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公式キャラクターの塩梅

2025年の大阪万博の公式キャラクターデザインが決まったらしい。ロゴに関しては、2020年8月にすでに決まっていて、そのロゴを踏襲したキャラクターになったようだが、はたして今回はどうだろうか。

ロゴが決まった当時、賛否両論が結構あったと記憶している。ロゴに関する感想を自分なりにまとめたのが以下であるが、どういうふうに使われるか?に視点を置いた論調である。

大阪万博のロゴが決定し、話題になっている。最終選考に残った5作品から選ばれた最優秀作品がロゴになった。では、他の4作品を見てみると、なるほど、(自分のような)凡人の感覚で見ればどれもデザイン性に優れている。明らかに最優秀のロゴだけ異質と感じられる。
インパクトがあるのは間違いない。しかし、世の中の評価は賛否両論だという。たしかにパッと見ではちょっと気持ち悪くも見えるし、所見で万人受けするかといえば微妙なのかもしれない。
しかし、観点を変えると他の作品にない秀でた点が浮かび上がる。それは「白黒にした時」だ。ロゴになれば色々な場所、メディアで取り扱われる。もちろんカラー表記されることが多いと思うが、仮に白黒で表記されてても一目で「あ、万博のロゴだ」となる。
同じ考え方は実験データのグラフ作成時にも適用される。特許出願時なんかは、まさにそうだ。特許検索においてグラフは白黒でしか表示されない。色付きのパッと見て綺麗なグラフを作っても全く意味がない。色彩ではなく、形による識別が必要となる。
何かデザインを考える時に、それがどういった場面で使われるのか?を予め想定することで、そのデザインに最も必要とされる要素が見えてくる。今回のロゴ決定は、作成者と審査員に目に映る、とある未来の場面が一致したのだろう。

自身のTwitterより、一部改訂

キャラクターといえば、比較されるのは東京オリンピックにおけるミライトワ&ソメイティと北京オリンピックにおけるビン・ドゥンドゥンの違いである。前者はそこまで話題にならず、後者は(グッズに長蛇の列ができるくらい)大変話題になったといわれている。もちろん、定量的な比較ではないので、本当にどうだったのかは正直よくわからないが、印象としてはそんな感じである。

識者によればビン・ドゥンドゥンの顔は目に特徴があるそうで、黒目が大きく光沢があるのは最近のディズニーキャラクターと通ずるらしい。

そうした視点でミライトワとソメイティを見ると、たしかにその路線とは異なる。それにすこし複雑なデザインなのかなと思う。見慣れないというか、印象に残りにくい風貌に見えてしまうのだ。Eテレなどでは毎日放送されていたので、子どもたちにはある程度人気があったように思うが、たまにしか見ない大人にとってはSNSで流行らないと、市民権を得ることは難しい世の中だ。そういった点で、多くの人の心を掴むというところまではいけなかったのかもしれない。

とはいえ、シンプルにしすぎてしまうと特徴を出すのは当然難しくなるし、そこらへんのさじ加減は本当に難しい。大阪万博のキャラクターもどこまで流行るのかわからないが、パッと見の気持ち悪さがどちらに転ぶかな…とは思う。

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Re:TOHMIN
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