パンチ

ルパン三世 モンキー・パンチとルパン Ⅲ エロスとタナトス

ルパンと不二子という肝心なテーマが忘れ去られ過ぎている気がする
それは原作ベースにした1stのアニメ化の頃からあったし、2ndだってEDは不二子がテーマ
ルパンは先生の一部だし、不二子は先生の初恋の女性で理想だと考えたら、あまりにも蔑ろにしているのがわかると思うけど
原作ではルパンと不二子しか出て来ない話も結構あるし
先生のイラストは次元よりも不二子とのツーショットばかり
ルパンのライバルとしての不二子はもっとクローズアップされていいはず
二人のバトルとか騙し合いは前戯みたいなもんだから
二人が対峙しているだけでもうエロい


次元はルパンの一部というかシャドウで
ルパンが向き合っているのはとっつあんであり不二子であり敵やお宝
次元はいつもルパンの後ろに影のようにいて、だから次元は意外と添え物で分身というか侍従のような所があって
そこからテーマ的なものや物語ってあんまり生まれない
生まれるとしたら次元の方からでスピンオフみたいなストーリーになる
で、なぜか例外なく面白いという

相棒ならではの仲違いとかキャッチボールとか相棒モノの物語があってもいいんだけど
それは二人が対等な場合で、天才ルパンの絶対性があるからあまりハマらない
対等に向き合っているのは不二子とか銭形で
二人はある種ルパンにとって敵でもあるから
物語になる

スピンオフになるとなぜ次元の話は面白くなるかというと
ルパンがいないと次元がルパンになるから
ルパンがいると主人公の絶対性、優位性はルパンのものだけど、ルパンがいないとそれは次元になるし五右衛門になる
能力が高くて絶対負けなくて、という主人公に求められる素養はクリアしてる
そしてルパンよりも情にもろくて人間臭い
つまり主人公として十分な能力の高さと人間性があって、尚且つ弱点もあるからルパンよりもずっと物語が作りやすいし面白くなる

墓標は次元のスピンオフってことになってるけど
あれほとんどルパンだよね?w
決闘したのは次元だけど謎解いてトラップ張ったのはルパンだし
カーチェイスもルパンのドライビング、不二子助けに行ったりとか次元はあんまり出ていなかった
それほど次元はルパンの一部であって、結局ルパンの話になるという
全然違和感もなかったw


エロスとタナトス(死)
あらゆる芸術作品のテーマになっている普遍的なテーマをルパンも内包している
それをギャグだったりアクションだったり上質なエンターテインメントでラッピングしているけど
根幹でもある二つの柱がルパンをルパンたらしめているし
そういう普遍的なテーマを持っているからアニメにも関わらず大人になってもルパンの世界に共感できるわけで
ルパンが好きなのはただのノスタルジーじゃない
そしてそれを描こうとする時不二子がいかに重要か
欠かせないかというのは嫌でもわかるはず

パート5が素晴らしいのは人の死も容赦なく描いてるし
不二子をフューチャーしてエロスも描いてる
ルパンの本質を脚本家がちゃんと掴んで向き合ってるから名作になったし
やっとルパンから物語が生まれたという感じ



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