関数の変数とは何かを考えた結果
$${f}$$が集合$${A}$$から集合$${B}$$への関数とは, $${f}$$が
$${f\subseteq A\times B}$$
かつ
$${\forall x\in A, \exists y\in B, (x, y)\in f}$$
かつ
$${(x, y_1)\in f, (x, y_2)\in f\Rightarrow y_1=y_2}$$
を満たすことである. $${A, B}$$が区間なら$${A\times B}$$は長方形であるから, 感覚的には普通の意味での関数と同じであるが, 厳密に定義するとこうなる.
$${f}$$と, $${x\in A}$$に対して$${f(x)}$$は異なるが, 解析学では「変数$${x}$$の関数$${f(x)}$$」という言い方をする. こうしないと記述が大変めんどくさいことになる. 例えば
「関数$${f(x)}$$を$${x}$$で微分する」
「関数$${g(y)}$$を$${g(y)=\int_0^1 f(x, y)dx}$$で定める」
と言わずに
「関数$${f:A\to B}$$を微分する」
「関数$${g:[0, 1]\to\mathbb{R}}$$を
$${g(y)=\int_0^1 ([0, 1]\ni x\mapsto f(x, y)\in\mathbb{R})}$$
で定める」
と書いていたら冗長になるだけではなく数学を使う立場の人がわからなくなってしまうし, 変数変換もややこしくなるだろう.
関数の変数という概念が厳密に定義できるに越したことはないが, その必要はないかもしれない.
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