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ビザ免除が再開された中国・上海を訪れた備忘録

2024年11月30日,5年弱ぶりに日本人が中国をビザ無しで訪れることができるようになった.ここ最近は「トランジットビザ免除」を使い裏技的に中国入国する技が知られていた(*)が,そうした小技を入れなくても普通に中国に行けるようになった.

(*) 敢えて第三国を経由することで「トランジットです」という体裁で入国する方法.日本→中国→韓国→日本のように別の国を旅程に挟むことで実現できる.

元々,上述のトランジット扱いでの訪問を目論んでいたのだが,ビザ免除と相成ったため,シンプルに日本⇔上海の往復の形で上海を旅行してきた.やはり他の国の旅行とは一味違うところがあったので,備忘録としてその記録を残しておく.

チケット確保

チケットは他の国への旅行と同様,普通にtrip.comを使った.中国だからということで変わることは特になかった.中国は外国人が予約できるホテルは限定されているらしいのだが,trip.comで検索して出てくるホテルはそもそも外国人宿泊可のホテルのみがヒットするらしく,その部分も気を使うことなく予約することができた.

飛行機は,往路は吉祥航空,復路は中国国際航空を使った.イギリス旅行で使った中国東方航空がそんなに悪い印象が無く,普通に快適に使うことができたので,他の中国系キャリアも使ってみたいと思った次第.

ホテルは「上海外灘沙美大樓ZHotel」を確保した.あまり安いホテルにすると英語が通じなかったり,色々不便だろうと思い4つ星ホテルを選んだ.なお後述するがこのホテルでも英語が通じるかは微妙なラインだった.

チェックイン

吉祥航空は優しい色合いが特徴

成田空港でのチェックインの仕方は他の国を訪れるときと何ら変わらない.ただしチェックイン時に復路のチケットの有無をしっかり確認されたし,その上でパスポートを持って裏に下がり,上司的な人に問題ないかの確認をしていたのが印象的.この辺りは中国行きの際特有かもしれない.

こんな感じなのでチェックインは他の国に行くときのそれよりは時間がかかるので,早めに空港を訪れるのが良い.

機内食も美味かったのだが,ジュースの飲み口の位置が完全に自分の常識の外にあった.

入国

入国の流れも他の国と変わりはしないのだが,入国の審査がこれまでの国よりは一段厳しいというか,しっかりしている感じがあった.自分が聞かれたのは以下.

  • 1人か?

  • 何日間滞在か?

  • 行くのは上海だけか?

  • ホテル取ったか? → 予約確認書見せて

まあ,聞かれた内容自体は普通なのだが,これまでのところ日本のパスポートを引っ提げて訪れた国は何も質問してくれず,むしろ物足りない思いをしたくらいだったので,この質問をされるということ自体が,ある種厳しさの現れと言える.

なお,このくらいの確認で済んだのは,いつもの日本のパスポートパワーの可能性があり,隣のレーンにいた欧米系の人や,前にいたインドかアラブ系っぽい人は,審査にかなり時間がかかっていた.

ここで1つTIPSがある.上記の通り,すんなり通れる人とそうでない人の差が激しい.入国審査はいくつかの島があるのだが,選べるのであれば「東アジア人が多く並んでいそう」な島を選ぶと良い.ただ,最後は空きそうなブースに案内されるので,最終的にはギャンブルになる.自分は上述の通り前の人のせいでとんでもない時間待たされた.

また,1点注意があり,入国審査前に入国カードを書く必要があるのだが,このカードは裏面にも記入欄がある.これを書き忘れると,突き返されて記入のために一度列を抜ける必要があるので,忘れずに書かねばならない.自分は書き忘れていたが,直前で気づきスタンディングスタイルで書いて何とか間に合った.

支払い事情

有名な話だがAlipay/WeChat Payでの支払いが当たり前.日本にいるうちにアプリをセットアップしておく必要がある.自分はAlipayしか使わなかったが,Wechat Payしか使えないところもあるらしいので,両方設定していくのが良い.

現金は念の為,空港のATMで140元(3000円弱)下ろしたが全く使わなかった.海外に行くときは現地通貨用の財布を別に持っていくが,中国に関して言えば要らないと思う.本当に「念の為」で使う機会がまずないので,日本円用の財布に一緒に突っ込んでカバンの奥底にでもしまっておけば良い.

