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契約不適合責任と瑕疵担保責任の違い
最近久々に、法務的な作業をやっている。
(本業はシステムのエンジニアリングマネージャーなので、法務部門や法律の専門家ではないです)
受託開発の契約/法務の資料を見ていて、そういえば「瑕疵担保責任」が無くなって別のものになったという情報は見聞きしていたのですが、ちゃんと把握してなかったので、調べてみました。
最初に見た記事は、こちら → 覚えておきたい業務委託契約審査の落とし穴 - Business & Law(ビジネスアンドロー)
裁判例①では、裁判所は「客観的に正しい計算を行うという仕事の完成を目的としたものではなく、あくまでも提供されたデータを利用して必要な数理計算をすればよい」として、契約の法的性質を「準委任」だと判断しました。
瑕疵担保責任の時代の判例でしたが、こちら自分には違和感がありました。そもそも契約書に「請負契約」なのか「準委任契約」なのか明記してあるのが普通だと思うが、昔はなかったんですかね。
契約不適合責任に関する民法・商法の規定は任意規定なので、原則として、契約当事者間で自由に決めることができます。
これは非常にありがたい追加情報ですね。瑕疵担保責任の時代でも、瑕疵担保の責任は「引渡しから1年以内」という民法の原則部分も、基本契約で「引渡しから6ヶ月以内」や「引渡しから3ヶ月以内」と相手先によって変更していました。
「目的物の不適合を知った時から1年以内」を「引き渡しから」に変更できると契約不適合責任の期間の見積が行いやすくなります。
なんで「見積」?と疑問に感じる方もいらっしゃると思いますが、私は請負契約の場合、もちろん「品質確保」の工数を積み上げることに加え、「瑕疵担保期間の対応工数」もバッファとして積み上げていました。これは期間が限定されることで見積やすくなります。
ここさえ「瑕疵担保責任」時代から変更できていれば、概ね対応できそうですね。
今回の「瑕疵担保責任」が「契約不適合責任」に変わったポイントを把握しました。
「契約不適合責任」とは直接関係ないですが、以前の受託開発系の契約や法務では「損害賠償責任」が無制限になるような契約にしない。ということや、著作権の譲渡はしない。ということも意識しておりました。これはまた機会があれば書きたいなと思います。
まとめ
システム開発で請負契約を結ぶ場合、基本契約書や個別契約書では、「契約不適合責任」のトリガー(引き渡し)と期間(1年未満)を定めるのが吉。