全日本大学駅伝2022
強かった。駒澤の圧勝であった。2000年代前半、駒澤が強すぎて見るのが嫌になるほどだったが、今回の勝ち方もそれを思い出すかのような内容だった。
他校としては7区の田澤選手(4年)にトップで渡すことを避けたかったはずだ。しかし、3区でトップに立ってからというもの、じわじわと差を広げていき、田澤選手に襷が渡った時点でおよそ2分差。この時点で優勝は駒澤の手中にあった。解説の瀬古さんも言っていたが、田澤選手が失敗するシーンをほとんど想像できない。
それにしても7区の戦いはすごかった。留学生が持っていた区間記録を破り、7区も49分台の世界に入った。近藤選手(青山学院4年)ともども二人が従来の記録を破るとは思わなかった。それに加えて平林選手(国学院2年)も50分台で走ったことを特筆すべきだろう。
2位に入った国学院は1区の出遅れを2区以降の選手たちでカバーした。2年の山本選手は流れを変え、1年の青木選手は区間賞の活躍でチームを勢いづけた。若い選手が結果を出したところを見ると、国学院のチーム状態がいいんだろうなと伺える。
青山学院の3位は何となく不完全燃焼感が残る。2区が毎年うまくいっていない、いわば青学の鬼門となる区間だが、今年もそれにハマってしまった。白石選手(2年)が思うように走れなかった姿は、近藤選手の2年前とダブる。どうか、これに糧に大きな選手になってほしい。箱根では山区間もあるので、やり返してくるはずだが、今年は4年生の起用が目立つ点がとても気になる。学年のバランスが取れているのが理想だが、今年の青学は4年生に偏重している。
箱根までは残り2ヶ月を切った。2冠達成により、箱根も駒澤が軸で回ることに疑いはない。今日は出走できなかった選手たちの状態も気がかりだが、優位とはいえ絶対がないのがスポーツというもの。まずは各選手がどれだけの状態でスタートラインに立てるか。箱根への戦いはすでに始まっている。