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一流に隠れた一流たち

*昨日、オリンピックの男子バレーボールを観ていて、いち観客として思ったことをメモした。それが監督の隣にひょこっといる「通訳」の人のことだ。

・僕は詳しくないからあんまり分かんないんだけど、日本代表とかの監督って、外国人の方が務めることが多いじゃないですか。で、もちろん簡単な日本語は覚えたりするんだろうけど、スポーツの中で細かな指示を出したり、叱咤激励をしてチームの士気を高めたり、そういった「ニュアンス」の含まれる言葉や指示は、さすがに普段から使用している言葉で話すわけですよね。だから隣に「通訳」の人がいるわけで。この「通訳」の人って、ものすごい能力が必要なんじゃないか。

まず、そのスポーツそのものの経験や教養が必要だ。「もっと前に出ろ!」と英語で言ってたとしても、コート上では「もっと前の方にポジショニングしろ」だったり「恐れずに前へ出ろ!」だったり状況によっても変わってくる。具体的な指示なんてのはまさにそうだし、もっと瞬間的に飛び交う「今だ!」みたいな声には、スピードが必要だったりするのかもしれないし。

そのためには、もちろん監督とのコミュニケーションや人柄、練習時からどのようなことを考えているかまで知る必要がある。どんなプランでその試合に臨んでいるのかで、翻訳の仕方だって変わるだろう。

さらに言えば、選手一人ひとりによって「伝え方」も変えているかもしれない。「ここはお前に任せた!」と言われることで力を発揮できる選手もいれば、「失敗してもいいから気楽に行け」と言われることで力を発揮できる選手もいる。つまり、翻訳した言葉を受け取る相手によっても、ニュアンスを変える技術だってありそうだ。

なんてことを、昨日の白熱した試合の中でぽつりぽつりと考えていた。監督へのインタビューや密着はあるけれど、それ以外のコーチや分析班、通訳の人や交渉人の人とか、まだまだ見えていないけれどプロの仕事をしている人が、国を代表する催しの中でたくさん動いてるんだろうなぁ。そーゆーまだ見えてないことの特集があれば、僕みたいな人間は読んでみたいと思う。


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