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目的よりも大義名分

短命美容師の生存戦略 カワシ

今日は目的よりも大義名分というお話をしていきたいと思います。
人と仕事をしている以上、自分がトップでない限り現実と理想や目指したいビジョンに差を感じることがあると思います。
前回でもお話した少数の店長たちで作ったコミュニティ、「新しいリーダーズ」でも
各々の悩みや理想とのギャップをいかに埋めて改善するかを日々話しています。

そんな中、自分たちのエリアで毎年恒例のカットコンテストをせっかくやっているのだから、全スタッフを巻き込んで忘年会とは別の大きなイベントとして盛り上げたいという話が出てきました。
今までは、参加者と店長たちの投票で順位を決めていたので、興味のある人だけの行事だったのです。
しかし、去年から見る目を養う勉強だとマネージャーが言って全スタッフが採点と投票をすることになりました。

これが本当にカットコンテストに興味がない人からしたら苦痛でしかないんです。
10数体の作品の動画を見て採点をするだけで休憩2回分は取られます。
なので少しでも採点、投票するスタッフにメリットがあるようにして、参加意欲を高めればイベントとして盛り上がるのではという話になりました。

こういうイベントは周りをどう巻き込めるかが勝負だと思うんです。

そして、色々な提案が出た中で1位から3位の投票と順位予想を一緒にして順位が当たったスタッフに賞金を配るという案にまとまりました。
結果発表の時に盛り上がるし、興味がないスタッフに得を与えれば少しは理由ができて採点もしっかりやってくれそうだよねということで。
そこから意見を出し合ったり色々とアイデアを揉むと「あれも問題だよね」、「これも問題だけどこうすれば改善できるからこうしよう」など一つの案でいろんな問題を解決することができる道すじが見えてきました。

そうなってくると話は一気に加速します。実際に案を動かすには上司に提案しないと始まりませんよね。
上司に話を通して、時間を作ってもらい美容の店長が集まる会議の時にプレゼンが行われました。
結果からすると、要検討になりました。ナンバー2と何名かの店長があまり良い顔をしなかったのです。
内容をなるべく簡潔にまとめようと、順位予想を競馬の3連単、3連複に例えたことにより、イメージが賭け事になってしまったのが原因でした。
頑張っている選手に対して失礼だとか、お金をばら撒いて参加意欲を上げるのか？など
色々な意見がありました。
選手として出ている店長たちは賛成意見で出ていない店長が反対意見というおかしな事態もありましたが、今回はいろいろと勉強になりました。

ー目的は後からどうとでもなるー
まず、どんな目的から話が始まったかなんてものは本当に意味がないというを知りました。
今回ではカットコンテストを盛り上げる、採点するスタッフに負担だけではないもの与えることが話のきっかけだったのですが、このなになにしたいという気持ちの部分が大きい目的では概要を説明するときに賛否に分かれてしまうんです。
気持ちの部分なので捉え方が人それぞれなんですね。
今でも十分盛り上がってるとか、採点は勉強だからとか。

なので、何かを変える時には目的よりも大義名分が最重要になるんです。
大義名分とはこの場合、「共通の問題」です。

今までの採点方法だと、一人二作品を選ぶものだったので一つは好きな作品、もう一つは同じお店の選手という組織票ではないのですが、応援や情による票が見受けられるんです。
それが本当に2番目に好きな作品なら問題はないのですが…
やはりカットコンテストなので、この問題がわかっているのであれば審査には公平さが必要になります。そのためには何か改善策を作らなければならないですよね。

組織で何かを変えようと動く時には、この「共通の問題」から話を組み立てないとまず話が通じないことがわかったのは今回良い勉強になりました。
気持ち的な動機、目的だとそれって必要？〇〇に失礼など気持ちで返されるので、話が並行になりやすいのですが、共通の問題を改善する一つの案としてだと、否定するなら相手も案を出さないといけないですし、改善目的が一緒なら巻き込める確率が高くなります。

なので、目的をリスト化して上司が好きそうな理由や、大義名分のある理由を明確にしてそこから話を組み立てた方が話が通りやすいのでぜひ試してみてください。

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