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グローバル展開を進める日本発SaaSのプロダクトマネジメント

こんにちは。RevComm(レブコム)で電話解析AI「MiiTel Phone」のプロダクトマネージャーを担当している澁谷です。

レブコムは、日本のみならず、インドネシア、アメリカでもサービスを展開しています。私はプロダクトのインドネシア展開において、インドネシアメンバーから寄せられるプロダクト機能追加や案件相談への対応、開発チームや他のプロダクトマネージャーとの橋渡しを担っています。
今回のnoteではプロダクトマネージャーの視点から、日本とインドネシアにおけるプロダクトの提供価値の違いやコミュニケーション上の工夫について紹介します。


レブコムのインドネシア展開について

2021年10月から電話解析AI「MiiTel Phone」の有償提供をインドネシアでスタートし、2023年2月に子会社である「PT RevComm APAC Indonesia」を設立しました。現在は約40名の社員が勤務しています。
2024年8月には労働省に導入され、政府機関や現地企業を中心に累計約300社が利用しています。

インドネシアにおける「MiiTel Phone」の提供価値

前職では、ネットワークセキュリティ関連製品の国内営業、海外事業開発に携わっていました。その経験から、日本で成功した国産製品であっても日本と同じように海外へ展開しても実売に繋げることは難しく、「現地のどんな課題をどう解決できるのか」といった、現地に合わせて価値を訴求することの重要性を実感しました。そこで、入社後はインドネシアメンバーとコミュニケーションを積極的にとり、インドネシアではMiiTel Phoneのどのような部分がお客様にとって魅力的に感じられるのかを理解することに努めました。

・ビジネスコミュニケーションにおける電話の位置付け

インドネシアではWhatsApp(Meta社が提供しているメッセージングアプリ)の利用が浸透しているため、日本と比べるとビジネスにおけるコミュニケーション手段としての電話への依存度は低い傾向にありますが、インドネシアでもコールセンターやインサイドセールスといった電話を業務に活用するポジションは日本と同じように存在し、ビジネスコミュニケーションにおいて電話は引き続き不可欠な存在となっています。

・インドネシアで活用されているMiiTel PhoneのAI機能

多民族国家であるインドネシアではインドネシア語が公用語ですが、公用語の他に500以上の言語が話されています。インドネシアのコールセンターには「電話品質保証担当」といった職務があり、オペレーターが適切に電話応対をしているか、スラング等を使っていないかを確認する、といった多言語文化ならではのオペレーションがあり、MiiTel Phoneを活用した電話対応の品質管理に魅力を感じるお客様が多い印象です。

・インドネシア向けに開発した機能

日本ではMiiTel PhoneのAIによる解析や録音を活用して、担当者のセルフコーチングを促進したり、ハイパフォーマーの話し方を分析・共有して教育に活用するといった「お互いの架電内容を聞いて学び合う」ような組織のレベルアップを目的とした活用が進んでいます。一方、インドネシアでは組織よりも個人の成果が重視される傾向にあるため、ナレッジ共有に対して「各自が担当している顧客の連絡先や営業進捗は明かしたくない」という要望が日本より高いように感じます。そのような点を考慮して、通話履歴や連絡先の電話番号をマスキングする機能を開発しました。

インドネシアメンバーと連携するためのコミュニケーションの工夫

月に1回、新機能説明会「Product Update Briefing」をインドネシアメンバー向けに開催しています。「Product Update Briefing」は、もともと日本語で日本国内メンバーに向けて行っている説明会です。そこからインドネシアメンバーに関連する機能アップデートのみをまとめて、別途英語で開催しています。Slackでも新機能のアナウンスは行っていますが、オンラインで直接説明する機会を設けることで理解が深まるといった声があり、毎回活発な質疑応答があります。また、月に2回インドネシアチームのSE(Sales Engineer)ともミーティングを設けています。このミーティングでは1対1でじっくり話すことができ、率直な意見を聞ける貴重な機会になっています。

開発リクエストについては全社共通でSlackのワークフローから起票し、Notionに蓄積する形で一元管理しています。
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インドネシアメンバーとコミュニケーションをとる際には、
・個別にミーティングを設定する
・自分からどんどん質問を投げかけてそれに打ち返してもらう
等、どうやったら意見を言いやすいか、話したいと思ってもらえるか工夫しながら会話をしています。
インドネシアメンバーとのコミュニケーションは英語で行っています。お互い英語が母国ではないですが、テキストコミュニケーションに頼り過ぎず、オンラインで話す機会を積極的に設けることで、お互いの発言の意図を理解し、信頼関係を構築できるように努めています。

今後の課題と展望

機能開発の優先順位付けにおいて、見込まれる売上額ばかりを重視して開発のプライオリティスコアをつけてしまうと、どうしてもインドネシア独自の機能開発要望の優先順位が低くなってしまうため、それとは異なる軸での優先順位付けの検討を進めていきたいです。
また、インドネシア市場でのさらなる浸透には、大手企業へのアプローチ強化が今後の課題です。大手企業にはSIerが深く入り込んでいるケースが多く、SIerとのパートナーシップを強化し、SIerにとってもMiiTelを導入するメリットを感じてもらう必要があると考えています。


レブコムのグローバル展開については下記のマガジンにまとめています。

海外事業担当の佐々木によるインタビュー記事もBRIDGEで公開されています。ぜひ合わせてご覧ください。


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