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絵本屋さんを始めつつ

時が経つのは早いもので、あんなに暑かった夏も去り、ふと気がつけば、涼しい秋になりました。

と、言いたいところですが、相も変わらず、窓の外には怪獣がいて、攻撃をやめてはくれません。

その怪獣は、特撮映画さながらに、口から熱波を吐き出して、車や建物を片っ端からドロドロに。

そして僕たち人間も、アイスのように、あるいはダリの絵のように、どんどん溶けてゆくのです。

そんなイメージを持ってしまうほど、今年の夏はあまりにも暑く、体力や気力を奪われましたが…。

それでも、決して奪われることがなかったのは、お店をやりたいという僕たち二人の想いでした。

僕たちが今住んでいる我が家の隣りの空き店舗で、絵本屋さんを始めたいという気持ちでした。

その想いや気持ちは、怪獣が吐き出す熱波よりも熱く、僕たちを夢に向かって導いてくれました。

もちろん時には、夢から逃げ出しそうになったり、上手くいかずに、凹んだ時もありましたが…。

それでも先月、お店は晴れてプレオープンと、本オープンを無事に終え、二人の夢は叶いました。

夢を叶えた僕たちは、とにかくすこぶる幸せで、それを喩えて言うならば、天にも昇る気分です。

あるいは、懐かしいチャーミーグリーンのCMのように手を繋ぎ、スキップをしたいぐらいです。

と言いたいところですが、今後もここで絵本屋を経営するいう現実が、二人を待っているのです。

その現実は、時に僕たちを苦しめ、窮地に落とし入れることも、決してないとは言えないわけで。

実際、お店を始めたのはいいものの、数年で閉店に追い込まれたお店が、数限りなくあるわけで。

それでもやっぱり僕たちは、こうしてお店を始めたことに、何とも言えない喜びを感じています。

その喜びは、お客さまと直接会話が出来る喜びで、ネット販売では味わえなかった喜びでした。

このお店をオープンして以来、いろんな商品がお嫁に行ったことも、もちろん嬉しいことですが。

来てくださったたくさんのお客さまと、いろんなお話が出来たことが、やっぱり何より嬉しくて。

当初は、心配する人や反対する人もいましたが、このお店を始めて良かったなあと、あらためて。

ちなみに、僕が絵本屋をやりたいと最初に思ったきっかけは、遡ること十年以上も前になります。

その当時の僕は、地元の町で小さな雑貨屋をやりながら、クレパス画家として活動していました。

その活動の集大成として、長年の夢だったパリで個展を開催しますが、話はそこから始まります。

元々、古いモノが好きだったので、個展の会期中に、パリのいろんなお店や蚤の市へ行きました。

ある時は、雑貨屋さんへ。またある時は、古本屋さんへ。またある時は、知る人ぞ知る蚤の市へ。

その時買ったモノが、今のお店の商品にもなっていますが、あるお店との出会いが運命的でした。

そのお店は、セーヌ川沿いの絵本屋さんでしたが、そこには、おじいさんとおばあさんがいて。

その様子を見た瞬間、僕はなぜだか、胸がふいに熱くなり、思わず涙がこぼれそうになりました。

その時の様子は、五年前のnoteの記事にも、詳しく書いておりますが、とにかく忘れられなくて。

その時の風景が、僕の心の原風景になっていて、今のお店に繋がっているような気がするのです。

そんなお店をこれからも、妻と一緒にいつまでも続けてゆきたいと、決意をあらたにしています。

が、ずっと続けてゆくためには、店舗だけではなく、ネットの販売もやめないことが大切かなと。

たとえお店に閑古鳥が鳴いたとしても、ネットの売り上げがあれば、なんとかやっていけますし。

実際これまでも、ネットの売り上げがあったからこそ、こうして普通に、生活出来ているわけで。

これからも、これまで通り、ヤフオクやメルカリを有効に使って、やってゆこうと思っています。

と同時に、お店のホームページも公開出来たので、今後はそこでも、いろいろ販売したいなと。

もちろん、お店にお客さまが来て頂けるように、魅力あるお店作りを今後も続けるつもりですが。

このお店をずっと続けてゆくためには、夢や理想よりも、現実的に先立つものが、必要ですしね。

だからと言って、売り上げが全てではなく、時には夢を見ることも、大切なことだと思うのです。

なぜなら、そんな夢こそが、このお店の出発点でもあり、今後も必要な原動力でもあるからです。

そんな夢の一つとして、僕たちが次にやりたいことは、このお店をバージョンアップすることと。

三津浜にある古い建物をセルフリノベーションして、レトロ可愛いブックカフェをやることです。

古き良きパリの街角にあるような、フレンチテイストのレトロ可愛いブックカフェ、savignacを。

そのためにも先立つものが必要なので、これからさらに、お店に力を注ぎたいなと思っています。

そしてもちろん、ネットを使ったヤフオクやメルカリなどの販売や、SNSを通じた通信販売にも。

それから今後は、イベントなどにも、petitchatonの宣伝活動を兼ねて、積極的に参加したいなと。

そして出来れば、三津浜にある錆猫本舗の別館も、秋にはリニューアルしたいと考えています。

その前に、三津浜商店街で、みつはまやみいちという大きなイベントがある予定だったのですが…。

つい先日、上空から、これまた別の怪獣がやって来て、そのイベントを中止に追い込みました。

が、いかなる怪獣の攻撃も、僕たちの夢まで壊すことは出来ないと、そう思う今日この頃です。

P.S. 怪獣はその後、日本を縦断するように移動して、気がつけば、どこかへ去って行きました。

台風一過、雲ひとつない空の下、絵本屋さんを再開出来る幸せを、噛み締めているところです。

retro book shop petit chaton
外国のレトロ可愛い絵本と雑貨
時々猫がお客さまを待ってます
愛媛県松山市 石風呂町 50-5
営業時間 お昼頃から夕方まで
途中で休憩時間を取りますが
用事がない限り年中無休です

携帯電話 080-5663-3516
星川 孝(Hoshikawa Takashi)

古本古雑貨 百円均一 錆猫本舗
愛媛県松山市住吉2丁目 3-4
古道具 古雑貨 錆猫本舗/別館
愛媛県松山市住吉2丁目 3-3
営業時間 お昼頃から夕方まで
前もってご連絡いただければ
いつでもオープンいたします

もしもサポートしていただければ、そのお金は、ブックカフェをオープンするための開業資金として、大切に使わせていただきます。