「書店員は見た! 本屋さんで起こる小さなドラマ」(森田めぐみ/著)
小説ではありません。タイトル通り、本屋さんで働いている店員さんが体験した出来事を綴った本です。
1編が2~3ページでごく短いので、すいっと読めます。
まず冒頭の1本目。
「ちょっと店員さん!『名を名乗れ』って本を探してるんだけど」と声を掛けてきたのは70代後半くらいの男性のお客さん。タイトルで検索してもヒットしないし、いろいろ話を聞いてピンときた、「君の名は。」だ!というエピソード。
…いや、意味合いは合ってるけど、マジかい(笑)
それがけっこう日常茶飯事で、タイトルも作者もわからないって問い合わせが多いんだって。
図書館ではリファレンス担当の人がいて、わからなかったら調べてくれたりするけど、本屋さんでもそんなんですねー。大変。
そんな感じで全部で58本のエピソードが収録されていますが、書店員さんって、そんなにいろんな出会い(小さな事件との)があるの!?ってのと、そんなにお客さんとおしゃべりしたりするの!?ってのが意外でした。
私にも行きつけの本屋さんがありますが、店員さんと無駄話ってしたことないけどな? 私が愛想なしだからか? …筆者の森田氏は自称「おしゃべり店員」で、仕事外でもしょっちゅう道をきかれるし、知らない人からも話しかけられるそうです。人徳ですかね?
さておき、お客さんが何を求めているのかを聞き出し、的確にお勧めする、そのスキルはすごいと思いました。小説や漫画、実用書、エッセイ、絵本、etc.…これ全部読んでて中身も記憶してるんだったら、マジですごい。
私も本は好きだけど…大好きだけど、読書傾向はかなり偏ってるし、読む傍から忘れちゃうからな~。
各話の最後に、本文中でお勧めしていた本が書影とデータ付きで紹介されているんですが、全部読んでみたくなって困りました(笑) 図書館の予約枠、もう一杯なんだよ。