私の乳がん闘病体験記 その3~細胞診・そして病理結果~
当時35歳だった私の、壮絶がん闘病体験記を連続して書き綴りたいと思います
身近な人ががんにかかったことがない人には知らないような、ありのままの「がんの闘病」というものをお伝えします
正直私の経験からすると、みんなありのままのがんの闘病というものを隠してる。我慢してる。情報として出ていない
実際の闘病ってこんな感じなんだよってことを、お伝えし、かつ、読んでくださった皆さんに定期的に検診を受けてほしいという気持ちを込めて
私の体の中に謎物体(筆者命名)がある、と検診にてエコー写真をつきつけられ、細胞を実際に採取しましょうという話になりました
大きい病院なので、細胞診までが一週間、結果がわかるまでが一週間
その間、私は怯えていた
何故なら、私は注射の針さえ見れないビビリだからです(ココ重要)
採血だって絶対見れないし、ビビリ過ぎて看護婦さんに完全に背を向けて受けてるもんだから、看護婦さんが笑いをこらえながらやってることもしばしば。
いつもこんな状態(笑)
先のことはまだわからないが、とりあえず「細胞診」は受けなくてはならない。
細胞診とは、患部から直接細胞を太い針で採取して、悪性かどうかを診断するのです
私にはそれが必要、頭ではわかっていてもコワイ!!
しかも胸に太い針刺すとか人生で初めてだし、なまじ腕より近いもんだから恐怖がハンパなくてですね…
これは、知った方がいいのかもしれない…。
そう思った私は、ネットで実際の乳がんの細胞診の様子の動画を検索して探しました
そうしたら、ちょうど某病院で細胞診の動画があったので、それを見ることに。
まずは部分麻酔。これは普通にチクっとするだけとのこと。こ、怖いけどなんとかやれそう
そして、そのあと太い針を患部に刺し、「ちょっと大きい音がしますよ~」という先生の言葉の後に、バチンッという大きい音がしていました
「な、なにそれ~~~~!!」とまた恐怖にパニくる私。
しかし、動画の実際に細胞診を受けた女性は全く動じていなかったのです。痛みも全くない様子で、そのバチンッって大きい音がしても全然平気そう。
…ということは、最初の麻酔だけ我慢すれば、なんとかいけるのかな…、と私に一縷の希望を与えてくれました
そして当日。
ベッドに上半身裸で横になり、動画の手順と全く同じでした。
麻酔は採血と同じ感じでチクッとするだけでなんとかクリア。
そして、その後の太い針での採取+バチンッという音も、全く感触がなくてクリア。
麻酔してからすぐ始めたので「早くない!?」と汗だらだらでしたが、なんとか大丈夫だった…。
施術時間はたぶん10分もないくらい。採取したのは3コで、三回針をさしてバチンッという音を聞きました
でもその間、私は緊張で体中が緊張して、汗だくで、終わった後診察室から出てきた時ふらふらでした…
これは私がびびりすぎるゆえの体験なので、他の人だったらもうちょっと頑張れるのかもしれませんが…。
そして、細胞診が終わってようやく一山超えた私は調子に乗って、「実際今取ったモノって見れないんですか?」と先生に伺ったら「いいですよ~」と言って下さり、見せてもらいました
小さな試験管に入っていたのは、透明な水の中に浮く、白い線虫みたいのが3本。
なんとなく悪性がんって黒とか色がついているイメージだったので、真っ白だったのを見て、少し安心したと同時に、これがついさっきまで私の体の中にあった脂肪か~とか思いました(笑)
そして一週間後、私はその細胞診の結果を聞きに母と病院へ
あさってには新居への引っ越し。すべてをクリアにして、あの幸せな時間を取り戻してから新居へ向かいたかった。
名前を呼ばれ、診察室に入った時に、私は先生の空気感と、先生の机にあった細胞診の結果が目に入ってしまいました
「悪性」
頭が真っ白、というよりも、現実感がなく。私のことのように思えませんでした。
先生も、今までのようなテキパキした感じではなく、優し気でいたわるような雰囲気。
説明を、冷静に聞きました。悪性の度合いというのは4つの指針から計り、その4つの指針から悪性度は普通、そして悪性度の中でも条件が揃わないと受けられない、手術後に受けるホルモン治療については「適応しているので受けられます」ということを説明されました。
そして手術日程。10月11日引っ越し、11月1日に入籍、11月24日に結婚式、と伝えたところ「結婚式の後がいいでしょうね」ということで、結婚式の後に一番に受けられる手術日程を予約しました
12月9日。
診察室から出てきたら、後ろで説明を黙って聞いていた母が泣いていたことに気づきました。私に気づかれないよう必死に目をぬぐっていた
私はただただ、自分の身に降りかかっていることだという感覚が全くなく、茫然としていました。
涙ひとつでない。
あれ…頭おかしくなっちゃったのかな…。
そんなことを考えながら、まだ重苦しい空気の中で車で帰宅。
母は、ぽつりとこんなことを車中で言っていました
「たゆウサは、考えないように、考えたくないという様子だったからお母さん黙ってたけど、検査で引っかかってから、私毎日色々なところのお寺や、神社にお参りに行ってたんだよ…一日2~3か所いった日もある…。もう、神様なんて信じない(泣き叫び)」
その母の心からこぼれた叫びに、私も一緒に泣きました
「お母さんが代わってあげたい。たゆウサはこれから幸せがいっぱい待ってるのになんで…」とも
検査結果は、彼にも連絡しました。
仕事がとても忙しかったのでLINEで。電話には出れそうにない、帰宅も11時過ぎるかも、という状況でした。
あ~そうかぁ、できれば、顔見たかったな…なんてぼんやりした頭で思いながら
しかし、彼も頑張ってくれて、お風呂上りにLINE見たら「なんとか仕事抜け出せそうだから、中間の駅で落ち合おう。時間ギリギリになっちゃうけど…」と。
私はすぐさま着替え、母に「彼に会ってくる!」とだけ告げて家を飛び出しました。
母も彼とは既に顔合わせで会っており、顔合わせ以外でも何度も会っていて信頼してくれていたので、何も言わず「いってらっしゃい」と送り出してくれました
その駅に、どうやって行ったのか、全く覚えていません
なんか…自分の最寄り駅までの道は、別に走る必要はないのに、早く会いたい一心で意味なく走ってた記憶があります。
予定では彼の方が遅く到着する予定だったはずだから、走る必要なんて全くなかったのに。
そして待ち合わせの駅で必死に彼を探した。スーツがどれも同じに見えてイライラする位、必死に探した
彼の顔を見た瞬間に、私は大声をあげて泣き叫びました
彼はそんな私を力強く抱きとめてくれて、何も言わずに、彼も泣いていました
ずっとずっと、永遠かってくらい、子どものようにわぁわぁ泣き叫び続けました。彼の背中や、腕のシャツを握りしめながら
私がやっと掴んだ幸せ、明るい未来が足元からどんどん崩れていくようで
「私が何をしたんだ」っていう理不尽感でいっぱいで
もう言葉にならない感情でいっぱいで