夏イチゴ栽培技術への挑戦は、公開文献の試験データを読み解くところから開始
伊東・伊豆高原等の温暖地域が夏イチゴの栽培に適しているかは未知数
夏イチゴの試験栽培の計画は、2022年夏に伊那市の夏イチゴ農園(信大BS-85品種を栽培)への訪問・見学後に始まりました。2023年3-4月定植苗については、軽井沢在住で「晴耕雨読」ライフ主宰者の新井氏と共同で数百株を購入。伊豆高原、軽井沢の気候の異なる2拠点での比較栽培を行うことにしました。
夏イチゴは、北海道、東北、長野等の高冷地での栽培に適しており、様々な試験栽培データが発表されています。しかし、静岡県は、国内有数のいちご産地ですが、「紅ほっぺ」「章姫」等の冬春いちごの栽培指導が主流で、夏イチゴについては、参照すべき栽培試験データはほぼ無く、ITO・伊豆高原がどの程度、イチゴ栽培の適地かについては未知数でした。
公開文献、試験栽培データを読み解くところから栽培管理方法を探索
いちご栽培に関しては、農業試験センター、大学等は、新しい品種が開発された時に、試験栽培データを公開し、栽培管理の方法を読み解くことを推奨しています。夏イチゴ試験栽培2023のプロジェクトに関しては、信大 BS8-9ʼの品種特性と栽培指針栽培ガイド(信州大学農学部 蔬菜花卉園芸学研究室2013 年 3 月)、および、夏イチゴ品種ではありませんがイチゴ栽培全般の経験値を参考とするために、静岡県農林技術研究所の「紅ほっぺ」の特性と栽培技術 ~ 試験データから読みとる栽培管理~(2005 年 5 月改訂版)を参照することとしまいした。
先進テクノロジーを活用して、栽培管理課題の解決を図ろうとした
本試験栽培では、微生物、バイオスティムラント資材活用による有機栽培アプローチ、栽培環境制御、精密農業、等の先進技術を積極的に試すこととしました。その狙いは、ITO・伊豆高原のリゾート移住で、菜園、副業就農(半農半X)に挑戦する方に、夏イチゴの栽培方法を可視化するためです。
リゾート地の地域特性に合ったな栽培環境での試験栽培に挑戦
伊東・伊豆高原のリゾート移住者・副業型農業志向者に対応するために、小型ビニールハウス(高設ベット栽培)、屋外プランター栽培の2つの栽培環境で栽培技術作りを目指しました。 施設園芸型(副業生産者向き)、屋外プランター栽培型(家庭菜園向き)の双方の栽培環境で、生育観察、収量の試験栽培データを収集をすることとしました。