見出し画像

今更過ぎるかもしれない考察-富士葵2ndalbumより『シンビジウム』の考察

はじめに

 本日(記事執筆時)3月24日より、富士葵氏がHOLLYHOCK RECORDS様より2ndアルバム『シンビジウム』を無事発売。
 多くの人が、2ndalbumの発表時である昨年から、HOLLYHOCK RECORDS様とは?となっていたようだが、調べたところ、富士葵氏の行ったCF(クラウドファンディング)の際の返礼品に携わったレーベル会社さんとのことだった。(筆者はCFの存在が出たころにはすでに所謂歌劇団(富士葵氏のファンの総称。よく、『富士葵歌劇団』と呼ばれる。)だったわけだが、学生のため手が出せなかった(また当時受験との兼ね合いもあった。))
 さて、その発売に伴って、筆者も考察を重ねていきたいと考え筆を執ったわけである。
 しかしながら多くの方々が昨年の発表から考察を重ねているであろうことを考慮し、題名に『今更過ぎるかもしれない考察』とつけさせていただいた次第だ。そのため、「今更かよ!」という突っ込みには以上のことをご了承いただければと思う。

タイトル『シンビジウム』での考察

 タイトルにもある『シンビジウム』とは、リード曲である『シンビジウム』をそのまま持ってきたように感じるが、実は別の曲とのつながりもあることに気が付いた。
 サブリード曲である『Eidos』。語源*を知っていらっしゃる諸氏なら察しがついた方もいるかもしれないが、ここでシンビジウムの語源について、以下の引用を用いる。

 属名の学名「Cymbidium(シンビジウム)」は、ギリシア語の「cymbe(舟)」と「eidos(形)」を語源とし、その唇弁(ラン科植物にみられるくちびる状の花びら)の形に由来するといわれます。
https://hananokotoba.com/cymbidium/#i-4 より引用:2021/3/24 22:10閲覧)

このように、実はシンビジウムの語源にサブリード曲である『Eidos』は、シンビジウムの語源とつながりがある。
 『それが何?』と言われると何とも言えないが、要は、一曲目のタイトルと二曲目のタイトルが実は語源レベルではつながっているということだ。
 これが偶然か、意図してかはサービス利用者側である私にはわかることではないが、このような遊びを忍ばせていると気づくと、より楽しめそうなalbumである。
*これに関しては、語源についての言及はすでに先駆者様であるどぅー氏の考察でふれられていたので、勝手に筆者が初めて気づいたみたいにしてしまうのも申し訳ないので、ぜひどぅー氏の記事をご一読いただければと思う。
https://note.com/do_gbfll/n/n93718963cb2d

現実(リアル)の花、『シンビジウム』との歌詞の内容との合致性

 さて、続いては歌詞の一部を引用し、ガーデニングに少し学のある(といっても趣味入りたてレベルだが)筆者が、シンビジウムの花と、『シンビジウム」の歌詞との共通項や、それを考察として『何が伝えたいのか』を個人的に考察していく。(そこまで考えてないと思うという突っ込みがありそうだが、こちらもご愛嬌ということで)
 まず、シンビジウムとはどういった花かを少し考えていきたい。まずは特徴だが、以下のような特徴がある。

シンビジウムは、東南アジアから日本にかけて自生する原種を交雑育種してできてきた洋ランです。ランとしてはたいへん丈夫で、寒さにも強く、定期的に植え替えを行い、明るい日ざしに当てるようにすれば、よく育ち花を咲かせます。
株の根元には丸く大きくふくらんだバルブと呼ばれる茎の変形した部分があり、ここに養分や水分をためて生育します。葉は大きく伸び、品種により直立したり、やわらかく垂れたりとさまざまです。また、多くは花茎を直立からアーチ状に伸ばして開花しますが、最近は下垂性といって、下向きに垂れて咲く種類もふえています。通常はアーチ状に伸びる花茎を、支柱などで半下垂状に仕立てた株も見られますが、これらは翌年以降は上向きに伸びて開花します。
https://www.shuminoengei.jp/m-pc/a-page_p_detail/target_plant_code-130より引用。(2021/3/24 21:30閲覧)

以上の特徴はNHK出版より『みんなの趣味の園芸』様のサイトより引用した特徴である。
 注目したいのは太字の部分。特に以下の部分に注目してほしい。
「通常はアーチ状に伸びる花茎を、支柱などで半下垂状に仕立てた株も見られますが、これらはよく年以降は上向きに伸びて開花します。」
 
とあるが、これは富士葵氏本人が書いた歌詞の意味を類推すると、このシンビジウムとも合致している。

どうか 沈まないように
ヒトのように 輝けなくても
不安の波間でハラリ舞う
光が教えている
「キミらしく 咲けばいいよ」と
富士葵『シンビジウム』MV
概要欄:歌詞より引用

