コロナ危機をチャンスに、中高年サラリーマンの活路を見出す「働き方」戦略(その2)
▽始まった赤字リストラ
雇用環境の変化にも触れておきます。
2020年2月29日に配信した47NEWS記事「『働かないオジサン』を襲うさらなる悲劇」の中で、昨年顕著となった事業構造改革を目的とした「黒字リストラ」に言及しました。
ところが、コロナ後は、急激な業績悪化に伴い、文字通り「赤字リストラ」が始まりつつあります。
プロセスは以下の通りです。
①業務に直接リンクした稼働要員(居酒屋アルバイト、小売店パート社員等)の休業、雇い止め
②業績先行き不明企業の派遣・契約社員の雇い止め
※派遣社員は、3カ月、契約社員は6カ月契約が多く、2020年3月末の契約更新はそのまま契約更新という事例が多かったですが、次回以降は業績悪化により雇い止めとなる可能性が高いです。
③業績先行き不明企業の中途採用の停止
※現有雇用維持に注力するため、中途採用の入り口が閉まります。2019年度末に「黒字リストラ」で早期退職に応募した方々は、その意味でタイミングが悪かったと言わざるを得ません。
④コロナ前から体力の落ちていた会社の工場縮小・閉鎖など正社員を含んだ赤字リストラ
※レナウン(300人規模の希望退職を募集)、レオパレス(1000人規模の希望退職を募集)などがその事例です。
⑤事業構造改革(デジタル化による生産性向上等)を目的とした人事制度・労働条件見直し、中高年対象の早期・希望退職の募集
※傷が浅かった優良企業でも、今回の在宅勤務で「給与×働きぶり」のアンマッチ状態が顕在化し、その解消を目的とした処遇見直しの動きが予想されます。
東京商工リサーチの調査では、2020年1〜5月に上場企業33社が早期・希望退職を募集しています。この数字は前年同期の2倍で、今後赤字や減収減益を理由にさらに加速することが予想されています。
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