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環境の影響を受けていく

*とあるギャラリーに関する仕事をしていて、そこでよく展示をされているアーティストさんだとか、同じようなギャラリーの店主などに話を聞く機会が増えた。じつは僕も、将来、ギャラリーをやってみたいなぁと思っているところがあるので、非常に参考になるし、おもしろい。ギャラリーや人によって、そこをどんなふうに運営していきたいのか、どんな空間にしたいのか、当たり前だがそれぞれちがう。ギャラリーと一括りに言っても、展示も空間も向かいたい方向も、それぞればらばらだ。

まあ、そんな仕事をしている中でおもしろいなと思ったのが、「アート界の先輩後輩関係」だった。ギャラリストである方と、アーティストの方が大学の先輩後輩だったりといった場面をたくさん見かけた。もしかしたら、芸術大学系はあるあるなのかもしれないが、もちろん今はもうフラットだけれど、誰もが当時は「先輩なんで、怖かったんです」と言っているので驚いたのだ。

いわゆる体育会系的な怖さではない。それよりもっと、センスというのか、「こいつはいいものつくるなー」と思われるかどうかの怖さみたいなものが、常に付き纏っているのだという。展示をしても、先生や先輩からダメ出しをくらったりすることはザラにあるし、憧れの先輩に良いと言ってもらいたいという心は、誰だって持つだろう。ただ驚いたのは、芸術やアートという分野でも、そうした先輩後輩、もっといえば「環境や関係性」がたしかにあるんだということだ。

先輩からの影響や、スゴい後輩からの突き上げだったり、世代のアートシーンや傾向、なんてのもあるだろう。アートや芸術は、ともすればソロプレイというか、個人の作業だと思われがちだけれど、本当はそんなことないんだな。おおきいところでいえば時代や背景の、小さいところでいえば友人や先輩関係、そうした環境によって自分の作るものがたしかに影響されている。隣の子が使っていた絵の具を見て、いいなぁと思ってまねしたように、あの感覚が大人になってもあるんだろうなぁ。


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