金沢の街と、山と、空【蓮ノ空舞台巡礼】
※この記事はラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブのnote投稿募集企画 の参加記事になります。
蓮ノ空の聖地巡礼をしてきて、蓮ノ空への信仰を深めてきた話です。
1. 金沢駅 鼓門
金沢を訪れる人たちが街に降りたった時、ほとんどの人が最初に目にするのがこの鼓門でしょう。その意味で鼓門は金沢を象徴する建物といえると思います。実際、金沢滞在中に何度か金沢駅に足を運びましたが、天候が良くても悪くても、鼓門の写真を撮る人影が見えなくなることはありませんでした。
こちらは7月度Fes×LIVEのステージとして使用されていましたね。ライブのMCの中で「七夕のイベントに呼ばれて参加している」とあるように、このイベントは蓮ノ空女学院の外部の人が主催したものだと思われます。そして金沢の玄関口である鼓門で開かれているのですから、地元の人だけではなく旅行者など金沢以外から来ている人にも見られるはずです。
そんな「外部向け」のイベントに呼ばれてライブパフォーマンスをするということは、いわば「金沢の代表」として蓮ノ空女学院ならびにスクールアイドルクラブが支持されている、という作中世界での彼女たちの立ち位置を表していると考えられます。
一方、現実世界で実際に金沢を訪れると、キャストが訪れたお店やスポットで「聖地」として宣伝されているさまがたくさん見られました。キャストの写真があったり、カードのイラストが飾ってあったり。そのような場所やものを見るたびに、「ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ」が徐々に知名度を上げて「金沢の代表作品」として受け入れられているように感じられました。ちょっと思い上がりが激しいかもしれないけど。
とにかく、この「金沢の人が知っている、推している」という共通項によって、作中世界と現実世界のリンクがより強く感じられました。
現実と同じ「時間」で進んでいく蓮ノ空女学院のアイドルたちが、舞台である金沢という「空間」にも存在しているような錯覚を受けたのです。
2. 近江町市場
夕霧綴理推しである私にとっての一番の聖地は近江町市場です。
約2年前に大賀美沙知に連れられてやってきた市場、お手伝いをしながら徐々に打ち解けていった市場、先輩にされたように自分も後輩の村野さやかを連れてきた市場、たくさんの人と出会い、気づけば綴理の大切な居場所になっていた市場。
今回の聖地巡礼での大きな目的の一つが、この近江町市場で彼女が何を感じていたのかを知ることでした。
訪れたことがある人はわかると思いますが、近江町市場は平日でも休日でも、朝でも昼でも夕方でも、常に賑わっています。人がいすぎて全然市場の風景が撮れなかったほどです。
お客さんを呼び込む魚屋さんの声、何を食べようか相談する観光客の声、知り合いとたまたま会って声をかける地元の人の声、色々な人が色々なことを話していました。
数だけで言えば東京のほうが人はたくさんいるのですが、東京と違って「人」しかいないんですよね。電車も車も、ビルも信号も、テレビも広告もない、それなのに、ずっと音が、いえ、「声」がする。すごく不思議な感覚でした。
綴理はお手伝いをする訳ではなくただお店に立っていただけですが、その賑わい(と彼女に会いに来る人達)の中で「ボクはボクで居て良いんだって思えた」と話しています。
彼女の言葉を借りて私が感じたことを話せば、市場の喧騒の中にいるときは「誰かの代わりではなく自分としてここにいる」と思いました。お店の人からは「客である自分」として、隣を歩く友人からは「友人である自分」として、(私は住民ではないけれど、同じ街の知り合いと会えば「どこどこに住んでる○○さん」として)求められて、私がそこに存在していたような気がします。
「夕霧綴理のままではスクールアイドルにはなれない」という気持ちを抱えていた彼女にとって、「ボクがボクで居られる」から輝けるという実感を得られたことがどれだけ希望になったのでしょうか。
市場のアーケードには「近江町市場は金沢市民の台所」という垂れ幕が下がっていました。ただ食材が揃って便利なだけなら、わざわざ台所とは言いません。市民みんなが自分の家のように安心して「自分」で居られる、そういう暖かさもこめてそう呼ばれているのでしょう。季節外れの寒気による大荒れの天候で、急に強まった雨を避けるように雨宿りをしながら、そんなことを思いました。
3. 卯辰山公園 見晴らし台
ラブライブ!本戦で敗れた彼女たちは、金沢に帰ってきて、それぞれの1日を過ごします。敗北と向き合い、スクールアイドルと向き合い、ユニットの相手と向き合い、自分と向き合い。そして6人で、この見晴らし台で来年のラブライブ!優勝を誓います。
来年への誓いを新たにしたこの場所に103期のうちに来ることに、聖地巡礼としてはとても大きな意味があると思っていました。来年(104期)のことはどうなるかわからないけど、103期スクールアイドルクラブ6人の夢は、今この場所にしかないから。蓮ノ空というコンテンツとスクールアイドルたちをこの先も応援していくため、彼女たちの夢の行方を見届ける覚悟を持って、山に登りました。
見晴らし台に到着したのは17:40ごろ。ちょうど日没の少し前の時間でした。
あいにく夕日に雲がかかっており「夕焼けが町並みを照らす」景色とまではいきませんでしたが、それでもはるか遠くまで見える金沢の街並み、雄大な山々、オレンジと青の空と雲間から時折覗く陽光に、心が洗われたようでした。
この景色を見て金沢はとても大きな街だとも感じました。面積的な話ではなくて、それくらい視界の全てにまとまりがあったといいますか、1つの絵画のような景色だとしみじみと思いました。
蓮ノ空女学院で高校生活を送る生徒たちにとっては、きっとこの金沢の街が世界のほとんど全てに感じられると思います。
そんな中で「絶対に優勝できる」という自信をもってラブライブ!本戦に出場したスクールアイドルクラブの6人は、あえなく敗退します。これまで感じたことのない悔しさとともに、世界はもっと広く、自分たちを上回るスクールアイドルがたくさんいることを知りました。
それでも、ラブライブ!優勝という夢は、それぞれの決意は、燃え尽きることはありません。いや、より強く燃え始めたと言った方が良いでしょう。
彼女たちにとっての世界だった金沢の街を見つめながら、もっと広い世界へと羽ばたくために、この場所で来年を誓ったのではないでしょうか。
今回の聖地巡礼で特に心に強く残ったスポットたちでした。他にもあちこち行ったので、それもそのうち記事にします。それでは。
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