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イカロスとダイダロスとミノタウロス

いきなりですが皆さんは、『勇気一つを友にして』という歌を知ってますか?もしかしたら音楽で習ったことがある人もいるかもしれないですね。
「昔ギリシャのイカロスはロウで固めた鳥の羽」っていう歌詞の歌です。が、実はこれ本当は違うんですよ。この歌を聞くと、「羽を作ったのはイカロス」と捉えられるんですが…実際はイカロスのお父さん、ダイダロスという人物が作ったんです。
ダイダロスは、ギリシャでも一番の細工師で、とても手が器用でした。
ある日、ダイダロスが、王様に怒られてしまって牢屋に閉じ込められてしまったんですね。何故かイカロスも一緒に。
で、イカロスが「なんで父さん捕まったんだよ!もう俺ここから出たいよー…上の方に窓があるけど、あそこは高くてたわない(届かない)しなぁ…。」と言ったところ、「イカロス、俺を誰だと思ってるんだ!細工の名人だぞ!」とダイダロス。ダイダロスは牢屋の中にある鳥の羽をロウで固めて、イカロスと二人で牢屋から脱出を試みました。
それがなんと成功。ただのロウで固めた鳥の羽なのに。不思議。
調子に乗ったイカロスが、「凄いよ父さん!飛べる!もっと高くに行こう!」と言い、雲より高く飛んで行きます。ダイダロスは「ダメだイカロス!それ以上高く飛んだら太陽の神様に怒られてしまうぞ!」と言いましたが、イカロスはどんどん高く。案の定太陽の神に怒られ、「どうする?こいつ。処す?処す?」と、羽のロウを溶かされ、イカロスは飛べなくなり落ちて死んでしまいました。
あ、ダイダロスはそんな息子を放って異国の地に逃げたそうです。その国にそのままいたらまた捕まってしまうから。

気になるのが、なんでダイダロスは罰を受けたっていう所なんですが。
ミノタウロスってみなさんご存知でしょうか?牛と人間のハーフね。そのミノタウロスを幽閉した、迷宮を作ったのが…迷宮っていうのはラビュリントスの迷宮ね。で、それを作ったのが、ダイダロスなんですよね。
ダイダロスとかイカロスが住んでいた国が、その頃の王様を決めるのに、「一番いい牛を持っていたものが王様だ」って言ってたんですね。それを聞いたある男が、「神様に牛借りたら王様になれるじゃん!」つって神様からいい牛を借りて、思惑通り王様になる訳です。
借りたんだからもちろん返さないと行けないわけで。しかし、その王様は何を思ったのか、「王様他にもいい牛いっぱい持ってるし、俺は手放したくないから、別の牛返そう。」と、別の牛を返したんです。
もちろん神様にはバレバレ。「なんで俺の牛返さないんだ。」「俺怒った、もうお前の奥さんを牛にしか発情しない体にする。」って、王様の奥さんは牛にしか発情しない体になってしまうんです。
で、その奥さんが、ダイダロスの元に向かって「ダイダロス、私、牛にしか発情しないの。牛に好かれるにはどうすればいい?」つって。ダイダロスが、「じゃあ、これを着てみてください!精妙な牛の着ぐるみです」って、着ぐるみを差し出すんです。差し出された着ぐるみを着た王様の奥さんが、牛のところに行ったらあら不思議。牛は発情。
色々あって奥さんから生まれたのがミノタウロス。
それを知った王様は、みんなにバレるわけにはいかない…でも息子だから殺せない…と、王様もまたダイダロスの元に向かって「ちょっと迷宮作って」と。
それでダイダロスが作ったのがラビュリントスの迷宮。王様はそこにミノタウロスを幽閉し、ミノタウロスの食事として奴隷にしていた国の人間も一緒に幽閉。
ある日、幽閉されそうになった人間たちの中にある男が1人。その男は「俺はミノタウロスに食べられずに、尚且つ迷宮からも脱出してみせる」と馬鹿なことを…。
そんな男に恋をした人が1人、王家の娘です。娘もまた、ダイダロスの元に向かって「ねぇダイダロス、私あの人が好きなんだけど、帰って来れなくなったら困るのね。どうやったら迷宮から脱出できるのか教えてくれない?」と。それを聞いたダイダロスが、「入る時に紐を持って入れば?」と。それを辿って出てこいという訳です。
それは男に伝わり、男はミノタウロスを殺した上にに無事迷宮から脱出出来たのです。
それを聞いた王様が、息子も殺され、迷宮からも脱出されたからと、男に直接ではないが、脱出方法を教えたダイダロスが罰として牢屋に閉じ込めてしまった。

これが、最初の「昔ギリシャのイカロスはロウで固めた鳥の羽」に繋がるのです。

いやぁ、面白い。この話を楽しげに話してくれたのがしんたろーたりーさん。Voicyツイキャスで活動されてる方で、Voicyで話してくださってるので、今回の話を話す時の抑揚とか、笑いながら楽しそうに話しているしんたろーたりーさんが気になる方はこちらをどうぞ。

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