ダンロップのバイク用タイヤ『ロードスマート』と『ロードスマートⅣ』の比較
《※この記事の内容は2022年9月のものです》
XJR1300('99)を中古で購入した時に履いていたタイヤは、DUNLOPのツーリングタイヤ『“初代”ロードスマート』でした。
ちなみに公道で履くタイヤのカテゴリは、グリップよりもライフを重視したツーリングタイヤ、グリップとライフのバランスに優れるスポーツタイヤ、サーキット走行もこなす絶対グリップ力にこだわったハイグリップタイヤのおよそ3つに分かれています。
DUNLOPの場合は、
ツーリングタイヤ『ロードスマート』
スポーツタイヤ『ロードスポーツ2』
ハイグリップタイヤ『α14』
というラインナップになっています。
前のオーナーさんが履き替えたままだったタイヤは半年ほどで摩耗限度に達してしまったので、最新のツーリングタイヤ『ロードスマートⅣ』に換装しました。
これまで使っていた『ロードスマート』は2007年発売。
その後継モデルの『ロードスマートⅡ』が2011年にリリース、『ロードスマートⅢ』が2015年、そして『ロードスマートⅣ』の発売が2020年4月。
実に13年もの歳月を一気に飛び越えたタイヤの進化の感想は「凄い」の一言でした。
よくタイヤのインプレッションにある『自分がうまくなったように感じる』とはまさにこの事かあ、という感じ。
コーナーのアベレージスピードが簡単に10キロほど上がりました。
しかも、これまではかなり神経質にアウト・イン・アウトのラインを走らなければならなかったのに、コーナリングの途中でもラインが変更できて、まだまだアウト側にも余裕があるので限界点はかなり先にありそうです。
一緒によくツーリングに出かけるXSR900とは、これまでコーナリングスピードもラインも全く別物でしたが、同じタイヤを履いただけでいとも簡単に同じ進入速で同じラインをトレースできるようになりました。
【分かったこと】
旧いバイクに旧いタイヤで最新のバイクには決してついていってはいけないです。
ロードスマートⅣに履き替えてまず跨った瞬間に『リアの車高が高くなった!?』と感じました。
体感的に1センチほどは上がったように思います。
リアタイヤの断面形状も変化しており、イカリ型からバルーンのようにサイドウォールが張って丸く膨らんだ感じのフォルムになりました。
サイドウォールが高くなったことによりショック吸収性が向上したとのことです。
デコボコ道を試しに走ってきましたが、確かに路面からのショック吸収性が高くなっていました。
下りのギャップでは軽くフロントブレーキを当てリアの荷重を抜いてやることで、ほとんどショックを感じなくなりました。“疲れにくいタイヤ”というキャッチフレーズは本当だと思いました。
またコーナーの進入でフロントが「スイッ」とイン側に入っていってくれるようになって、それまでバイクを寝かせるために全身を使って格闘していたのに、ブレーキをきっかけにして簡単に寝かし込んでいけるようになりました。
極端に言うと、クリッピングポイントに視線を送るだけでバイクが自然に旋回していってくれるような感覚です。
これはフロントタイヤのおむすび型の形状によるところも大きいのではないかと思います。
さらに車体が寝ている時の安定感が非常に高くなったと感じました。
なにより一番変化を感じたのは、低速でのUターン練習の時です。今までより明らかに旋回半径が小さくなりました。また後輪が路面に張り付いているような接地感があり、自信を持ってUターンすることができます。
リアタイヤの大きくラウンドした形状が、グリップ力と旋回性の向上に貢献しているのではないでしょうか。
今回は、10年以上の時を隔てた同じメーカーのタイヤを乗り比べすることができ、大変貴重な経験を得ることができました。
🟰追記🟰
2024年7月現在はロードスマートⅢS(Ⅲの廉価版の設定)を履いています。
ロードスマートⅣとは乗り味が全然違いますが、変なクセがなく素直な特性で乗りやすいタイヤだと思います。
2りんかんなどで特売されることが多いのでお財布にも優しいですよ。