井の頭線にて思うこと
久しぶりに井の頭線に乗りました。井の頭線に乗るなんて、吉祥寺で飲み会に参加して以来ではないでしょうか。
井の頭線は関東の私鉄の中でも少し変わったの存在です。
相互乗り入れしている路線がない(あとは西武新宿線くらい)
車両が5両編成と短い
駅間が短い
最初は京王ではなかったが、大東急になってから分割する際に京王になった
と、やや変わった路線ではありますが、住宅地としては屈指の路線、と言えましょう。思えば、島耕作が課長時代に住んでいたのも井の頭線沿いでした。一昔前には、島耕作世代のサラリーマンが大挙して住み、windows2000を誇っていたのか、東急東横線を凌いで、沿線の平均年収がトップという時代もありました。
井の頭線は言うまでもなく、吉祥寺~渋谷間を結んでいるのですが、いわゆる山の手の、高級と言われている住宅街を通過します。渋谷駅を出てすぐの神泉には天下の松濤が、して駒場、池ノ上、下北沢と目黒区、世田谷区の高級住宅街を通過していきます。池ノ上は地味な駅ですが、住所的には代沢にあたり、このあたりには著名な政治家が多く住んでいる(いた)エリアです。
下北沢はイメージ的には売れない劇団員の町で、古着が売られているやや貧乏くさいイメージがあるものの、北沢自体は紛れもない高級住宅地で、小田急線の地下化に伴い小田急線ホームは大江戸線六本木駅並みに地下に潜って利便性が失われてしまいましたが、線路跡には旅館やオサレな施設が建設され、新たな活気を生み出しています。ただし、駅前の闇市跡は再開発の立ち退きで雰囲気が失われてしまい、往時のムードが引き継がれていくのか、注目されます。
代田、松原、明大前あたりはあまり印象がないエリアです。個人的にはやや高級度がない庶民的なエリア、という印象です。この先に杉並区の高級住宅街エリアが並んでいるから、谷間ということでやや印象が薄い、ということでしょう。明治大学にも全く縁がない人生であった、ということもあります。代田、と聞くと、抱いた、に聞こえて、ダイテ(代金取立手形)下さい、を連想してしまうのは支店時代の職業病です。
明大前を出ると永福町です。急行停車駅の割になんでこんな住宅地に停まるのか、という疑問もわきますが、ここは急行と各駅停車の連絡駅になります。井の頭線は急行と各駅停車の2種類が運行されていますが、基本的には急行が中心のダイヤで、渋谷方面からは永福町から先へ行くには急行を、永福町から南であれば各駅停車に乗るのが最速達となります。種別がシンプル故、乗り間違いは少ないと思いますが、乗客が急行に集中してしまうのが玉に瑕です。渋谷で各駅停車を選ぶと、永福町以北はそれなりに時間がかかってしまいますし、何せ停車駅が多いので、よほど時間がない限りは急行を選んでしまうのが現代人というものでしょう。ただ、各駅停車は座れると思うので、各駅停車しか停まらない駅なら、各駅停車というチョイスも大ありですね。
閑話休題。永福町はやや標高が下がり、水災リスクのあるエリアも含まれていますが、永い福と書くくらいですから、縁起のいい高級住宅街です。特に西永福の南側には、碁盤目状に広い道路が敷かれたエリアが存在し、その周辺にはかなり広い区画の邸宅と呼ぶにふさわしい家々が立ち並んでいます。Googleマップでもボカシが入っているので、いろいろといちゃもんがついた著名人がお住まいなんでしょう。THE高級住宅街というのはこのエリアになるのでしょうが、それ以外も商店街はこじんまりとしていますが、落ち着きのある住宅街がこのあたりにはありますね。ちなみに永福町駅前は操車場の再開発で生まれた小さな駅ビルや商店街もあり、さすが急行停車駅、という風情になっています。
西永福の先は浜田山。ご存じ、パークシティ浜田山の最寄り駅です。パークシティ浜田山は三井グループのグラウンドを再開発したものですが、低層マンションが並ぶブランド住宅地です。今では高級住宅街以外でもちらほら見かけますが、かつてのレアな成城石井が進出していたのも浜田山です。ただし残念ながら急行は止まらず、勤め人にはやや不便な駅ではあります。
環八をまたぐ高井戸、車庫のある富士見ヶ丘はやや印象の薄いエリアです。高井戸は下高井戸との距離がありすぎて、間違えたらそれはそれで大変と思うレベルです。このあたりも代田~明大前あたりと同じく、ごく一部の方(山パン勤務とか、日本郵政勤務とか)を除けば印象が薄いエリアになってしまいますね。
富士見ヶ丘を出ると久我山で、こちらは急行停車駅です。記事を執筆する6月にはほたる祭りが開かれて、沿線から蛍目当てに杉並区民が大挙して集まります。こちらの神田川会場は、富士見ヶ丘の井の頭線車庫沿いで蛍が放されているので、神田川沿いの側道は久我山から富士見ヶ丘まで一方通行に規制されます。井の頭線車庫の近くは蛍がよく見える、とネットの記事にありましたが、実話でした。久我山と言えば、國學院久我山中学・高校ですよね。スポーツの強豪校というイメージですが、智弁学園と同じく特進クラスが進学実績を稼ぐ、文武両道な学校です。
久我山の次は三鷹台ですが、こちらは何といっても立教女学院の最寄り駅、以外のコメントが見つかりません。このあたりから、吉祥寺の、田畑を開発しましたバリの細長い区画が目立ち始めて、アドレスも「吉祥寺」が入りつつ、吉祥寺の領土になってきます。次の駅の「井の頭公園」なんてそのまんまですね。ただ、両駅とも三鷹市になるので、井の頭線南側は三鷹市井の頭アドレス以外は、なんちゃって吉祥寺民、になってしまうのではないでしょうか。
終点の吉祥寺は語るまでもありませんね。このnoteでも追い追い触れることになるでしょう。
総論として言えば、井の頭線は粒よりの高級住宅街の並ぶ路線で、押し並べて治安も申し分なく、外れの少ない路線と言えるのではないでしょうか。ただ、島耕作世代が幅を利かせており、保育園の新設阻止をはじめ住民運動も盛んな地域で、老害を目にする機会が多い、ともいえるかもしれません。沿線イメージはいいですし、良い点は多いのですが、住民の平均年齢には要注意かな、と思います。
ぜひ、検討される際は昼と夜、平日と休日の実査をお忘れなく。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。