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ようこそ五穀豊穣の祝祭へ
コラムニスト
Ms. Dancingdoll
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伊東に住まいを移して初めての秋、道路を封鎖して暗闇から五色の華やかな装束を身につけた田楽法師達が地面から湧き上がるような太鼓の音と夜空に吸い込まれていく笛の音に誘われるように現れ、踊り狂いまたいつの間にか闇に消えていく大田楽を観た時の衝撃。日本人としてのDNAを鷲掴みにされ、翌年には迷わず田楽法師となった私。
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故狂言師野村万之丞が、中世大流行しながらいつの間にか消滅してしまった芸能"田楽"を学術的研究と舞踊家の振り付けの協働作業によって誕生させた大田楽。
1996年山代温泉で産声をあげ、伊東でも開催されるように。
今や六本木、池袋、高崎とその輪は広がりつつある。
天皇陛下即位のお祝いの国民の祭典でも披露され、最後の舞台上鮮やかな衣装で華を添えたのは記憶に新しい。
26回目の伊東大田楽が観光会館で開催された。今年は静岡県が東アジア文化都市に指定され、京劇、韓国の舞踊、獅子舞など多彩な演目が加わった。コロナ禍で練習も公演もままならなかったここ数年、今年は全ての制約が解除され、演者達の踊れる喜びがほとばしるように弾け、会場は熱気に包まれた。来年もまたその先もこの景色を見続けていきたい。
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