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IZU is creating Truth, Goodness, and Beauty. 次世代の幸の恵みを未来創造から考える Vol.2 

新春に祈りを込めて 〜 ともにある 天・地・人を想うこと  ー 2024.1.6.

フォト&ビデオコラム 薄羽美江(Usuba Yoshie)

「ラウダート・シ、ミ・ニョーレ」-「私の主よ、あなたはたたえられますように」。この美しい賛歌のことばによって、アッシジの聖フランシスコは私たちに思い起こさせます。

わたしたち皆がともに暮らす家は、わたしたちの生を分かち合う姉妹のような存在であり、わたしたちをその懐に抱こうと腕を広げる美しい母のような存在であるということを。

「わたしの主よ、あなたはたたえられますように、わたしたちの姉妹である母なる大地のために。大地は、わたしたちを養い、治め、さまざまの実と色とりどりの草花を生み出します」。

「回勅 ラウダート・シ ともに暮らす家を大切に -  教皇フランシスコ」


2024年、1月1日。
本年のよりよい未来を思い願い、note Magazineを綴らせていただきます。

新年朔日の夕刻から思いもかけず大地を揺るがしている能登半島から広がる
被災された方々に心からのお悔やみとお見舞い申し上げます。皆さまの安全・安心・安寧が一日も早く守られてありますよう、心よりお祈り申し上げます。

共助・互助・公助の大切さと尊さを日々伝わりくるニュースを通じて学び、日々の備えの重要性を心致しこの地球の大地に共にありつながりあう私達皆の「次世代の幸の恵みを未来創造から考える」。

本年の無事とご多幸とご健勝を日々祈念し、ここ伊豆半島・伊東から発信を重ねてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。


私の家からのぞむ伊豆高原の元旦の初日の出の旭光は海上に浮かぶ大島からのぼり来ります。

伊豆半島の東側北部に位置する伊東市はユネスコ伊豆半島世界ジオパークの東部火山群をなしており相模灘に接するこの大地に生き生きと毎朝、朝日のエネルギーが照射されるのです!

本年も元日の光はしんと澄み渡る空気中に穏やかにゆったりとそして、とてもパワフルに全てを満たしていきました。

全身にそのあたたかな光を享受して、ふと振り返ると、


西の空には、月が。青く明るく染まりゆく空に初日の出と向かい合わせに東西に日と月が向かい合い。そして、その中間の南の空には一点、明けの明星、金星が輝いています。


日と月が向かい合う「明」るく輝く星はひときわ美しく。

昨年の綺羅星、世界中をわっと歓喜と感動で沸かせた大谷翔平くんのように今年はどのような才能を発揮する次世代のスターに出会えるでしょう?本年のあらゆる取り組みに、まさに光明を得られますようにと願いを込めて
庭先に目を向けると


新春の喜びをさえずりながら、来る春を花芽に含んでいる桜の枝に
羽を広げる瑞鳥のおとづれ!


小さなお正月飾りにも、元旦の朝日が穏やかに届き優しく輝きを放つ新春の慶。


昼間には日の光は大地にもあまねく注がれて草木を愛で、畑の種々ものびのびと喜びを分かち合い


大地を満たしていく朝日の中にみずみずしくすくすくと成長する、ゆたかな実りが目の前にあふれていきます。


ルッコラやほうれん草、ネギや水菜、レタス、ラディッシュ達があおあおと光を浴びて庭の畑から食卓へ〜我が家のFarm to Table!


人生数ある夢の中の一つが叶いました。

そう、7年前に縁あってこの家に出会い、まさに夢中で大地を耕してきたのだったとようやく土壌が巡りはじめたと家人とニコニコ語りあい畑からの自然の恵みを感謝を込めて、日々の「いただきます!」


新春の豊穣に感謝を捧げ地元の御守護の神様、八幡宮来宮神社に献上酒を携えて弊社取締役 LISA VOGTとともに初詣へ。


参道途中には15mもの樹高の伊東市指定の天然記念物「高見のシイの木」が悠々と枝葉を広げます。

稀に見る巨樹で伊東市内の環境の良さを物語る存在としてもまた、歴史的にも源頼朝が伊東に居た平安時代待つには現存していたと伝わるほど長い歴史を持つ最も古い樹木の一つとされます。

ブナノキ科の常緑樹であるスダジイの木で5〜6月には殻状の(殻斗かくと)に包まれた実を結ぶもので、食用にも利用されます。幹の材は、建築、薪炭、器具用に使われ、国内では太平洋側は福島県、日本海側は新潟県以南に生息が広がりますが伊豆半島をはじめ温暖な地域中心に多生しています。


