センゴの戦い
昨日から陸上の日本選手権が行われている。世間の注目は男子100mだろう。なんせ9秒台が4人もいる時代である。5年前なら考えられなかった。優勝は多田選手だったが、インタビューでの涙がここに来るまでの道のりの険しさを物語っていた。
個人的な注目は1,500mだった。男女ともに見どころのあるレースだった。先に行われたのは女子のレースである。田中希実選手が優勝するのは、ほぼ間違いないと思ったし、実際その通りになった。しかし、本人は参加標準を切れずに優勝インタビューでも納得いかない表情を浮かべていた。それでもランキング制度により、東京五輪への道は残されている。卜部蘭選手の2着が印象的であった。序盤は田中選手に大きく離されていたが、ラスト1周、しかもラスト200mでその差をかなり詰めた。先行逃げ切りかラストスパートか。それぞれの得意なパターンのレースで、持ち味が出せていたように見えた。
男子のほうは、先日に日本記録を出した荒井七海選手を各選手がマークしていたように映った。レース前半は洛南高校の佐藤圭汰選手が積極的な走りで先頭に立ち集団を引っ張る。途中で館澤選手に先頭が変わったが、ラスト1周で目まぐるしく順位が入れ替わる。荒井選手はラスト200mくらいでトップに立ったが後続は独走を許さず、勝負は最後の直線までもつれる。結局、勝負を制したのは河村一輝選手だった。途中まで完全に陰に隠れていて、最後の最後だけ出てきた。まさに勝負に徹した戦いだった。グランプリを4戦3勝していた実力は本物だった。
日本選手権は土日と続くが、明日の3000m障害で三浦龍司選手が、どんな走りを見せるのか、とても楽しみである。
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