健康とバイク ②
体幹の強化
ライディングのためには、体幹が安定していることが大切です。
バイクに乗る時には全身でバランスを取ることが必要ですので、普段何気なく乗っているだけでもある程度は体幹が鍛えられます。
ですが、日常生活を送っていれば、むしろバイクに乗っていない時間の方が長いわけですから、そこを有効活用して体幹の強化を図ることができればより効率的です。
体幹を鍛えれば、体重はそんなに変わらなくとも体型が変わってきますし、腰痛や姿勢が改善して身のこなしが俊敏になり、なおかつ精神的な安定感ももたらされるようになります。
腹式呼吸
腹式呼吸が大事な基本となります。
体幹を鍛えるとは『腹腔』を取り囲んでいる筋肉を強化することです。
『腹腔』はフタの部分で呼吸をする際に上下する『横隔膜』、骨盤の底をハンモックのように繋いでいる『骨盤底筋群』、背中側にあり背骨に繋がっている『多裂筋』、お腹周りをコルセットのように包み込む『腹横筋』の4つの筋肉で構成されています。
《婦人画報ホームページより》
これらの筋肉はインナーマッスルと呼ばれる身体の深い部分にある筋肉なので意識的に鍛えることは難しいのですが、呼吸に関わる筋肉であるため腹式呼吸によって強化することができます。
腹式呼吸は、お腹をへこませながら口から息を吐き、お腹を膨らませながら鼻から息を吸います。(息を吸う際は必ず鼻から吸うようにしましょう。鼻は鼻毛や粘膜がフィルターとしての働きをしてくれますが、口から大きく息を吸うと大きな埃やゴミが肺にまで侵入してしまうリスクがあります。)
姿勢
腹式呼吸を行う時は姿勢も大事です。
この時の姿勢は、『骨盤を水平にして、その上に背骨の一番下の骨を垂直に乗せ、背筋を伸ばす』というものです。
ところが、背筋を伸ばそうとしてやってしまいがちなのが、「背中をピンと張って、腰が反ってしまい、骨盤が前方向に倒れ、バランスを取るためにアゴが前に出る」という姿勢です。
このように背骨というのは、Ω(オメガ)状のカーブを描いています。
背筋を伸ばすというのは、『頭の重みを骨盤へ真っ直ぐに載せる』という感覚です。この時、自分では若干猫背のように感じてしまうかも知れませんが、それで正解です。
バンダを締める
『バンダを締める』はあまり聞き慣れないかも知れませんが、ヨガでよく使われる言葉です。
腹式呼吸をしてもバンダを締めていなければ、体幹トレーニングとしての効果は薄くなってしまいます。
やり方は、まずお尻の穴に力を入れて締め、次にみぞおちの辺りを後方に引くようにし、最後にアゴを引きます。
この姿勢を保ったままで腹式呼吸を行うのです。最初はみぞおちを引っこめながら、お腹を膨らませて息を吸うという感覚に違和感を覚えるかもしれませんが、何回か繰り返しているうちに段々慣れてきて、呼吸時に腹圧がかかってくるのがわかるようになると思います。
この呼吸によるトレーニングは、いつでもどこででも行うことができますし、炭治郎の“全集中・常中”よろしく、やればやるほど効果は上がり、それこそ寝ている間でも身体を鍛えることができるようになるかも知れません。
このトレーニングをしばらく続けていると腹腔のインナーマッスルが鍛えられて、ポッコリ出ていたお腹も引っ込んできます。ぜひお試しください。