インターネット事情

支払いがAlipay・Wechat Pay依存である以上,ネット回線が手に入らないとお話にならないということになる.

自分はいつもどおり,AiraloのeSIMを利用した.Airaloに限らないが,中国国外でSIMを手配すれば,普通にGoogleやLINE,Instagramを使える.現地SIMでは使えないようなので,入国前に手配しておくのが良い.なんやかんやGoogleが使えないと大変だしね.

今回は2泊3日で,2GBプランを契約していたのだが,結果から言うと最終日に1GB追加した.追加しなくてもギリギリ足りそうな雰囲気ではあったのだが,Alipay/WeChat Pay依存でネット回線が不通になると非常に不便になるため,安全側に倒して早めに追加チャージした.

ホテルにWi-Fiはあったのだが,ホテルのWi-Fiを使うには現地の電話番号?が必要っぽく,またそもそもホテルのWi-Fiは中国回線になるためGoogleは当然使えない.色々調べ物をするには不便なので,ホテルでもSIMの回線を使うことになる.よって,他の国に行くときより容量の消費が激しいことを念頭においてプランを選ぶのが良い.

Airaloに関して言えば,紹介コード「UPWYXZ9828」を使うと3$分のクレジットが付与される.と同時に私も3$付与されるので,お前にお得な思いをさせるのが気に食わねーという方はその辺のブロガーとかYoutuberが配っているコードを使うなり,上記のリンクを(これはアフィリエイトリンクでもなんでもない)使っていただくのが良い.

公共交通事情

空港から市街地を結ぶリニアモーターカー

メトロとリニアモーターカーしか使っていないが,支払いはAlipayで完結した.リニアモーターカーはチケットをAlipayで購入.メトロに関してはAlipayの「モビリティ」で表示できるQRコードを改札機にかざすことで入場できるので,チケットの購入が不要.

なおメトロもリニアモーターカーも改札の前にかならず荷物検査がある.ただし,空港の荷物検査ほど厳しくはなく,モバイルバッテリー等をカバンから出す必要はなかった.

必ず入れるべきアプリ

AlipayとWeChatは必ず入れる必要があるのは既に述べた通りだが,他に「高徳地図」というアプリを入れておくのが良い.「Google Map使えばなんとでもなるわ!」は中国においては通用しない.実際使ってみるとわかるのだが,Google Mapは中国国内においては全く信用ならない.そもそも検索して表示される場所が実際と全く異なるということがある.

したがって,この後ホテル事情についても述べるが,ホテルの所在地も,予約する前に高徳地図で調べておくことをオススメする.実際にあったことだが,OTA予約サイトで表示されているホテルの場所が実際と異なるということがある.

ホテル事情

清潔なホテル

「上海外灘沙美大樓ZHotel」に宿泊したのは冒頭述べた通りだが,このホテルはなかなか良かった.部屋は清潔,アメニティとしてスリッパも提供される(しかも2泊したら部屋のクリーニングでスリッパが追加されて累計4セットスリッパをもらったことになる).朝飯も美味かった.そして何より立地が良い.上海イチの賑わいを見せる南京東路から近く,外灘にも近い.

ただし,スタッフと英語で込み入ったコミュニケーションを取るのは難しい感じだった.ただ,それでもスタッフは親切で身振り手振りで何とかコミュニケーションはできたし,翻訳アプリを使って色々教えてくれたので困るシーンはなかった.

出国事情

帰路は中国国際航空.上海も拠点なので,かなり早め(5時間くらい前)に空港に行ったがチェックインすることができた.

出国の審査は特に何も聞かれることはなくすんなり通過することができた.

出国審査後の荷物検査は結構厳しく,モバイルバッテリーは必ずカバンから出す必要があるし,折りたたみ傘も出す必要がある.傘は引っ掛かりやすいのか,何故か傘だけ日本語で出すように言われた.

おわりに

上海では朱家角鎮に行きました

ということでビザ免除が再開された中国,入国審査やインターネット事情に若干クセはあるものの,さほど苦労することもなく楽しく旅行することができた.

今回は様子見がてら気軽に行けそうな上海を選んだが,実は中国の西の果て,カシュガルに行ってみたいと前から思っており,是非近い内にまた中国を再訪したいと思う.


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