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売上を伸ばすという危険な考え方
もしかして「もっと売上を上げたいんだよね」って考えてます?
なぜ、この考え方が危険なのでしょう?そして、どう危険なのでしょうか?
こんにちは。
店舗集客マーケターの大久保亮です。
僕の記事を見ていただき、ありがとうございます。
こうして見てもらえると、素直に嬉しいものです^^
僕の中学の同級生で、お店をやってる人が何人かいます。
その中の一人の友達との会話をもとに、売り上げを追求すると、どんなことになるのかを具体的な事例を交えてシェアしていきたいと思います。
売上を追求した友達の末路
これは今からちょうど2年前に、実際にあった話です。
友達なので、悪くは言いたくないのですが、いくら忠告しても自分の考えを曲げずに突き進んでしまったので、僕にはどうしようもできませんでした・・・
その友達のお店は、食品加工とカフェをやっていました。
春~夏はカフェをやり、秋~冬は食品加工+カフェをやっていました。
加工した商品をカフェで販売しています。
開業当初から口コミで人気が高まり、年々売上は右肩上がりで好調です。
地元ではちょっと有名なお店になり、他県からもお客さんが来るほどの人気ぶりです。
そんな友達と僕の会話は以下のようなやりとりでした。
友:今年の冬は食品加工を増やしてもっと売上を伸ばしたいんだよね~
———— え?昨年でさえかなり忙しそうだったけど本気で言ってるの?
友:もちろん!今のところ毎年作った分は完売してるし、製造量を増やしたらもっと売上作れそうだし
———— じゃあ、仕入れも人手も増やすってこと?
友:そうだね。増やさないともう手が回らないし、売上を上げるためには仕入れも人手も増やすのは仕方ないでしょ。
———— そっか。ちなみに、将来的にどんなお店にしていきたいの?
友:もっとたくさんのお客さんに、ウチの商品を知ってもらいたいし、食べて欲しいしよね
———— 分かるけど、ずいぶん漠然としてるね。
友:そうかな?ふつうお店やってたら、みんなそう思うでしょ
———— でも、その考えで突き進むと危険だよ?っていうか地獄見るよ?
友:大丈夫でしょ。それに売上増やすなら忙しくなるのは当たり前だし、そんなこと言ってたらお店を成長させられないでしょ。
———— 言ってることは分かるけど、売上じゃなくて利益を増やすことを重視した方がいいんじゃない?
友:売上を伸ばさなかったら利益だって増やせないでしょ?
———— そんなことないよ。客単価を上げる方法だってあるし
友:値上げしたらお客さんに悪いし、今年は良くても来年になったら来てくれなくなりそうじゃん?それじゃ意味ないんだよ。やっぱ忙しくて大変になっても、売上を伸ばして利益を増やす方がいい状態を長く続けられると思うんだよね。
といった展開になり、このまま話がずっと平行線になってしまったので、最後は「応援してるから頑張れ!」としか言えませんでした。
僕の内心は「あ~なんでこんな話の進め方をしてしまったんだ・・・」と自分の不甲斐なさを後悔してました・・・
というのは、クライアントにはこんな話の進め方をしないので。
同級生だったからでしょうか…
ついこんな展開になってしまいました・・・
そして、2月下旬に心配だったので買い物がてら様子を見に行き、4月中旬になって少し落ち着いた頃にどうなったかを聞いてみたところ、僕が予想したとおりになってました。
具体的には・・・
・売上は前年比で着実に伸びた
・無事に原材料の仕入れを増やすこともできた
・期間限定のパートさんを増員したので前年より大量に製造できた
・お客様は増えたし、口コミも増えてる
・地元メディアからの取材も増えた
しかし
・忙しさで顔が引きつっていた(2月下旬)
・毎日クタクタになるほど疲弊していた(2月下旬)
・お店の雰囲気がちょっと悪くなっていた(2月下旬)
・1~3月期の利益は微増にしかならなかった
・利益率が下がってしまった
という結果でした。
売上を追求すると陥る罠
僕の友達は、何を間違ったのでしょう?
