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Dynamic Muscle Neutralization(DMN)独自にたどり着いた施術手技 

DMNとは、筋膜や運動連鎖の考えを基に全身を調整する手技です。

その基本概念は、身体運動のつながり、関節運動連鎖、筋膜連結が大きく関与しています。筋、筋膜を均一に運動すべき方向へ動かしていくこと。そのことで関節ひとつひとつの動きが正常化され、不調の原因となっていた問題が解決することで、愁訴を取り去ることができる手技となっています。

この方法は、理学療法士として15年以上、選手や患者様を治療し、20年以上スポーツ現場をトレーナーとして渡り歩く中で、私自身が学んできた治療体系と進化や系統発生、東洋思想などを学ぶ中で動きのつながりと痛みや不調の要因を結び付けられるようになったことで体系化されました。

DMNの理論的背景

DMNの理論的背景には、発生学・進化学と解剖学があります。

「個体発生は系統発生を繰り返す。」19世紀の生物学者エルンスト・ヘッケルの言葉ですが、人体においてもその脊柱動物の長い進化の歴史は身体の中に存在しており、構造の相同性を体内に宿しています。

相同性をもとに人体構造の基本を考えるなら、我々の上肢や下肢のデザインは、樹上生活を起源として形作られてきた。つまり、そこから一歩踏み込んだ形に進化を遂げて陸上二足歩行を実現していることを表しています。樹上生活とはどのようなものだったのか。これはまさに我々の目の前でも展開されている運動でありました。

ヒトの運動の基盤を作ったのは樹上生活と言われている

木登りする猿の写真を観た時、運動連鎖に関する一つの気づきを得ました。
ヒトの体の構造の基礎には、木登りとぶら下がり活動が存在し、樹上空間における3次元的で複雑な環境に適応する動きを獲得してきた。そこからヒトは陸に降りて二足歩行へと移動の形を変えている。

関節運動の連鎖はどのように生じるのが適切なのか。このように考えたとき、垂直木登りとぶら下がり運動は、上下肢の運動連鎖において非常に重要なヒントであり、これを礎にヒトの関節運動を捉えると動くべき方向がみえてくる。動くべき方向へ関節が動きづらい、軟部組織の抵抗を感じる、そのような状態を是正することで不調や痛みから開放されることを発見し、治療体系に落とし込む試みをしてきました。

骨の配列

DMNでは、骨の並びを正しい位置に置くことを重視します。あるべき場所にあるべき形で骨が収まる。静的にも動的にもこの問題が解決することで、違和感なく動くことが可能になり、痛みや不調から開放されていきます。正しい位置に骨を収めるためには、周囲を囲んでいる軟部組織(靭帯や関節包・神経やファシア)の状態が適正な状態にあることが大切です。滑走が阻害されていたり、短縮が生じていたり、そのような問題を見極めて改善していく手技になります。

骨の配列を詳しくみて評価


ねじれ構造

樹上生活が3次元的な空間での移動を必要とすることは先にも書きました。そのような空間で生活する以上、縦の動きや横の動きだけでなく、水平面での運動を要求され、「回旋する」という動きが洗練されていく必要に迫られたわけです。股関節や肩関節は球関節であることを最大限に活かしてぐるぐる回り、回旋運動を縦方向、横方向の力に変える連結部分として妥当な動きをするようになりました。
ところが、現代生活の中で、ヒトはこの「ひねる動き」をどんどん使わない方向へ進んでいき、一定の運動パターンしか用いない生活様式が根付いてしまっています。定型的な運動パターンの繰り返しは、一定の筋・筋膜に一定の方向へのストレスを与え、応力の集中を生み出す、筋・筋膜の短縮、伸長状態での固定を生み出すことにつながっているのだと思います。

なので、DMNではこの回旋「Spiral」運動を評価し、滞りのある運動、阻害された方向への運動を修正することで、スムーズな関節運動を取り戻し、局所に応力が集中する流れを断ち切ります。

