迎え火の頃、その人は毎年その木の下で涙を流し手をあわせます。
色褪せない心の陰。それを集めてできた結晶は漆黒ながら光を通すと柔らかな夜色を散らすのです。それが本当に美しくて。

「ほら」と、いつか手渡せたならと思いつつ
その横顔に何も言えなくなるのです。
#四季を纏いし君のこと

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