この記事を読んでるあなたなら、もうお分かりですよね。
答えは、利益ではなく、売上を伸ばすことに執着したからこうなった。
ということです。
友達のお店は、このまま売上を追求していったら、売上はまだ伸びると思います。
でも、それもあと2~3年が限界でしょう。
なぜなら、疲弊しきっていて顔が引きつるほどの忙しさで接客までしてるので、いずれ口コミの評価も下がっていくでしょう。
口コミの評価が下がると、他県からのお客様は来店しなくなるでしょう。
そして、ジワジワ県内のお客様も離れ、気が付いた時には大量の在庫を抱え込むことになるでしょう。
さらに、友達自身は、なぜこうなったのかという原因を自力で解明することは難しいでしょう。
仮に気付けたとしても、どう方向転換していいか、改善案を自力で出すのは難しいでしょう。
小規模店舗がこの罠に陥る原因
「売上をもっと伸ばしたい」という考え方をする店舗オーナー様は、けっこう多いものです。
売上を伸ばすために、新規のお客様を増やしたい。
だから僕に相談してきてくれるのですが・・・
相談してくれるオーナー様は、まだ聞く耳を持ってくれる方が多いので、6割くらいは間違った方向に行かずに済みます。
ですが、この友達のように、聞く耳を持たない店舗オーナー様は、新規集客が上手くいけばいくほど、どんどん悪循環にのめり込んでいきます。
その根本原因は、目標設定が間違っているからです。
とても言い方が悪くなりますが、お山の大将になってしまうんですね。
こうなると自分の考え方が絶対なので、外部の意見を聞こうとしません。
特にお店が順調に成長してきた場合、それが顕著になります。
これが小規模店舗や個人店の危ういところなのです。
自分のお店なので、お山の大将になりがちなのは分かるのですが、オーナーであると同時に経営者であるという意識が抜け落ちてしまうんですね。
その原因も、お店が上手くいって忙しくなってしまったからなんです。
上手くいってるから、自分の考え方は正しいと錯覚を起こしやすくなります。
さらに、忙しくて疲れてるので、経営やマーケテイングの勉強をする余裕がないというより、上手くいってるから必要性を感じないようです。
この状態がいかに危ういか、上手く伝わってるでしょうか?
まとめ
お店の経営って、ちゃんと考えて組み立てていかないと、忙しいのに儲からないとか、忙しさが裏目に出てお客様が離れてしまうということがいとも簡単に起きてしまいます。
そして、上手くいけばいくほど、自分の考え方に自信をもち、外部の意見を聞き入れられなくなってしまいます。
お店が上手くいってるからという理由で、勢い任せの展開をしてしまうのは経営とは言いません。
経営者として、人の意見を聞かない(聞けない)のなら、その分お店を俯瞰する力が最低限必要になります。
でも、俯瞰しても問題意識がないと見えてこないんですよね・・・
やはり経営者として経営をちゃんと学ぶのが、今後長年にわたりお店を良い状態に保てる近道だと思うのです。
ちなみに、今年はどうするのか共通の友達経由で聞いた話だと、昨年と同じやり方で挑むそうです・・・
あなたはどう思いますか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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僕もまだまだ勉強中の身ですので、コメントから学ばせていただきたいです。
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PS
友達なので、なんとかしてあげたい気持ちはずっとありますが、今の状態だとまた聞く耳を持ってもらえないと思うので、冷たいかもしれませんが、向こうから相談してくるまでジッと待ちたいと思います。
友達とはいえ、仕事の話になると、なかなか難しいものですね・・・
自分の質問力、ヒアリング力の無さを痛感させられた出来事でした。
クライアントはもちろん、仮に友達や知り合いであっても、もっとスマートに良い方向に導けるよう精進したいと思います。
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