ここの太字「どうか 沈まないように」とあるがMVでは「暗い海」(おそらくネガティブな感情や現場、環境などを示している。)に対する言及のように感じるかもしれないが、筆者はこう感じた。
「『通常はアーチ状に伸びる花茎を、支柱などで半下垂状に仕立てた株も見られますが、これらはよく年以降は上向きに伸びて開花します。』という先ほどのシンビジウムの説明ように、『努力(支柱やシンビジウムへのお世話)さえ続けて、成功を信じ続ける、目のまえに続く嵐のなか、前を見続ける根気さえあれば、いつかきっと日の目(人々からの(良くも悪くも)評価を)浴びるよ。私(富士葵氏のこと)は直接的に助けるよということはできないかもしれないけれど、みんな(曲を聴いた人々)の辛さを知っているよ。だから一人じゃないよ。』とまるで我々に語りかけているようだ」
(これは先に挙げた先駆者様も「私(富士葵氏のこと)~」の部分が同様の読み取りだったのでぜひ閲覧してみてほしい。)
 もちろん、支柱をつけなくても下垂状のきれいな花を咲かせるので、「他人には下を向いているように見えるかもしれないけれど、自分が、自分らしさをもって生きているのであれば、それはそれで、自分らしく咲いていて素晴らしい」という風にも言えるだろう。(『キミらしく咲けばいいよ』という歌詞からもわかるように)
 以上のことから歌詞は非常に合致しており、そこには、「新たなスタートを切った富士葵」の中に確かにある「昔からの、(応援団長としての)富士葵」が垣間見えた。

「今までの富士葵」にないような曲調のオリジナル曲『シンビジウム』

 さて、ここからは、楽曲としての『シンビジウム』、すなわち曲調に触れていこうと思う。この曲は作詞は富士葵氏ゆえ、先述のような(?)メッセージを「富士葵氏本人が」込めたものであるだろう。
 作曲については大田原侑樹氏(以下大田原氏)が担当している。ここで考察の前に調べてみたところ、大田原氏は、同じくVTuberとして活動しているヒメヒナの『ヒバリ』の作曲、また、2ndalbumの中の『テト』にも携わっている。ほかの曲として有名所としては高城れに氏(ももいろクローバーZ所属)の曲『じれったいな』や『一緒に』の作詞作曲や、ロッカジャポニカというグループ(現在は解散、一部メンバーは『B.O.L.T』というグループで再始動しているとのこと)の曲『タンバリン、凛々』の作曲担当、明電舎公式120年記念イメージソング『One to Love ~心ひとつに~』という曲の作曲担当をなさっている。(ちなみにこの曲の歌手はMay J.とのこと。)これだけ見てもすごい方なので、筆者も大田原氏の作曲した曲をどんどん聞いていきたいと思う
 
 話がそれたが、本題に戻ろう。本曲『シンビジウム』の曲調は、少しバラード調というべきか、ゆっくりで、美しさもあるが、暗い曲である。この曲調が、個人的には『シンビジウム』にピッタリ合う。なぜなら、先に述べたように、『今までの富士葵』は応援を前面に出したような曲が代表曲として挙げられる。(『はじまりの音』『エールアンドエール』や、『MY ONLY GRADATION』など、すこし明るめというか、早めである)
 そんな中、今回の『シンビジウム』は、同氏の投稿しているカバー曲で挙げるとすれば、『月光』『なんでもないや』などに近い。
 どうして今回このような『新たな富士葵』ともいえる挑戦をしたのか。きっと、これは『富士葵』の成長過程で感じた「悩みへの共感」や、「それを解決できないもどかしさ」、「そこに寄り添うことができそうな曲が富士葵には足りない。(頑張れというような言葉を前面に出すだけではないという意味で)」という今までの経験から、「寄り添っているよ。だから一人じゃないんだ(孤独と感じないでね)」ということを伝えるにピッタリな曲調である。これは、大田原氏が「富士葵」という存在に対して開いてくれた「新たな道」であることは間違いないだろう。だからこそ、富士葵氏の歌詞、大田原氏の曲調が突き刺さり、一つの作品として完成したのだろう。こればっかりは富士葵氏だけでなく、大田原氏に最大限の感謝を伝えたい。

最後に

ここまで長々と(?)述べてきたが、これはあくまでも考察であり、正しいものではないことをご了承いただきたい。また、筆者の文章が読みづらかった等、至らぬ点があったら申訳ない。こればかりは技術不足なので書きながら上手な文章力を養っていけるように尽力していくつもりだ。
 富士葵氏は現在活動3周年を迎えて、今年12月15日には、活動四周年が待っている。今後も『新たな富士葵』を筆者はひそかに、でも確実に見守っていけるようにこれからも生きていきたい。そう思った富士葵氏の進化が示された楽曲だった。
 最後に宣伝になってしまい、申し訳ないが、この考察中にも提示した富士葵『シンビジウム』MVを見られた方で、「とても良い歌だ。」そう感じられた方はぜひ、富士葵氏の2ndalbum『シンビジウム』をぜひ買って一度全曲聞いてみてほしい。そこには富士葵氏のあらたな冒険が詰まっている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?