ナライチ! 〈48歳の弟とオッサンふたり旅〉
まだひと繋ぎで走った事がないナライチの正確な距離と参考走破タイムおよびコースを検証するために、弟と2人で実際に走ってきました。
ナライチマップ(PDF版)はこちらから↓
出発の前夜は10時過ぎに仕事から帰ってきて弟に貸すマグマ250をガレージから出し、自宅マンションの駐車場に移動。明朝は5時に出発する予定だったので11時過ぎには床に入りました。
でも興奮していたんでしょうか、「もうそろそろかな」と飛び起きたらまだ夜中の2時。
(あとで聞いたら弟も11時に帰ってきて寝て、やはり2時に起きてしまったらしい。似たもの兄弟)
もう一度寝ようと試みるもどうにも目が冴えて眠れないので、開き直ってそのまま起き出し準備を少し早めに始めました。
弟と合流してスタート地点の「県庁東」交差点へ向かい、予定時刻の5時に出発。
まずは奈良阪を登って「ならやま大通り」へ。ならやま大通りを西進すると生駒(いこま)で国道168号線にぶつかるのでそこを左折。次の分岐点、平群(へぐり)の旧道を目指します。
『大きなバイパスばかりではライダーには少し味気ないかな』と思い設定したルートだったのですが、改めて走ってみると意外に信号や踏切や散歩中のおじいちゃんが多く、このルートは外した方が良いなという意見で弟と一致しました。(その方が道の駅へぐりにも寄りやすいので)
その後も168号線で南下を続けていきますが、今度は香芝(かしば)付近で分岐を見落とすハプニング。ですが、ここは上手くリルートして事なきを得ました。
この辺りの道路事情に詳しい弟曰く「こちらの道の方が渋滞を回避できる可能性が高いかも」との事なので、こちらも修正しようと思います。
ナライチ中で唯一渋滞が懸念されるのはスタートから「良福寺」交差点までなので、できれば6時過ぎまでにこのエリアをクリアしておく事をお勧めします。
国道165号線を少しだけ経由して県道30号“山麓線”へ。
ここで時間がちょうど7時となったので休憩して朝ごはんを取る事にしました。
カロリーを補給してまた元気に出発、眺めの良い山麓線を終点まで行くと京奈和自動車道の五條(ごじょう)ICに至り、そこを過ぎれば十津川村(とつかわむら)へと続く国道168号線に入ります。
JAのガソリンスタンドで給油し、一路十津川村へ。
8時、ライダーの定番休憩スポット「道の駅 吉野路大塔(おおとう)」に到着。
次なる目的地は、「道の駅 十津川郷」近くの湯泉地温泉(とうせんじおんせん)の日帰り公衆浴場「泉湯」です。
あれよあれよという間に泉湯に着いたのですが、表まで来たら「あれ?開いてない!?」
10時オープンなのに、順調に行き過ぎてなんとまだ9時だったのでした。
そこで気を取り直して道の駅十津川郷へ行く事に。
と、ここで突然インカムが繋がらなくなるトラブル発生。20分ほど苦戦してなんとかペアリング完了。(近代ツーリングあるある)
今後の時間の配分を考えた結果、空中の村へ向かう事にしました。
空中の村は、2020年にオープンした樹上で遊べる素敵な施設。
透明ドームやツリーハウスに泊まる事もできます。
作ったのは十津川弁を巧みに操るフランス人のジョランさん。
そして親切な若手スタッフの通称ノリック
残念ながら先を急ぐため『おいそぎコース〈55分2,000円〉』で利用することに。(本当はもっとゆっくり過ごしたかった、、)
なお、ジョランさんと空中の村に興味が湧いた方は、ぜひこの2本の動画を観てみてください。
さて、空中の村がある国道425号線というのは、日本三大酷道の一つで別名シニゴー線とも呼ばれています。
そして、どうもシニゴー線の途中にある白谷トンネルが、時間帯通行規制になっているらしいとの情報が入りました。
