レトリバの生成系AIに関する取り組みについて
こんにちは。株式会社レトリバ代表取締役 田口(@T_T_Retrieva )です。
今回は、レトリバの生成系AIに関する取り組みについて紹介して参ります。
当社では、自社で学習したLLMを公開するなど日々研究を重ねており、ChatGPT等の生成系AIと当社独自の検索とテキストマイニングの技術を融合させて、「日本語生成系AIの法人業務への実装」をいち早く実現しようと研鑽を重ねております。
※ChatGPTをはじめとした生成系AIは、生成AI、ジェネレーティブAIとも呼ばれておりますが、今回は「生成系AI」とします。
生成系AIによる市場の変化
前回の記事でお話しした通り、ChatGPTの登場により、AI・自然言語処理の分野では大変革が生じています。
前回の記事を掲載した後も様々なことがありました。
直近1ヶ月で起きたニュース(一部ピックアップ)
5月19日(金)ChatGPTがスマホアプリに まず米国でiPhone向け
5月23日(火)「富岳」で生成AI、ChatGPTに対抗 NTTやサイバー参入
6月13日(火)生成AI開発「GAFAMとの競争、政府が支援を」 松尾豊氏
ChatGPTに対する世間の見方はさまざまで、上で挙げたニュースの中には「利用禁止から利用可能に変更」「利用を検討中」「さらに拡張したサービスの展開」など、各国で様々な対応が行われています。
5月19日から21日に開催されたG7広島サミットでは、ChatGPTなどの生成系AIにおける著作権の保護や偽情報への対応などについて閣僚級で議論することで合意が形成され、ますます注目度が高まっています。
そんな中、当社では特に「検索」と「分析」の分野で長年培ってきた自然言語処理技術をベースとした技術と生成系AIによって新たに登場した技術との組み合わせにより、更なる事業拡大を目指して参ります。
レトリバの事業領域
レトリバは創業以来、自然言語処理の技術探究を行ってきました。
当社の主軸サービスである「YOSHINA」は自然言語処理技術を用い、顧客の声を簡単に可視化・分析することができます。 「YOSHINA」では教師なし分類や教師あり分類などの機械学習をベースにした分類手法を4つ搭載しております。これらを組み合わせることで、これまで人手で対応していた大量テキスト処理の工数削減や、サービス・業務改善のヒントを発見することが可能です。
レビュープラットフォーム「ITreview」では、「課題の発見やインサイトの発見のヒントに役立つ」「分析結果を瞬時に可視化」とご評価いただいており、法人に寄せられる多数の声の分析、VoCからのインサイトの発見の為に活用して頂いています。
(ITreview「YOSHINA」レビューページ:https://www.itreview.jp/products/yoshina/reviews)
また、「TSUNADE」、「Sedue」といった検索ソリューションにおいては、suffix arrayによる独自の高速検索技術に加え、機械学習の技術に基づいた仮想フォルダ生成の機能により、いわゆる「エンタープライズサーチ」と呼ばれる領域で、企業内のもの探し(ファイル等の検索)をご支援しています。
レトリバのAIシフト
レトリバは、分析技術による「企業と市場との対話の支援」と、検索技術による「社内の情報の整理・もの探しの支援」に取り組んできました。
ChatGPTをはじめとした生成系AIを活用することで、今まで私たちが提供してきたサービスは更にパワフルなものになっていくと確信しています。
現在弊社の構想にあるこれら4つのカテゴリについての現状の取り組みを簡単にご紹介いたします
テキストマイニング(社外DX領域)
社外DX領域においては、弊社サービスの「YOSHINA」とChatGPTを融合させ、「YOSHINA」における分析体験を強化します。「YOSHINA」が強力になる分野は多岐に渡りますが、例えば以下のような内容を実現すべく検証を進めています。
ChatGPT等の対話エンジンのスキルを活用し、「YOSHINA」が出した分析データに関する考察、改善案を出す(考察・プランニング)
GPT-4等のLLMの強力なラベリングのスキルを活用し、教師なし学習で分類されたカテゴリに対し、名前付けをする(ラベリング)
GPT-4等のLLMの今までになく正確な要約のスキルを活用し、冗長な音声録音データを要約し、本当に必要な要素だけを要約する(要約)
上記のように、「YOSHINA」の機能をより一層強化して、お客様に今まで以上に豊かな分析体験を届けられたらと考えています。
顧客応対チャットボット(社外DX領域)
生成系AIを組み合わせた「チャットボット」を提供します。 現状のチャットボットは、精度を上げようとすると設定コストが高くなり、一方で安価なものは精度が低い、対応範囲が狭いといった課題があるものと考えています。 生成系AIについては、インターネットからの情報をもとに回答を生成しているため、そのままの状態では企業独自の情報を提供するのは難しいという課題があります。 私たちは、生成系AIの自然な会話を生成する特徴と、検索技術やナレッジ活用の知見を組み合わせ、実務で活用できる精度のよい生成AI製品を提供して参ります。 これまで取り組んでいない製品領域となりますが、「YOSHINA」を利用いただいている企業様を始めとした、AIを本気で活用したい企業様にご利用いただけるよう、チャレンジしたいと考えています。
エンタープライズサーチ(社内DX領域)
社内DX領域においては、社内に蓄積された膨大なデータを有効活用して事業に貢献する事が 想定されます。生成系AIと組み合わせる事で、様々な活用のケースが考えられます。
例えば、
従業員が具体的な質問を入力すると、AIは企業内の文書全体を検索し、最適な回答を生成 するような社内QAシステム
社内のプロジェクト報告から成功要因や失敗原因を自動的に抽出し、それらをレポートとして生成する事で、知識活用に応用するシステム
多国籍の言語による企業内文書の自動翻訳や要約を生成するサービス
考えられる進化の姿が多岐に渡る中で、何が企業様にとって最適か見極めて参ります。
自社LLMの取組
自社LLMのオンプレ環境下でのカスタマイズを想定しております。具体的な検証項目としては下記になります。
オンプレ構成でもChatGPTのような活用ができるかの検証
日本語に特化している規模の小さいモデルは法人内の業務で実用可能か
精度をどれくらい担保できるのか
自社LLM領域での取り組みの一つとして、T5モデルに日本語学習を試みた結果をnoteにまとめてありますので、ぜひご覧ください。
日本語T5モデルの公開|株式会社レトリバ (note.com)
自社業務での活用
自社業務向けに、生成系AIベースのお助けSlackBotをつくっています。
Notionに記載されている社内ルール・ガイドラインを学習した生成系AIがSlackBotを通して回答するものです。
将来的にはNotionだけでなく、SharePointやSlack内の情報も1つのSlackBotを通して提供できるようにと考えています。
さいごに
現在、生成系AI市場は目まぐるしく変化しながら凄まじい勢いで成長し続けています。レトリバは今まで培ってきたAI技術を活かし、いち早く法人業務で使える形で生成系AIをお届けいたします。
また、コラボレーションについても積極的に取り組んでおります。上記のテーマでの連携が可能な方、ぜひお気軽にご連絡ください。(@T_T_Retrieva)
ワクワクするこの技術の活用について、多くの方とご一緒できると嬉しいです。
採用情報
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