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自分一人で何かを大切にするなんて
*当たり前だが、人それぞれに「大切にしたいこと」がある。それはプライベートであろうと、仕事であろうと、生き方であろうと、それぞれの単位で、それぞれに大切にしていることがあるだろう。「譲れない部分」というほど強くはないが、それなりに大切にしているもの。仕事であったら「納期に遅れない」を大切にしている人もいるだろうし、プライベートで「他人の悪口を言わない」ことを大切にしている人だっているだろう。人それぞれ、人の数だけそういうものがきっとあるんだと思う。
今まで僕は、「自分の大切にしていること」を中心として考えて、あまり「他人の大切にしていること」を考えてこなかったような気がする。それは、サッカーで言えば、「自分が点を獲るんだ!」という、自分がゴールを決めることを前提とした考え方に近い。でも、得点というのは、当たり前だけれどディフェンスの人もフォワードの人も、みんなで一緒になって獲るもんだよな。ばらばらの人たちが、ひとつの目標に向かって走るから、チームでやることはおもしろいんだ。
もちろん、その「大切にしていること」が、誰かと真逆のことだったりすることもあるだろう。極端なことを言ってしまえば「納期を守る」という人と、「納期に遅れてでもいいものをつくる」という人もいる。しかしそれはそれで、お互いに少しずつ歩み寄りながら、なにかを実現していくしかないのだと思う。そして、お互いの大切にしたいことと、みんなの大切にしたいことを、それぞれで少しずつ歩み寄って、なにかをつくっていくしかない。
まさに今日、仕事のやり取りで、そんなことがあった。「この人は、ここを大切にしたいんだな」と思うところを知れて、その人と何かをやるときは、そこを僕も同じように大切にしようと思った。なんだか少しだけ、大人に近付けたような気がするよ、わしゃあ。