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グローバルブランドのブランドガイドラインを研究してみた


1|Abstract

こんにちは、クリエイティブディレクター / デザイナーの本居です。

今回は、10年ほどブランド運用(ブランディング)およびクリエイティブのキャリアを積んだ中で特に秀逸だと思った5つのブランドのブランドガイドラインを参照しながら、どこが優れているのかを私なりに分析して参ります。

ブランドガイドラインは、世界的な企業からベンチャー企業まで、今や当たり前のように運用されており、日本でもその需要が高まってきています。
今回の記事が、ブランドガイドラインについて理解を深めるためにお役に立てば幸いです。

(そもそもブランドガイドラインとは?メリットとは?という方はこちらをご参照ください.. ! )


2|参照するブランド

今回は、以下5つのブランドのブランドガイドラインを参照させていただきます。
オンラインで公開されているものを中心にピックアップさせていただきましたので、みなさんも是非アクセスしてみてください.. !

  1. IBM|Design Language|https://www.ibm.com/design/language/

  2. audi|Redefining Progress|https://www.audi.com/ci/en/renewed-brand.html

  3. Starbucks|Creative Expression|https://creative.starbucks.com/

  4. Hulu|https://www.hulu.com/this-is-hulu#our-brand

  5. Google|https://design.google/library/evolving-google-identity/


3-1|IBM|Design Language

https://www.ibm.com/design/language/
  • Name|IBM Design Language

  • 構成|Brand’s Architectures/Visual Architectures/Resources/What’s New/Links of the other pages

  • 言語|英語

  • ブランドムービー|有

  • ギャラリー|有

  • ハイライト|有

  • 問い合わせ窓口|有

  • ユニークポイント

    • ブランドガイドラインの考え方がシンプル、ショート、シャープに提示されている(Link

    • ギャラリーのサンプルが豊富で、打ち合わせ不要で「IBMのアウトプットのトーンアンドマナーはどんなものか」の目線合わせができる(Link

    • アウトプットのベースとして、独自に『2x Grid』を設けている(Link

    • このブランドガイドラインもこのグリッドに沿わせる形で制定されており、非常に理解しやすい構造となっている。

    • 問い合わせ窓口を設けており、現場の声に瞬時に対応できる仕組みが整っている。非常に紳士的。(Link


3-2|audi

https://www.audi.com/ci/en/renewed-brand.html
  • Name|audi|Redefining Progress

  • 構成|Fundamentals, Guides

  • 言語|英語、ドイツ語

  • ブランドムービー|有

  • ギャラリー|有

  • ハイライト|有

  • 問い合わせ窓口|有

  • ユニークポイント

    • フォントを独自に定義

    • 音楽素材も制作/配布(Link

    • アニメーションカーブが定義されている(Link

    • UXの範例が定義されており、展開の軸足が固まっている(Link


3-3|Starbucks|Creative Expression

https://creative.starbucks.com/
  • Name|Starbucks Creative Expression

  • 構成|Theory / Case Studies / Core Element

  • 言語|英語

  • ブランドムービー|無

  • ギャラリー|有

  • ハイライト|有

  • 問い合わせ窓口|無

  • ユニークポイント

    • ブランド表現の根幹をチャネル別に『Theory』として定義(Link

    • 各販売チャネルの制作事例をブランドガイドライン上に掲出(Link

    • イラストレーションの表現に幅を持たせる事で、ひとつのブランドの中に多様な世界観を作れるように調整されている(Link


3-4|hulu

https://www.hulu.com/this-is-hulu#our-brand
  • Name|hulu『Brand Guidelines』BIG GREEN GUIDE

  • 構成|Brand Assets (Logo, Color, Typography, etc), The Vesel (a visual metaphor), CTA, Grid, Toolkits

  • 言語|英語

  • ブランドムービー|無

  • ギャラリー|無

  • ハイライト|無

  • 問い合わせ窓口|無

  • ユニークポイント

    • 『緑』の表現に特徴を持たせており、ブランドガイドラインとは別に、緑を印刷するための『Printing Guideline』を別途制定している。(Link

    • ブランド独自のビジュアルメタファを設定しており、ブランドらしい表現をする一助となっている。(Link

    • 一方で、あくまでもただのフレームである、と位置付ける事で、クリエイティビティの発揮しどころも担保されており、非常に良い距離感に仕上がっているところが大変魅力的


3-5|Google

https://design.google/library/evolving-google-identity/
  • Name|Evolving the Google Identity

  • 構成|Definition/Designed together/The Elements/Understanding the system/Implementation/Beyond design

  • 言語|英語

  • ブランドムービー|有

  • ギャラリー|無

  • ハイライト|無

  • 問い合わせ窓口|無

  • ユニークポイント

    • とにかくムービーの数が豊富(Link

      • 直感的に理解できるように工夫が凝らされている

      • それぞれのムービーの完成度も非常に高い

    • Contributorsが掲出されており、透明性が高い

    • クリエイターに向けたメッセージがモチベートされる内容となっており、5つのガイドラインの中で最も読後感が良かった


まとめ

ここまで、オンラインで公開されている素晴らしいブランドガイドラインを5つほど紹介して参りました。
以下はあくまで個人的な解釈ですが、優れたガイドラインには以下のような特徴があると考えられます。

そのブランドもしくはブランドガイドラインの根幹にある考え方は何かが初めに明示されている事
ギャラリーが設置されており、一眼でブランドのトーン&マナーが推察できる構造となっている事
そのブランドらしさを表現するにあたり、どの部分を大切にしているのかが明示されている
グリッドが制定されており、アウトプットの速度を早める事に寄与している
直感的に理解できるよう、ムービーや図解が豊富に用意されている

☕️おわりに

いかがでしたか?
本当にブランドガイドラインは奥が深いですね.. !
ブランド運用に関する記事をこれからも少しずつアップできればと考えておりますので、リクエストやブランドガイドライン制作に関するご質問などがございましたらこちらからお気軽にご連絡ください☕️


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