筋・筋膜の3次元的な配列を正していく手技


講習内でお伝えすること


手技として経験が必要な部分はありますが、DMNでは、
・自身の身体操作方法
・接触におけるタッチの質(深度と方向)
から、セラピスト自身の接触技術の向上を図ることを含めてお伝えしていきます。
また、
・施術時の骨アライメント適正位置の評価
・基本人体構造に基づく筋筋膜連鎖の評価
を丁寧にお伝えし、
・筋膜、神経の滑走改善手技
・円運動を用いた動的筋アライメントの修正手技
から順に学んでいただきます。

応用編として、東洋思想に基づく人体構造のみかたと筋・筋膜の連結を考慮した身体操作方法を治療体系に組み込む方法までお伝えしていきます。

DMNセミナーを受講していただくことで、定期練習会に参加していただき、具体的な症例の問題解決方法などについてもご一緒に考えさせていただく機会を設けております。
また、症例の具体的介入方法や得られる成果に関する情報発信をFacebook groupを用いたグルーブ内にて共有しております。

私が、20年以上の時間をかけてたどり着いてきた、現場ですぐに使える手技を、ぜひ一度学んでみてください。明日の臨床が変わります。

受講者の声

「これまで点でしか見れていなかったものの繋がりをイメージすることができるようになった。自分の体の使い方も含めて、細部にまで神経を研ぎ澄ますことの重要性が身に沁みました。」

「これまでもアナトミートレインを意識した施術をしてきましたが、全身を繋げる施術だからこその、ポジショニングや力加減と方向など、こちら側のセッティングまで細かく学べました。」

「治療、運動指導での基礎が身についた。」

「これまでの概念がスッとまとまったように感じます。経筋ラインなどまだまだ理解不足なところは多々あるものの、人間が本来もっている流れをイメージしてその方向に動かしていくということを意識できるようになっています。」

「簡単だから良くないという事ではなく、DMNは少し難しいからこそ施術のたびに気づく事が多いと感じる手技だと感じています。 症例としては、スポーツ選手以外にも、変形性股関節症、腰痛、肩痛など様々なことに対応出来ますし、評価の一つとしても取り入れられるところにも満足しています。」

「手技や、やり方だけでは無く、その元になる本質な部分を指導して頂き、とても学びになりました。2日間受講し、僕自身、思考をするステージが上がったと感じています。そして、技術や知識をもっともっと深めたいと改めて強く思いました。本当にありがとうございました。 また、内容は本質に迫っており、もっと知識をつけた状態でまた受講すると見えるものが変わったり、より細かい所を理解できると感じました。ですが、現時点の自分のレベルでも置いてきぼりにならない丁寧な説明で思考をしながら受講することが出来ました。」

「これまで自分がやっていた臨床に肉付けすることができたと感じています。 例を挙げるならば、首の寝違えなどの患者さんに対して、これまでは頸部や胸椎に対してのアプローチが主でしたが、筋膜のラインの流れ、木登りの法則など動きなどを見て足部や腰部などにアプローチしてみて変化を診るなどの対応をとることができるようになりました。 また、ROM訓練の内容が、スパイラルの考えを入れることで、効果を得られやすくなった、患者さんの反応は良いなと感じております。 講義でも、たくさん真木さんから施術の体験を受け、変化を感じることができ、満足でした。」

実際の施術場面と効果

肩関節術後の可動域制限に対するDMN

ラグビー選手の頚部痛に対するDMNの実際

柔道選手の急性腰痛に対するDMNの実際


次回講習の予定
2023年4月22・23日(土日)
場所:東京都国立市中1-18-38 オリーブビル2階(Re-Vive)
参加費:15万円
アフターフォロー:
・Facebookグループにおける症例相談や治療情報の共有に参加
・月一回の練習会への参加が可能になり、技術指導を直接受け続けることができます。

お申し込みはこちらから


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