ネットで調べたところ12:30〜13:00の30分間が通れるようで、それを逃すと次に通れるのは2時間後との事でした。
Googleマップで所要時間を調べ、時間を逆算して空中の村を出発しました。
狭くて曲がりくねり、枯葉と尖った小石が落ちていて、道路に苔が生えている道を、僕は“黒帯”と呼んでいるのですが、ここは間違いなく黒帯です。さらには、路肩が落ちている部分や、崖を流れてきた滝が道路を経由して谷へ流れ込んでいる場所まであったので、四段に認定したいと思います。
さすがはGoogle先生、計算通り12時30分に白谷トンネルに着く事ができました。
このトンネルは現在改修工事がされているおかげか、他のもっともっと怖いトンネルよりはまだマシでした。
(なお、通行規制は平日のみ実施)
425号線の十津川〜下北山区間には空中の村以外の施設はありません。
ですが僕は途中でトイレに行きたくなってしまって、県道229号線に入ったところにある芝生公園のトイレにギリギリ滑り込む事ができました。
このトイレは貴重だと思います。
時刻は13時を回って、さすがにお腹が減ってきたので、下北山スポーツ公園にある「きなり館」で昼食。
ついでに「きなりの湯」で温泉に浸かって帰ろうと思っていたのに平日は15時からだったので、急遽おとなりの上北山村の薬師湯に行く事に。
ここのお湯は柔らかくてヌルヌル具合が程良く、お肌が綺麗に整います。
15時に薬師湯のとなりのガソリンスタンドで給油、少し急ぎ目に走って16時に閉店間際のOpenCafe秀さん(川上村)で西吉野の柿をゲット。
東吉野村の「小さな道の駅 ひよしの里マルシェ」に着いたのは17時前。
柚子ソフトが美味しいので絶対食べようと思っていたのに、食堂がすでに終わっていたので食べそびれました。
ここから室生(むろう)方面へ廻るのですが、本当はそこから先が走り応えのあるオススメのワインディングロードだったのです。
その起点となる室生龍穴神社を通り過ぎる頃にはほぼもう真っ暗。
奈良ニュル(奈良のニュルブルクリンク)、そして山添村から月ヶ瀬はすごくいい道なので、明るいうちに走りたかった。ここだけは心から悔やまれます。
月ヶ瀬湖畔を走っている時には道の左端に鹿を発見。
こちらに驚いて飛び上がった後、しばらく並走していました。(道路に飛び出してこなくて良かった)
また柳生に差し掛かったところで前を走る車がブレーキを踏んで右に進路を振ったので『何かなっ!?』と思ったら、小さなカルガモが一羽、道をテーっと走ってました。
そんな少々危険で、ただただ暗い山中を走っている時、奈良市街の街明かりが見えた時には心底ホッとしました。
18時50分、ゴールの県庁東に無事到着。一周の所要時間は13時間50分。
その内、空中の村の滞在時間が1時間20分、昼食30分、温泉30分、トイレ休憩等がトータルで30分として、実質走行時間は11時間といったところ。
総走行距離は342キロ。
長すぎず短すぎず、街中から秘境まで。
温泉あり、グルメあり、絶景あり、自然を満喫できる施設あり、ちょっとしたアドベンチャー感もあり。
ナライチは大変バラエティに富んだ、楽しさ満載のコースです。
1日で回る事は可能ですが、せっかくなので十津川村か下北山村で一泊するプランが良いと思います。(後半のワインディングパートで暗くなってしまう懸念もありますし)
空中の村ではキャンプ道具を貸出してくれるので、食材だけ持ち込めば手軽にキャンプツーリングが楽しめます。(食材は道の駅十津川郷でもある程度調達可)
空中の村の宿泊プランはこちら↓
下北山スポーツ公園のライダープランはこちら↓
みなさん、それぞれのナライチを楽しんでみてください。
どうかくれぐれもご安全に。
最後に、48歳弟と52歳兄、ふたりの共通した感想は、『大変やったけど、おもろかった!』でした。
また行こう、弟。