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「1日10分の帰省」で家族の健康を守る! #未来のためにできること

はじめに


親元から離れて暮らすと、日々の様子をなかなか深く知ることはできません。私は年に数回の帰省時に、遠方の親の老いを感じたり、元気な様子に安堵したりしていました。

退職してから、以前より頻繁に電話もするようになった頃のある日のことです。つい 1週前に電話したはずが、90過ぎの母からの第一声は「久しぶりね」でした。
戸惑った私は、翌日から毎日夕食前の6時過ぎに電話をかけるようにしました。

ただこれだけですが、自分と母にこれまでとは違う新たな喜びを見いだすことができました。

知り得たこと


母は一人暮らしをしています。近くに住む弟夫婦が、母のほぼ毎週の通院の送迎や食事等の世話をしてくれていること、週2回のデイサービス、週1回の訪問介護等々の日常の様子などがわかりました。

困り事は突然に


約2年前、母がコロナワクチン接種の予約をしていた時に、弟夫婦の家族がコロナに罹患し1週間の自宅待機となってしまいました。
それなら予約日に一人で病院へ行く、と母は宣言。
延期の説得については、次がいつになるかわからないとのことでどうしても譲りません。

90歳がひとりでワクチン接種の病院へ


そこで、脚が悪く杖が必要な母が1人で行けるかどうか、プランを考えました。
まず、行きのタクシーを予約。
病院入口では、スタッフが車椅子を手配してくださるとのこと、なんとかなる予感。
帰りのタクシーは、病院側にも依頼できるのではと思いましたが、念のためその頃母に持たせたガラケーで、自力でタクシーを呼べる方法を練習してもらいました。

希望の翼


その夜の電話で、接種ができたと、母の嬉しそうな声がかえってきました。
「病院に着くとすぐに車椅子に乗せてもらえ、各持ち場の方が、交代して接種場所まで車椅子を押してくれた。あっという間に終わった。
帰りのタクシーは自分で、ガラケーで呼べた。タクシーに乗り込むのを手伝ってもらえて無事に帰宅できた。」

私の目に浮かんだのは、翼のある車椅子に乗って、何事もスムーズに進み、目を丸くして驚いている母の様子でした。みなさんの善意は、「希望の翼だ」と私は感謝の念で一杯になりました。

終わりに


最近は、いずれ帰らなければならない日が来ることをより実感するようになりました。
1日1日が奇跡であることを感じ、今も帰省する気持ちで、1日10分の電話を毎日続けています。そうそう、母は以前よりよく喋るようになってきています。
 
 

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