすると、この他力本願がエディトリアル・シンキングの本質なのかもしれない。ていうか、社歌とミュージックビデオまでつくったらもうスベってもいいよ。

大平 うん、それはもういいです。

井上 全員でバンドやって、大平さんが歌おう。

飯塚 僕やるならドラムがいい。

鈴木 僕はキーボードで。

井上 バンド編成のクセがすごい。

飯塚 で、結局どうしましょうか。

井上 これ、いろいろおしゃべりした挙げ句、最後に何もつくらないパターンなんじゃない?


ということで、リライトWのブレストの様子をわりと忠実に再現してみました。ただあまりに内容がなかったので、あと付けで偉人の名言をエビデンスに編集的スタンスも解説(他人のふんどし感……)。さて、コラム第三弾では、リライトW10周年企画として何をやったのか(やらなかったのか)をお送りする予定です。乞うご期待。

プロフィール

井上健太郎(いのうえ・けんたろう)
1976年東京生まれ。大学卒業後、石黒謙吾氏のもとで編集を学び、6年で100冊以上の書籍に関わる。その後フリーランスを経て、リライトwを共同で設立。紙やウェブからイベントまで、「編集ができればだいたいできる」をキーワードに仕事の領域を広げている。役職はCEO(Chief Editorial Officer)。

飯塚陽介(いいづか・ようすけ)
1978年埼玉県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒業。編集プロダクションを経てなぜかインテリアショップで家具修理に勤しんだのち、デザイン会社でコピーライターに。2012年からフリーランスとして活動。雑誌、書籍、WEB、商業施設の販促ツールから会社案内、学校案内、占いまで、さまざまな分野で企画・編集・ライティングを手がける。役職はなぜかGM。


籾山真人(もみやま・まさと)
博士(工学)、1976年東京都立川市生まれ。2000年東京工業大学社会工学科卒業、2002年同大学院修了。2002年アクセンチュア株式会社入社。経営コンサルティング業務に従事。マネージャーとしてクライアント企業の新規事業立ち上げ、マーケティング戦略の立案などに携わる。2012年リライト_Wを創業、代表取締役に就任(現任)。

鈴木駿(すずき・しゅん)
1998年福島県生まれ。立命館大学産業社会学部を卒業後、リライト_Wに2022年新卒で入社。学生時代はバックパッカーとして国内外を旅し、本をきっかけに「異なるものをつなぎ合わせ、新たな価値を生み出せる」編集に興味を持つ。駆け出しの編集者2年目として日々奮闘中。


大平瑠衣(おおひら・るい)
Ruinchi/るいんち。工作とデザイン。不要になった紙や、拾ってきた端材などを使って偶然・ひらめきで作品を制作している。Ruinchi活動と並行して、2014年リライトにデザイナーとして参加、2022年からW所属に。https://www.ruinchi.net/

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