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【リーンウィズで速くなる!? 《全20回》】その8 ニーグリップは基本?

大切なのは下半身ホールド

「ヒザでタンクを挟むニーグリップは本当に必要か?」

正直に言えば、いりません!

下半身を使ってバイクをホールドすることは絶対に必要ですが、ホールドするために使うのはヒザによるニーグリップだけではなく、腰をズラして乗っている時の外側太ももの内側やカカトやくるぶしを使ったホールドでも良いからです。

でも、タンデムランの時や、競技でヒザを開くと減点になってしまうような場合には、どうしてもヒザでホールドをする必要も出てきます。

ですが、ヒザを閉じたままでシフトチェンジやリアブレーキの操作をしたり、自然にコーナリングしようとすると、ヒザは”開こう、開こう”とします。自然な身体の動きとして見たときには、矛盾しているのです。

これを解消するポイントは、両足のつま先の向きです。体の構造上、つま先を開けばヒザも一緒に開くようにできています。つま先を開いてヒザだけを閉じても、ヒザを閉じるために余計な力が入りスムーズな動作はできません。

この時は、つま先を内側に絞るようにします。(写真のように上から見てハの字型に)こうすると、ヒザを自然に閉じることができます。

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つま先が開いた状態

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つま先を閉じると自然にヒザも閉まる

これなら【その6 ステップ荷重】のところで説明した土踏まずの外側でステップに荷重することや、シフトチェンジやリアブレーキの操作をする時にも無理なく安定した操作を行うことができます。ぜひ試してみてください。

前後の重心移動

『ニーグリップをしっかりしてしまうと、バイクの上で重心移動がほとんど行われないんじゃないの?』と思われるかもしれません。

左右方向の重心移動は、たしかに他のフォームよりも少なくなってしまいますが、その分前後方向の重心移動に集中することができます。

まず一次旋回の場面では、ブレーキングのタイミングに合わせて上体をスッと起こし、フロント側に集中しようとする荷重を軽減してやり(抜重と言います)、ステップ荷重でバイクを倒しこむ時には体が起きていることで高くなった重心位置から荷重をかけることができ、そして頭の重量を背骨を通じて骨盤へ、それをさらにシートへ載せることでリア側に荷重し、リアタイヤをしっかりと路面に押し付けることができます。

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続く二次旋回では、スロットルを開けるにしたがって上体を伏せていきます。加速時はフロントからリアへと荷重が移動していきますので、リア側から抜重すると同時に減っていくフロント荷重を補うことができます。

前後の重心移動は実は非常に重要です。この重心移動の効果を大きくするためには、直線でしっかり伏せるという動作が必要です。伏せることにより、ブレーキング時の抜重や、その後のシート荷重の効果も高まります。ぜひ練習して体感してみてください。

ニーグリップは役に立つ

ニーグリップを使いこなせるようになると、バイクが楽に操れるようになります。

意識をしてヒザに力を入れて挟んでいるうちは身体に無理がかかってツラくなるだけですが、つま先を絞って自然に挟むのに慣れてくると、その動きが実に理にかなっていて、他の全ての動作に繋がっていることがわかってきます。

ニーグリップは、やはりライディングの基本です。



【リーンウィズで速くなる!?】タイトルまとめ

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奥本雅史@二輪ライディングアドバイザー
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