マリアンヌの現実 La réalité de Marianne
彼女の名前は、マリアンヌです。とても優れたタイピストです。しかも彼女は、うら若く、見目麗しきマドモアゼルに他なりません。にもかかわらず、彼女はいつも、淋しそうに、タイプライターを打っています。なぜなら彼女は、ミッシェルの部屋のポスターの中に住んでいて、自由のない、囚われの身だったのです。それはあたかも、籠の中の鳥のような生活で、彼女は今日も、薄っぺらいポスターの中から、自由を夢見ていたのです。
それを見ていた新人作家のミッシェルは、ポスターの中から、彼女をなんとか救おうと、いろんな方法を試みました。ある時は、ポスターをめくって小さな出口を探してみたり。またある時は、ポスターを外して勢いよく振ってみたり。またある時は、古い書物に書いてあった長い呪文を唱えてみたりもしましたが、彼女はやっぱり、案の定、ポスターの中から抜け出すことが出来ません。
それでも彼は諦めず、彼女を救う方法を、毎日模索するように、小説を書いていましたが、そんなある日のことでした。お互いが打つタイプライターを利用して、文字通り、会話が出来るということに、突然ハッと気がついたのは。それ以来、彼と彼女は会話を重ね、仲良くなって、恋に落ち、今では互いに惹かれあっていたのです。
と言うのは、例のごとく、あくまで僕の妄想ですが、ミッシェルとマリアンヌの不思議な恋の物語は、この後どこへ向かうのか?それは、お読みいただいた皆さんの、ご想像にお任せしたいと思います^_^
いいなと思ったら応援しよう!
もしもサポートしていただければ、そのお金は、ブックカフェをオープンするための開業資金として、大切に使わせていただきます。