Nikomat EL
Nikomat ELは、1972年12月に発売されたニコンFマウントの一般ユーザー向け一眼レフカメラ。普及機と言えどもニコン初の絞り優先AE機とあって当時の最先端の技術が搭載さたカメラです。
Nikomat ELの外観
軍幹部のエンブレムがNikomatとあり一般向けのカメラをアピールしていますが、中身はニコンの堅実な作りで変わりなくプロ機と同じFマウントレンズが使えます。輸出向けのネーミングはNikkormatなのでニッコールレンズが使える普及機であることが理解できます。
普及機とあってファインダー部分は取り外すことは出来ませんが、その分高さを抑えた落ち着いたデザインになっています。全体的なデザインは後継機種のNikon FEやFMに受け継がれており、飽きの来ないクラシックな作りが大好きです。
ファインダー左のボタンは、電池残量確認ボタンでボタンを押すと残量があれば右側のランプが点灯します。
ELは、軍幹部にシャッタースピードダイヤルやISO(ASA)感度ダイヤルがあり使いやすく確認しやすい配置になっています。Nikomat FTシリーズは、レンズマウント部分にあって確認や設定が不便なことを考えると軍幹部にダイヤルがあるのが正解だと言えます。
底面には三脚穴と巻き戻しボタンがあります。後述しますが電池ボックスは底面ではなくミラーボックス内にあってミラーをアップして交換するというとてつもない場所にあります。
カラーは、シルバーとブラックがありどちらも遜色ないカラーでチョイスが難しいところですが、この機種は中古で安価に入手できるので両方のカラーを揃えるのもありかと思います。
フィルムの入れ方
フィルムを入れる時は、裏ぶたロックレバーを手前に押しながら巻き戻しノブを引き上げます。
フィルムのパトローネをパトローネ室に入れて巻き戻しノブを戻します。
フィルムを少し引っ張って右側の巻き上げ軸にあるスリットに差し込みます。
シャッターを押し巻き上げレバーを回し、巻き上げ軸にフィルムが巻き上がっているのを確認します。
さらに、スプロケットの歯車とフィルム上下の穴が噛み合っていることを確認します。
裏蓋を閉め、数回シャッターを押し巻き上げます。
フィルムカウンターが0になったことを確認します。
フイルムのISO感度に合わせてフイルム感度(ASA)ダイアルを設定して、フィルムの準備が完了です。
フィルムの巻き戻し
巻き上げレバーが回らなくなったらフィルムを撮りきったと感覚で分かります。
フィルムの巻き戻しは、まず底面にある巻き戻し用ボタンを押します。
巻き戻しクランクのノブを起こして矢印の方向に回転させます。途中で回転の負荷が軽くなるタイミングがありますので巻き上がり間近であることが分かります。もう数回巻き戻しクランクを回します。
裏ぶたロックレバーを手前に押しながら巻き戻しノブを引き上げ、フィルムが巻き取られたパトローネを取り出します。巻き戻しノブを戻し裏蓋を閉めロックします。
電池の入れ方
電池は4LR44か4SR44を使います。4SR44の方が高価ですが、電圧降下が少なく安定した露出を測れますので4SR44を使う事をお勧めします。
電池ボックスは、ミラーボックス内にありますのでまず、レンズを外しミラーレバーを上に上げ、ミラーをアップさせます。
シャッター下部に電池蓋があるので左にスライドさせながら開けます。
蓋の裏側には電池のプラスマイナスの方向が描いてあります。電池の極性が間違いないか確認します。
電池を入れる時、右側のプラス側から入れてからマイナス側を入れます。
電池蓋を閉め右側にスライドさせロックさせます。最後にミラーをおろしレンズを取り付けます。
カメラの電源は、巻き上げレバーを右に少し引くと赤円マークが見え電源がオンになります。
ファインダーを覗くと左側に露出計の針が見えますので、明るい所と暗い所にカメラを向けて黒い針が動作することを確認してください。
撮影の機材
Nikomat ELにNIKKOR-H Auto 28mm F3.5のレンズを付けフィルムはKodak Gold 200を使って撮影しました。
作例
今回使用したレンズは28mm F3.5で広角レンズに分類されますが、程よい画角に収まり風景やスナップに使いやすいレンズです。
開放F3.5でファインダーを覗いた時に少し暗い感じはしますが、ピントが合えばシャープな写りになり、周辺減光も少なく歪曲収差も非常に小さいので普段使いにできる好印象なレンズです。
このレンズのカラーがブラックとシルバーの2トーンになっていてNikomat ELのシルバーカラーにマッチし、レンズの大きさもちょうど良いのでお似合いの組み合わせではないでしょうか。