ルパン三世 フランスとルパン帝国Ⅲ
パート4から小池ルパン、パート5まで動き出したルパンの物語を紡ぎ合わせて行くと、あるはずのないエンディングが思い浮かぶ。いつかルパンが終わるとしたら、その時はきっと来ないと思うけど、今進んでいる物語の先にあるのは、きっとルパンは私たちを裏切るということ。それを思い知らされること。
さすがはルパン。それでこそルパン。だけどその日が来るのを覚悟していなければ、心の準備をしていなければ、突然やって来たら、きっとショックで打ちひしがれて死んでしまう(笑)。それはきっとパート5よりも賛否両論を呼び、阿鼻叫喚の嵐になるだろう(泣)
ここまで考えて来て導き出される結論は、やがてルパン帝国が浮上する可能性。それは自由なノマド的風景に憧れを抱いていた多くのファンを失望させるかもしれない。原作ではお馴染みだけれども、同じ原作にあった素顔ネタを披露した時も物議を醸した。50年近いコンテンツで存在を消されていたルパン帝国が、今動き出している物語のエンディングとして登場したら、ファンに大きな戸惑いを起こすのは目に見えている。
まさかとは思うけども、果敢にも素顔ネタでタブーを破ってしまった大河内さんのこと。次のテーマが「国を盗む」アルベールとの対決。パダール王国で国家の問題に是非を投げかけている。もし私だったらルパン帝国は切り札としてどこかに描くと思う。最後に素顔ネタを持ってきたように。
まあハズレるでしょう(^^ゞ
ルパンを超人にしてオーバースペックにし過ぎたせいで敵も巨大になり話もどんどんデカくなる。ドラゴンボール病のように思えるけど、原作で最初にもうルパン帝国の設定が出て来てるのよね(笑)
それに最初の映画化で、マモーによってルパンを超人設定にしてしまった。1st、2ndはそこまでスケールデカくないのに。
自分の美学で生き、金や名誉のために動かない。それがルパンの魅力、カッコよさで多くの人を引き付けるのだろう。そして相手をルパンに匹敵する力の持ち主にした場合、どうしても国や世界支配を狙うラスボスになってしまう。
元々は盗みを働くルパンの方が悪党として分が悪いのに、敵が巨大になればなるほど、それに立ち向かうルパンは義賊の一面を見せ始める。それは制作者側にとってものすごく都合がいい。そしてルパンをヒーローとして崇めるファンにとっても。なので最近のルパンは盗みは物語のきっかけに過ぎず、敵と戦った挙句ろくに盗みもしないで最後敵の牙城を崩して大団円がほとんど。
判で押したようにパターン化されていて、このパターンを崩しているのは小池ルパンぐらいで、他はテレビシリーズであれテレスペであれ代わり映えしない。異色なのはマモーで、このパターンの始まりは「カリオストロの城」かもしれない。
大体少女キャラが出て来ると彼女たちが囚われ助けるために一味が立ち向かう、もしくは少女がキーになっていて謎が解ける、お宝が現る、ラスボスと取り合いになり対決という流れ。
ここまで分析するともう新作を観なくても登場人物の顔ぶれだけで物語の予想がついてしまう(笑)まるでルパンにはこの物語しかないかのよう。
豊かなドラマの種子を持つのにそれが残念で仕方ない。新進気鋭の作家でさえ「カリオストロ病」「ドラゴンボール病」とも言える病、呪いが解けないままでいる。