八幡宮来宮神社は、伊豆高原の住所が「八幡野」とされるこの土地の名前の由来ともなる神社です。

八幡宮と来宮の二つの神社の合祀で、その御神威は郷党衆庶の尊崇篤く
東伊豆稲取から九つの村の総鎮守としてその歴史は、1200年をゆうに超える悠久の時を重ねているといわれます。



二つの神社のうちの一つは八幡宮は誉田別命(ほむたわけのみこと)さま、
すなわち第15代天皇応神天皇をお祀りしています。

武運を導かれ、記紀によれば、応神天皇は渡来した人々を用いて大陸文化を我が国に輸入して日本文化興隆をはかられ古代にあって国家を発展せられたと伝えられています。


この八幡野が伊豆高原別荘地として1960年のはじめに海外住宅の視察を通じて東急の後藤慶太総帥の伊豆急行敷設とともに地域開拓されたのも
外来文化により新たな文化を生み出してきたご縁を導かれたのでしょうか。

また、応神天皇の御母、神功皇后は天皇の御幼少の時に常におそばに置かれて育まれたとのことから、文化の母、母子神としての御信仰もあります。この地で次世代の優れた文化の種が育まれていく土壌としてもご縁を授かりたいものです。


一方、来宮神社は伊波久良和命(いわくらわけのみこと)の神さまが祀られます。古来、延喜式神名帳に所載された歴史ある神社で、地主の神様となられます。実はこちらの神様はめっぽうお酒がお好きでいらっしゃる。

大昔、八幡野港の金剛津根というところに酒の瓶に乗って漂着されその向かい海岸先の洞窟(堂の穴)にお祀りされていたところ「お酒はあるかー」と沖を通る船をいちいち止めては献上させるので困った船人達が「そうだ海の見えないところへお遷り願おう」と上の方の八幡野の岡(そのような住所があります)の元屋敷というところにお祀りしたところ、そこはまだすこーし海が見えていたところからいよいよ再度お遷ししなくてはならず、以後は「お酒を持ってこーい」ということがなくなったという昔話が今も伝えられています。


こちらは社務所の中にお祀りのご用意がなされた昨年9月のお祭りのご様子。

日々の安全と豊穣と幸福をお祈りしてコロナ禍中に中止を重ねていたご祭礼がようやく再開されたのでした。


八幡宮来宮神社二柱の神様に二つの御神輿。

霊験あらたかなにご神氣溢れるご様子は、写真にも、その光が横溢です。

天から来臨され地に光を授けられ人を輝やかせてくださる道理を思い

日本の先人は「至誠天日を貫く」と語り、心に思いを致してきたのだったと日の光の本に「日本」という国の命名があることを思い致します。


御神輿に本殿から神々に遷御いただく際にここ八幡宮来宮神社様では古来からのしきたりが今も残ります。

昨年は地域の子どもたちと土地の文化歴史をともに学ぶ機会としてそのご様子を霊験豊かに共有することができたのでした。


宮司様が神様を御懐にお遷しなさり御神輿へ進むご様子を息を潜めて見護る子どもたちの前に繰り広げられた目には見えないけれど、確かにそこに御坐す大いなる何か-Somethingを感じるひととき。

心と遺伝子の研究を通じて私たちにSomething Great(サムシング・グレート)という生命のメッセージを遺してくださった分子生物学者村上和雄先生の言葉が思い出されます。

「遺伝子が目覚めれば人生が変わる」
「人は皆、自分の金メダルが取れる」

こうした大自然の中に身を置いて、不思議な非日常の営みに触れることの恩寵が次世代の子どもたちが未来を輝かせていくことに繋がるような思いも致します。

https://vimeo.com/901889998/d4b6aada52?share=copy

子どもたちは境内1000年の歴史を見守ってきた大杉のもとで
先人の祈りの様式を最前列で確かに目撃しその様子を耳目を通じて全身で掴み、畏怖の念を体験することとなりました。



神様がお遷りになられた御神輿はその後、御本殿から社務所の前へ。御神威の光が一層溢れるかのようです。不思議なことに、その担ぎ手にまで光は宿り


チームワークも万全です。


次世代、子どもたちもこのように土地の文化を継承してくれるでしょうか?


地域の力を持続可能にするための体験の記憶。

地域の祭祀はこうして土地の文化遺伝子を確かに脈々と伝えていくのだと学びます。



その脇で社叢の大樹に聴診器をあてて耳を澄ませている子どもたち。

大地からのエネルギーを脈々と汲み上げる樹木から何を聴くことができたでしょうか?

