僕の大事なコレクション 写真あり

過去は過去
過ぎ去ったものへのこだわりはできるだけなくそうとしてきた。
だからほとんどコレクションというものはない。
あたかもそれが自由でいることの秘訣であるように。
でも、それこそがくだらないこだわりであることを教えてくれる映画
それを説教じみた描き方にしないところが洒落ている。
話としては自分のルーツを探るロードムービーでアメリカの青年が祖父の故郷ウクライナに渡り祖父が経験した辛い過去を知る物語
ウクライナの穀倉地帯やひまわり畑の美しさ
堅物のアメリカ青年と案内人のアメリカかぶれのウクライナ青年のコントラストやサミーデイビスジュニアジュニアなんて面白い名前の犬なんかが出てきて
重いテーマを軽妙に描く。
流れている日常の中にはくだらない冗談や気の利いたユーモアがあり、それはこの平和な時代も明日の命さえ危うい戦争中だって同じと考えれば、この散りばめ感によりかえって心に深く沁みる。
人生のリアルをこういう手法で描く映画が好きだ。
当たり前だが
今の自分が完全に過去から自由であると思うことこそ幻想。
常に過去からの光に照らされて今があり、これからの未来にも差し込む。
これに別に逆らう必要もないし、自然に振り返り懐かしむことを恥じる必要もないことを思い出させてくれた映画だった。

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