「樹液の流れる音が聞こえる」という話は科学的には正しくないと言われますが聴診器を木肌にあてると確かにサーっという音が聞こえてきます。
外部の葉が風に揺られて擦れる音や、風の音、虫の音、自然界の音が飛び込んできます。

普段は意識できない高周波も含んでいる森の中に身を置くことで触れることができるハイパーソニック・サウンド。

環境省の国立公園探索のHPではこうした音が私たちの「脳」にとても良い影響がありWell-being〜やすらぎや健やかさをもたらしてくれるという
とても魅力的な紹介がなされています。

子供たちは、八幡宮来宮神社さまの横溢な自然に恵まれた境内でSomething Greatに触れることができたでしょうか?

今年の夏も恙無く、無事に安全に、この境内で再び子どもたちと過ごす2024年の恵みを思い御神前でお祈り申し上げました。


光とともに。

本年のあらゆる無事の御守護のもとにひらく山の幸・海の幸・大地の幸・生きる日々の幸にどうか豊かな実りがもたらされますように。

https://vimeo.com/901890032/f0bb787da3?share=copy

山から海へ。

神様をお乗せした御神輿がお通りになる道は下田街道と呼ばれる、昔、伊豆半島南の下田に黒船来航した江戸時代末期にその報せを聞いた吉田松陰が江戸から直走り向かったという道。

下田街道は、伊豆半島の中心を縦断する三島と下田を湯ヶ島を経由する天城路と熱海から下田まで伊豆高原を経由して伊豆半島東海岸をつなぐ東浦路(ひがしうらじ)とがあります。

吉田松陰は、下田の外来文化の到来に心がはやり、熱海から下田まで100kmをわずか一日半で急ぎ踏破したというのはよく語られる逸話です。


吉田松陰は松下村塾で多くのその後の時代の傑出した人物を輩出しました。

「道の精なると精ならざると、業の成るとと成らざるとは、志の立つと立たざるとに在るのみ。故に士たる者は其の志を立てざるべからず。」

どのようなことをするにも、その業績を成すのは、自分がしっかりとした志、どのような人間になりたいかという目標を持つか持たないかにあるのだから役割を果たそうとするものは志を立てることが大切であることを後世に伝えています。また、天から授かった才能を持って生まれた人は多いが、その才能を磨き、自らのものとすることは難しいと、先天的な才力を引き出す教育を吉田松陰は示されています。

この道を、そのような思いも重ねて見つめる神輿行列は江戸時代の礼服、裃(かみしも)を着衣した役員の方々が「下にー 下に」と先導されそのに、口に紙を噛んで清浄を守るしきたりを今もそのままに執り行われていきます。


御神輿は一晩、八幡野港そばのおかりばにお休みになり翌日、また、海から山へ戻られます。

そこに祭祀の賑やかな万度(まんど)という丸太に飾りがくるくると踊り舞いごまがら屋台にしゃぎりの笛太鼓が鳴り響く行列が続きます。

日頃は車が行き交う国道135号線の交差点がお祭りの大舞台ともなって繰り広げられる賑わい。

https://vimeo.com/902047851/0ed600b86c?share=copy

継承は大人から子どもへの口伝。

コロナで3年間止まっていたお祭りはその音曲を覚える機会も喪失していたところ昨年のお祭りが再開できることとなりある夜から地域のコミュニティセンターで地域の大人の方達の指導のもとに夜な夜な稽古に励んだ子どもしゃぎりの英雄たちはなんと2ヶ月間でその奏でを覚えて見事なご披露です!

また、屋台に編まれているごまがらの「ごま」には「護摩」の守護と「胡麻」の多産の豊穣祈願が込められているのです。



どうか、本年の青い空に心弾む日々が守られますように。次世代の力が星が輝くごとくカラフルな活躍を増す一年でありますように。それは、天空を飛翔する本年辰年の龍がごとくに。


こちらの龍のお姿は、昨年末に賜った加賀金沢の森八家伝黒羊羹「玄」のシンボル。

その地に伏流する天下の名水により自然に醸し出されるという伝統の技は三八〇余年の歴史を未来へ語り継ごうとされていると伺いました。

敬服を込めて、そのシンボルに能登半島地震の鎮静を祈りを込めて。その大地にどうか一日も早く、安心・安全・安寧がもたらされますように。


洋の東西を問わずに大地からの恵みを共にわかちあう真の祈りを共にして天・地・人。

この大地に生まれたことへの感謝と学びを回勅『ラウダート・シ』に重ね新春。

https://www.vatican.va/content/dam/francesco/pdf/encyclicals/documents/papa-francesco_20150524_enciclica-laudato-si_ja.pdf

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